HOME ≫ 年金広報 ≫ 実務担当者のための年金講座 ≫ ① 共済組合からの年金と日本年金機構からの年金を別々の金融機関に振り込みたいが、どうすればいいのか? 〜年金請求書は1通しかきていない〜
年金広報タイトル

︱2016.1.15 1月号 (通巻679号) Vol.34

掲載:2016年1月15日
年金講座

共済組合の決定する年金の手続きについて

筆者プロフィール 長沼 明(ながぬま あきら)

浦和大学総合福祉学部客員教授。志木市議・埼玉県議を務めたのち、2005年からは志木市長を2期8年間務める。日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員を歴任する。社会保険労務士の資格も有する。2007年4月から1年間、明治大学経営学部特別招聘教授に就任。2014年4月より、現職。主な著書に『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(2015年、年友企画)、『年金相談員のための被用者年金一元化と共済年金の知識』(2015年、日本法令)

 一元化がスタートして、3か月が過ぎました。
 ある共済組合では、一元化後の最初の年金支給日である昨年の12月15日は、電話が鳴りっぱなしだったと言います。一元化の影響で、支給額が減額になった受給者から、「振り込まれる年金額が減っている。間違っているのではないか?」という問い合わせや苦情が大半だったようです。
 予想どおりのそれなりの混乱と、必ずしも予定どおりに進んでいないワンストップサービス。徐々に改善されていくとは思いますが、まだまだ手続面では、「これはどうするの?」という手探りの状態が続いています。今月は手続面での情報を共有していきたいと思います。

共済組合からの年金と日本年金機構からの年金を別々の金融機関に振り込みたいが、どうすればいいのか? 〜年金請求書は1通しかきていない〜

(1)2つの年金を別々の金融機関に振り込むことができますか

ケーススタディ

 昭和30年3月3日生まれの男性です。大学卒業後、2年ほど民間企業に勤め、そののち、市役所に勤務しました。平成27年3月2日に60歳となり、3月末に定年退職しました。
 平成28年3月2日に61歳となり、年金の受給権が発生します。共済組合から年金請求書がきましたが、1通しか年金請求書が届きません。
 金融機関の口座に年金を振り込むと、定期預金の金利が少し高くなるというので、共済組合からの年金と民間企業に勤めていた分の年金を、別々の金融機関に預けたいと思っています。
 具体的には、共済組合からの年金はA金融機関に、国(日本年金機構)からの厚生年金はB金融機関に振り込みたいと考えています。どうすればいいですか?

(2)最後に加入していた実施機関である、共済組合から年金請求書が届く

 一元化後に受給権の発生した特別支給の老齢厚生年金は、ワンストップサービスの対象です。また、平成28年2月1日以後に受給権の発生する、昭和30年2月2日以後生まれの男性については、原則として、最後に加入していた実施機関から、それまで加入した他の実施機関についても印字された年金請求書が1通届くことになっています。
 この相談者の場合、最後に加入していたのが、市役所で、市町村職員共済組合ですから、共済組合から、他の実施機関に加入していた記録(民間企業に加入していた一般厚年分)も印字された年金請求書(ターンアラウンド)が、送付されてくることになります。
 【資料1】、全国市町村職員共済組合連合会のHPからダウンロードした年金請求書の見本をみてみましょう。

資料1「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」

資料1「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」

 1面の下にある、「2.年金の受取口座をご記入ください」の欄をみると、1つの金融機関の口座しか記入する欄はありません。
 「2.年金の受取口座をご記入ください」をみると、確認できます。
 では、どうすれば、2つの厚生年金を別々の金融機関に振り込んでもらうことができるのでしょうか?

(3)

年金請求書に記載した受取口座は、送付実施機関からの年金が振り込まれる

 年金事務所などの窓口で、共済組合からの年金と国からの年金を別々の金融機関に振り込んでもらいたい旨の話を伝えてください。そうすると、窓口のスタッフが、A4サイズの【年金受給権者 受取機関変更届】【資料2】を1枚渡してくれるはずです。
 制度がスタートした当初ですので、一部に戸惑った対応もあるかもしれませんが、徐々に浸透していくと思います。
 さて、この相談者の場合、共済組合からの年金はA金融機関に振り込んでもらいたいと希望しているので、年金請求書には、A金融機関の口座番号等を記入します。つまり、年金請求書に記載した金融機関の受取口座に振り込まれる年金というのは、年金請求書を送付してきた実施機関が決定した年金が振り込まれる、ということになっています。
 それでは、別の金融機関に振り込んでもらいたい口座番号は、どこに記入すればいいのでしょうか? それが、窓口で渡された【資料2】【年金受給権者 受取機関変更届】の用紙です。実際に【資料2】【年金受給権者 受取機関変更届】をみてみましょう。

資料2「年金受給権者 受取機関変更届」

資料2「「年金受給権者 受取期間変更届」

(4)【年金受給権者 受取機関変更届】にも金融機関名を記入

 この相談者の場合、日本年金機構からの年金は、B金融機関に振り込んでもらいたいということですので、【年金受給権者 受取機関変更届】には、B金融機関の口座番号を記入します。
 このときに、【年金受給権者 受取機関変更届】の上の方にある「変更する年金を指定する場合は、以下に年金コードを記入」欄に、日本年金機構から支給される特別支給の老齢厚生年金の年金コード「1150」を記入します。
 もし、この相談者に、私学事業団からも受給できる年金があり、それはC金融機関に振り込んでもらいたいという場合は、さらに、もう1枚【年金受給権者 受取機関変更届】をもらい、その用紙の「変更する年金を指定する場合は、以下に年金コードを記入」欄に、私学事業団から支給される特別支給の老齢厚生年金の年金コード「1140」を記入すればいい、ということになります。
 なお、年金コードについては、本誌2015年9月号『⑤ 新しい年金コードについて 〜地方公務員の老齢厚生年金は「1130」〜』をご参照ください。
 
 あわせて、振り込む金融機関の支店名・口座番号などがわかる預金通帳(貯金通帳)の写しなどを忘れないように持参してください。

次へ
年金講座バックナンバー
bottom_maincontent

実務担当者のための 年金講座

年金広報
  • 特別寄稿
  • トピックス
  • 年金講座
  • バックナンバー
bottom_sidecontent
bottom_sidecontent
住環境整備促進
一般財団法人 年金住宅福祉協会
年金WEB質問箱
一般財団法人 年金住宅福祉協会
このページのトップへ