2振替加算が支給される3つの事例
条件が整ったら受給する本人が届出を
前項で整理した、振替加算が支給される代表的な3つのケースを事例で見てみましょう。
事例1 一般的な振替加算の支給事例
【AさんとBさんは夫婦】
●Aさん:1956(昭和31)年5月生まれ ※2021(令和3)年5月に65歳に到達
・厚生年金保険に20年以上加入
●Bさん:1960(昭和35)年5月生まれ ※2025(令和7)年5月に65歳に到達
・厚生年金保険への加入歴はなし
・Aさんに生計を維持されている
➡ Bさんが受け取ることになる老齢基礎年金には、年額20,897円(2021年度価格)の振替加算が支給される。
事例2 厚生年金保険の加入歴20年以上を満たしたことによる振替加算の支給事例
【AさんとBさんは夫婦】
●Aさん:1956(昭和31)年5月生まれ ※2021(令和3)年5月に65歳に到達
・厚生年金保険に15年加入
・70歳の退職時に厚生年金保険に20年加入となる見込み
●Bさん:1960(昭和35)年5月生まれ ※2025(令和7)年5月に65歳に到達
・厚生年金保険への加入歴はなし
・Aさんに生計を維持されている
➡ Aさんの退職による年金額改定時にBさんが届出をすることによって、Bさんの老齢基礎年金に年額20,897円(2021年度価格)の振替加算が加算されることになる。
事例3 生計を維持されている配偶者が年上の場合の振替加算の支給事例
【AさんとBさんは夫婦】
●Aさん:1960(昭和35)年5月生まれ ※2025(令和7)年5月に65歳に到達
・厚生年金保険に20年以上加入
●Bさん:1956(昭和31)年5月生まれ ※2021(令和3)年5月に65歳に到達
・厚生年金保険への加入歴はなし
・Aさんに生計を維持されている
➡ Bさんは65歳から自分の老齢基礎年金を受給し、Aさんが65歳になって老齢厚生年金を受給するときに、Bさんが届出をすることによって、Bさんの老齢基礎年金に年額20,897円(2021年度価格)の振替加算が加算されることになる。
前項で述べたように、事例1の場合は、Aさんの加給年金額がBさんの振替加算に自動的に切り替えられますが、事例2や事例3の場合は、Bさんが振替加算を受け取るための手続きが必要になります。
1.振替加算は、加給年金額の支給されていない場合、条件が整ったところで受給する本人が届け出ることによって支給されるようになる
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② 振替加算が支給される3つの事例