4食生活からロコモ予防

骨と筋肉をつくる

 ロコモの予防には、食生活からのアプローチも効果的です。骨と筋肉は新陳代謝を繰り返して日々新しく作られていくので、その材料が必要です。もちろん、栄養バランスの良い食生活が理想ですが、ロコモの観点から特に意識して摂りたいのは、以下の3つの栄養素です。

カルシウム

骨を作るために重要です。
牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜、海草類、大豆製品に多く含まれています。

■たんぱく質

筋肉はほぼたんぱく質でできています。また、意外と知られていませんが、実は骨の半分もたんぱく質。筋肉・骨の両方を維持するために必須な栄養素です。
肉、魚、卵、乳製品、大豆製品に多く含まれています。

■ビタミンD

カルシウムの吸収を高める栄養素。
鮭などの魚類や、キノコ類などに多く含まれています。ビタミンDは食事のほか、日光を浴びることで皮膚から合成することもできます。

〜大江先生から食生活アドバイス〜

 「食べ物(栄養素)は、筋肉や骨を作るための『材料』であると考えてください。充分な材料を摂らないまま運動だけを行えば、筋肉を消費してしまって増えません。骨折で入院する高齢の女性の方の多くが低たんぱく、つまり栄養失調の状態です。メタボリックシンドローム(肥満)の年代を過ぎたら、痩せていくのは危険です。
 筋肉を保つためには、高齢になっても1日に女性で50g、男性は60gのたんぱく質の摂取が必要と言われています。これは、赤身の肉で約200g、魚なら約250〜300g、木綿豆腐で言えば3丁くらいに当たります。栄養をサプリメントで摂れば良いと思う方も増えていますが、これだけの量はサプリメントだけでは摂れません
 また、日本人は骨を作るカルシウムと、カルシウムを取り込むために必要なビタミンDの摂取が一般的に少ないこともわかっています。これらは入っている食材が限られているので、サプリメントで補うのも良いと思います。サプリメントを上手に使いながら、身体を作る『材料』となる食事を摂りましょう。」

日常生活の運動の強度を上げてロコモチャレンジ!

 忙しい年代には、なかなか運動の時間を作れないのが現実でしょう。でも、特別なことではなく、日常生活の強度を上げるだけでもロコモ対策になります。
 「スポーツは身体に良いのですが、中高年になってから急激に運動を始めると怪我をしやすく、かえって老化を速めてしまうことにもつながるので、やりすぎは禁物です。一番良いのは、ライフスタイルに合わせて日常生活の運動の強度を少し上げること。通勤や外出の際に、エレベーターやエスカレーターをやめて階段を使うなど、少し負荷をかけてみるのも良いでしょう。また、少し速足で歩くのもおすすめです。普段歩く距離の3分の1を速足で歩く・大股で歩くことで、筋力強化できることがわかっていいます。たとえば、駅から15分歩くのであれば、5分はがんばって速足で歩いてみてください。」(大江先生)
 
 平均寿命が延びた現在、90歳まで自分の足で歩こうと思えば、運動器の点検・手入れが必須です。セカンドライフを楽しく過ごすためにも、少しずつロコモ対策を始めませんか。

※関連記事:Let'sMETs〜日常生活にMETsを取り入れよう〜

ロコモについてのさらに詳しい知識や
『ロコモーショントレーニング』についての情報は

日本整形外科学会公認 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト
『ロコモチャレンジ!』
 https://locomo-joa.jp/

をご覧ください。

 

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