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年金・社会保険
掲載:2021年5月14日

“目で見る”年金講座【第29回】
振替加算は加給年金額からの振り替えだけとは限らない

前回(第28回『老齢年金の本来受給と繰下げ受給の組み合わせ』)の記事で、「繰下げを待機している期間は『加給年金額』だけでなく『振替加算』も支給されない」と解説したところ、そもそも「振替加算」とは何かという質問をいただきました。一般に、年下の配偶者がいる人の老齢厚生年金に加算される加給年金額が、配偶者が65歳になると配偶者本人の老齢基礎年金に振り替えられる加算として説明されますが、そのパターンだけとは限りません。事例で見てみましょう。

大正15年4月2日〜昭和41年4月1日生まれの人が対象

年齢が若くなるごとに減額され、昭和41年4月2日以後生まれはゼロに

 厚生年金保険に20年以上加入していた人が受け取る老齢厚生年金には、生計維持関係にある配偶者がいる場合、加給年金額が加算されます。加給年金額は対象となっている配偶者が65歳になった時点で打ち切られ、配偶者自身の老齢基礎年金に「振替加算」が経過的に支給されます。(※加給年金額は、「子」がいる場合にも支給されます。第21回『老齢厚生年金に加算される「加給年金額」とは?』参照)
 振替加算が支給されるのは、加給年金額の対象となっていた配偶者のうち、1926(大正15)年4月2日から1966(昭和41)年4月1日生まれの人です(なお、厚生年金保険に20年以上加入している人には支給されません)。

なぜ振替加算という制度が設けられたのか?

 20歳以上60歳未満のすべての人が国民年金に加入することが義務化された現在の年金制度は1986(昭和61)年4月1日にスタートしています。これにより、すべての人が65歳から老齢基礎年金を受けられるようになりましたが、このときすでに60歳に近い人で、国民年金に任意加入しなかった人の老齢基礎年金は低額となります。振替加算はそういう人のために設けられた制度です。
 したがって、振替加算の額は、昭和61年4月1日に59歳以上(1926(大正15)年4月2日~1927(昭和2)年4月1日生まれ)の人については、加給年金額と同額の224,700円(2021年度価格)で、それ以後年齢が若くなるごとに減額していき、1986(昭和61)年4月1日に20歳未満(1966(昭和41)年4月2日以後生まれ)の人はゼロとなるように決められています。

【図表1】振替加算の額(2021年度価格)

配偶者の生年月日 加算額(年額)
1926(大正15)年4月2日~1927(昭和2)年4月1日 224,700円
1927(昭和2)年4月2日~1928(昭和3)年4月1日 218,633円
1928(昭和3)年4月2日~1929(昭和4)年4月1日 212,791円
1929(昭和4)年4月2日~1930(昭和5)年4月1日 206,724円
1930(昭和5)年4月2日~1931(昭和6)年4月1日 200,657円
1931(昭和6)年4月2日~1932(昭和7)年4月1日 194,815円
1932(昭和7)年4月2日~1933(昭和8)年4月1日 188,748円
1933(昭和8)年4月2日~1934(昭和9)年4月1日 182,681円
1934(昭和9)年4月2日~1935(昭和10)年4月1日 176,839円
1935(昭和10)年4月2日~1936(昭和11)年4月1日 170,772円
1936(昭和11)年4月2日~1937(昭和12)年4月1日 164,705円
1937(昭和12)年4月2日~1938(昭和13)年4月1日 158,863円
1938(昭和13)年4月2日~1939(昭和14)年4月1日 152,796円
1939(昭和14)年4月2日~1940(昭和15)年4月1日 146,729円
1940(昭和15)年4月2日~1941(昭和16)年4月1日 140,887円
1941(昭和16)年4月2日~1942(昭和17)年4月1日 134,820円
1942(昭和17)年4月2日~1943(昭和18)年4月1日 128,753円
1943(昭和18)年4月2日~1944(昭和19)年4月1日 122,911円
1944(昭和19)年4月2日~1945(昭和20)年4月1日 116,844円
1945(昭和20)年4月2日~1946(昭和21)年4月1日 110,777円
1946(昭和21)年4月2日~1947(昭和22)年4月1日 104,935円
1947(昭和22)年4月2日~1948(昭和23)年4月1日 98,868円
1948(昭和23)年4月2日~1949(昭和24)年4月1日 92,801円
1949(昭和24)年4月2日~1950(昭和25)年4月1日 86,959円
1950(昭和25)年4月2日~1951(昭和26)年4月1日 80,892円
1951(昭和26)年4月2日~1952(昭和27)年4月1日 74,825円
1952(昭和27)年4月2日~1953(昭和28)年4月1日 68,983円
1953(昭和28)年4月2日~1954(昭和29)年4月1日 62,916円
1954(昭和29)年4月2日~1955(昭和30)年4月1日 56,849円
1955(昭和30)年4月2日~1956(昭和31)年4月1日 51,007円
1956(昭和31)年4月2日~1957(昭和32)年4月1日 44,940円
1957(昭和32)年4月2日~1958(昭和33)年4月1日 38,873円
1958(昭和33)年4月2日~1959(昭和34)年4月1日 33,031円
1959(昭和34)年4月2日~1960(昭和35)年4月1日 26,964円
1960(昭和35)年4月2日~1961(昭和36)年4月1日 20,897円
1961(昭和36)年4月2日~1962(昭和37)年4月1日 15,055円
1962(昭和37)年4月2日~1963(昭和38)年4月1日 15,055円
1963(昭和38)年4月2日~1964(昭和39)年4月1日 15,055円
1964(昭和39)年4月2日~1965(昭和40)年4月1日 15,055円
1965(昭和40)年4月2日~1966(昭和41)年4月1日 15,055円

