ご質問に関するご回答【ご質問】給料に変動があった場合は、厚生年金保険料もそれに伴って変動しますか?
厚生年金保険料の計算の基となる標準報酬月額は通常、7月に4〜6月の3ヵ月分の給与の平均額を算出して決定します(「定時決定」)。ただし、それ以外の月でも、給料が3ヵ月平均で2等級以上の差が生じるような変動が生じた場合は、「随時改定」を行い報酬月額の修正を行います。保険料の計算はこの報酬月額を標準報酬月額に区分し、保険料率を掛けて計算するため、標準報酬月額が変われば、保険料の額も変わります。
随時改定が行われる場合
次のような要因により3ヵ月平均で2等級差がでるような変動があった場合は随時改定を行います。
○昇給、降給
○日給・月給などの給与体系の変更
○日給や時間給の基礎単価の変更
○住宅手当、役付手当など固定的な手当の新設や支給額の変更
標準報酬月額の上限・下限(近く)の人は特例の対応
標準報酬月額の上限・下限やその1等級下(上)に該当する人の場合は、2等級以上の差が出ないことがあります。例えば下限(1等級)の人はどんなに給料が下がっても、また、上限より1級下(31等級)の人はどんなに上がっても2等級以上の差が出ません。そこで次の対象者は特例の対応を行います。
【昇給】
○31級(標準報酬月額620,000円)に該当する人
給与の3ヵ月平均月額が635,000円以上になったら32級(標準報酬月額650,000円)とする。
○1級(標準報酬月額88,000円)に該当し、報酬月額93,000円未満の人
給与の3ヵ月平均月額が93,000円以上になったら2級(標準報酬月額98,000円)とする。
【降給】
○32級(標準報酬月額650,000円)に該当し、報酬月額665,000円以上の人
給与の3ヵ月平均月額が635,000円未満になったら31級(標準報酬月額620,000円)とする。
○2級(標準報酬月額98,000円)に該当する人
給与の3ヵ月平均月額が93,000円未満になったら1級(標準報酬月額88,000円)とする。
自分の給料の3ヵ月平均月額が、以前と比べて2等級分(2〜16万円、下表参照)の差が出ているようなら保険料が変わる可能性があります。給料明細を見れば、自分の標準報酬月額や保険料がわかります。
厚生年金保険の保険料額(一般)
標準報酬 | 報酬月額 (円以上〜円未満) |
保険料(円) (保険料率=18.300%) |
||
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等級 | 月額 | 事業主 | 被保険者 | |
1 | 88,000 | 〜093,000 | 8,052.00 | 8,052.00 |
2 | 98,000 | 93,000〜101,000 | 8,967.00 | 8,967.00 |
3 | 104,000 | 101,000〜107,000 | 9,516.00 | 9,516.00 |
4 | 110,000 | 107,000〜114,000 | 10,065.00 | 10,065.00 |
5 | 118,000 | 114,000〜122,000 | 10,797.00 | 10,797.00 |
6 | 126,000 | 122,000〜130,000 | 11,529.00 | 11,529.00 |
7 | 134,000 | 130,000〜138,000 | 12,261.00 | 12,261.00 |
8 | 142,000 | 138,000〜146,000 | 12,993.00 | 12,993.00 |
9 | 150,000 | 146,000〜155,000 | 13,725.00 | 13,725.00 |
10 | 160,000 | 155,000〜165,000 | 14,640.00 | 14,640.00 |
11 | 170,000 | 165,000〜175,000 | 15,555.00 | 15,555.00 |
12 | 180,000 | 175,000〜185,000 | 16,470.00 | 16,470.00 |
13 | 190,000 | 185,000〜195,000 | 17,385.00 | 17,385.00 |
14 | 200,000 | 195,000〜210,000 | 18,300.00 | 18,300.00 |
15 | 220,000 | 210,000〜230,000 | 20,130.00 | 20,130.00 |
16 | 240,000 | 230,000〜250,000 | 21,960.00 | 21,960.00 |
17 | 260,000 | 250,000〜270,000 | 23,790.00 | 23,790.00 |
18 | 280,000 | 270,000〜290,000 | 25,620.00 | 25,620.00 |
19 | 300,000 | 290,000〜310,000 | 27,450.00 | 27,450.00 |
20 | 320,000 | 310,000〜330,000 | 29,280.00 | 29,280.00 |
21 | 340,000 | 330,000〜350,000 | 31,110.00 | 31,110.00 |
22 | 360,000 | 350,000〜370,000 | 32,940.00 | 32,940.00 |
23 | 380,000 | 370,000〜395,000 | 34,770.00 | 34,770.00 |
24 | 410,000 | 395,000〜425,000 | 37,515.00 | 37,515.00 |
25 | 440,000 | 425,000〜455,000 | 40,260.00 | 40,260.00 |
26 | 470,000 | 455,000〜485,000 | 43,005.00 | 43,005.00 |
27 | 500,000 | 485,000〜515,000 | 45,750.00 | 45,750.00 |
28 | 530,000 | 515,000〜545,000 | 48,495.00 | 48,495.00 |
29 | 560,000 | 545,000〜575,000 | 51,240.00 | 51,240.00 |
30 | 590,000 | 575,000〜605,000 | 53,985.00 | 53,985.00 |
31 | 620,000 | 605,000〜635,000 | 56,730.00 | 56,730.00 |
32 | 650,000 | 635,000〜 | 59,475.00 | 59,475.00 |
※事業主は保険料の半分を納めるほか、「子ども・子育て拠出金」(0.36%、2024(令和6)年4月現在)を全額負担することになっています。
〈例〉
平均給与が325,000円の人に役職手当5万円が付くようになり、3ヵ月平均月額が375,000円になった場合
上表より、これまでは等級は20等級、標準報酬月額は320,000円
○毎月の厚生年金保険料(本人負担分)は29,280円(320,000×0.18300×0.5)
随時改定後は等級23等級、標準報酬月額は380,000円
○毎月の厚生年金保険料(本人負担分)は34,770円(380,000×0.18300×0.5)に上がります。
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