配偶者が年上の場合は、届出により振替加算がつく

 配偶者本人の老齢基礎年金に振替加算が加算されるのは、次のようなケースが考えられます。ケース1は、加給年金額から振替加算に振り替えられる一般的なケースですが、ケース2とケース3は、加給年金額が支給されていなくても振替加算が支給されるというケースです。

【前提】①AさんとBさんは結婚している。

②Aさんは厚生年金保険に20年以上加入している。
(または、障害厚生年金(1級または2級)の受給権者である。)

③Bさんの厚生年金保険への加入期間は20年未満である。

④Aさんに生計を維持されているBさんに振替加算が上乗せされる。
※1926(大正15)年4月2日~1966(昭和41)年4月1日生まれに限る。
※生計維持関係については第7回『「生計を維持されている」とは?』参照。

ケース1

●BさんはAさんより年下

●Aさんの老齢厚生年金に加給年金額が加算され、Bさんが65歳になったときにBさんに自分の老齢基礎年金の受給権が発生し、Aさんの加給年金額が打ち切られ、Bさんの老齢基礎年金に振替加算が支給される。

ケース2

●BさんはAさんより年下

●Aさんは老齢厚生年金の加入期間が20年未満であったために加給年金額が加算されなかったが、65歳以降も厚生年金保険に加入して働き、退職したときに厚生年金保険の加入期間が20年以上に達した。その時点でBさんは65歳以上で老齢基礎年金を受給していたが届出により振替加算が支給される。

ケース3

●BさんはAさんより年上

●BさんはAさんより先に65歳になり、自分の老齢基礎年金の受給。その後、Aさんが65歳となり、その時点で、Aさんに生計を維持されていたBさんの老齢基礎年金に届出により振替加算が支給される。

 ケース1の場合は、Bさんが自分の老齢基礎年金を請求する際に、Aさんの年金証書の基礎年金番号・年金コード、Aさんの氏名および生年月日を記入することで、自動的に振替加算が支給されます。
 しかし、ケース2・ケース3の場合は、振替加算を受けるためには「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」を年金事務所に提出する必要がありますので、ご留意ください。
 ケース1~3の支給イメージは、次項で事例解説します。

point

1.振替加算を受けられるのは、加給年金額の対象となっていた配偶者のうち、1926(大正15)年4月2日から1966(昭和41)年4月1日生まれの人である

2.生計を維持されている配偶者が年上の場合など、加給年金額が支給されていなくても振替加算が支給されるケースがある

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