「年収の壁」を学ぶ② ~「130万円の壁」が大きく変わる~

3回目の「年収の壁」を学ぶは、社会保険料等が引かれた後の『手取り額』を試算する「年住協カンタン『年収の壁』シミュレーション」を用意しました。

『手取り額』の試算だけではなく、厚生年金の加入によって増額する「老齢厚生年金」の年金額も試算できます。
これから働くことを検討されている方も、今現在、迷いながら働いている方も、ぜひ、お試し下さい。

※本コラムは2024年12月16日現在の内容を掲載しています。ご理解ご了承を賜りますようお願い申し上げます。

年住協カンタン『年収の壁』シミュレーション

操作は、“カンタン”です。

下記項目入力後計算ボタンを押す

「ご年齢」「月額の給与(万円単位・お勤めを検討されている方は予定額可)」を入力

②「通勤手当」・「ボーナス額(1年分)」・「扶養人数」は該当する方のみ入力

シミュレーション内容

① 社会保険料・所得税を控除(引かれた)時の『手取り額』(概算)

② 65歳から増額する『老齢厚生年金』の年金額(目安)

③ 65歳から平均寿命(男女別)まで年金を受け取った場合の総額(増額分のみ)

● 年住協カンタン『年収の壁』シミュレーション

2024(令和6)年度版

※ご自身のデータを に入力してください。

■■入力項目■■  ※必須
・ご年齢
 65歳が上限となります。
・月額の給与
毎月給与の【総額】(予定可)を
ご入力ください。
■■該当者のみ■■  ※任意
・通勤費
・ボーナス(賞与)
 1年間に受け取る予定の金額
・扶養親族の人数
■勤務年数(予定)

65歳まで勤務されると仮定し、年数は自動計算されます。

※上記の入力内容でOKなら、押してください。

① 毎月の『手取り額(概算)』

※算出される「手取り額」はあくまでも概算(千円単位)です。実際の金額とは
異なりますので、詳しくはお勤め先の人事・労務担当者にご確認ください。

月額の給与
社会保険
関係
厚生年金保険料※1
※1
0 円
健康保険料※2
※2
0 円
介護保険料※3
※3
0 円
雇用保険料※4
※4
0 円
税金関係
(住民税除く)
所得税※5
※5
0 円
『手取り額(概算)』
(月額給与-社会保険料・税金)
0 円

ボーナス(賞与)が支給されている場合は、その支給時に厚生年金保険料 (1回の賞与につき150万が上限)等は、別途、計算されます。

『住民税』は給与を受け取った年の翌年6月~再来年5月に納めることになります。
そのため、本シミュレーションでは反映していません。なお、住民税の詳しい内容につきましては、お住まいの市区町村窓口へお問い合わせください。

②厚生年金加入により増額する『年金額(目安)』

老齢厚生年金(増額分)
年間
0円
(月額
0円
)

※上記の年金額は入力されたデータを基に65歳から「老齢厚生年金」として受け取る場合の年金額を試算したものです。なお、「経過的加算」「加給年金」は本試算の対象外になります。

③【ご参考】:「年金額」と「納めた保険料」との比較

65歳~平均寿命(男女別)の間、年金を受給した場合

入力されたデータを基に算出した年金額を65歳から下記年齢まで受給した「年金額(総額)」と就労中に納めた「厚生年金保険料」との比較です。

【ご参考①】
《65歳~男性の平均寿命まで年金を受給した場合》
※男性の平均寿命(厚生労働省2023年簡易生命表より):81.09歳の場合 (厚生労働省2023年簡易生命表より)
■「老齢厚生年金」増加額 0円
■厚生年金保険料の総額(65歳まで) 0円
■差額 0円
【ご参考②】
《65歳~女性の平均寿命まで年金を受給した場合》
※女性の平均寿命(厚生労働省2023年簡易生命表より):87.14歳の場合 (厚生労働省2023年簡易生命表より)
■「老齢厚生年金」増加額 0円
■厚生年金保険料の総額(65歳まで) 0円
■差額 0円

※上記「ご参考①」「ご参考②」はマクロ経済スライドについては考慮しておりません。ご了承ください。

「注意事項」

①毎月の『手取り額(概算)』について

※1:厚生年金は、原則、月額88,000円以上の収入がある場合が加入の条件になります。
また、厚生年金保険料は各自の給与に基づいて決定される「標準報酬月額」に9.15%をかけて算出しています。

※2:健康保険料率は協会けんぽの全国平均保険料率(10%)を使用しています。

※3:介護保険料率は協会けんぽの全国平均保険料率(1.6%)を使用しています。

※4:雇用保険料率は一般の事業に適用される料率(0.6%)を使用しています。

※5:所得税は国税庁HPにある「給与所得の源泉徴収税額表」から積算しています。
令和6年分 源泉徴収税額表|国税庁 (nta.go.jp)

②厚生年金加入による増額される『年金額(目安)』について

●厚生年金の年金額の乗率は、期間に関わらず2003(平成15)年4月以降の乗率5.481を使用しています。

●本シミュレーションの年金額は、様々資料(2024年12月時点)を基に推考したもので、あくまでも目安の金額になります。正確な年金額につきましては、最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターへご相談ください。
※日本年金機構:全国の相談・手続き窓口

数字の可視化で将来がみえる

いかがでしょうか。
「こんなに引かれるの?」、「(年金は)これしか増えないの?」、また逆に「思ったよりは増えるのね。」等、数字が可視化された時、皆さんの頭の中では様々な思いが浮かんでくることでしょう。

「厚生年金加入」=「毎月保険料を納める」ということは、マクロ経済スライドの調整があるとしても、将来の「老齢厚生年金」は必ず増えます。 また、年金は受給者本人が亡くなるまで受け取れる制度でもあります。
単純に言えば、「長生きすればするほど年金の総額は増える」ということになります。
そう考えると、平均寿命が長い女性の方が納めた保険料よりも多く年金をもらえる確率が高いので、「トクする」とも言えるでしょう。

では、男性は「ソンするのか?」というと、そうとも言い切れません。
我が国の平均寿命は、「2023年厚生労働省簡易生命表」では男性81.1年、女性87.1年です。新型コロナウィルスの影響もあって、前年よりは若干下がったのですが、今後は男女ともに延びるという推計が出ています。
なんと、内閣府の「令和4年 高齢社会白書(※)」では、2065(令和47)年には男性84.95年・女性91.35年まで寿命が延びるそうです。

もちろん、人の寿命は神様しかわかりませんので、推計通りになるとは限りません。
ただ、「壁」を超えることを避けて目先の手取り額を減らさないようにすることが最善であると言い切れないのも事実です。もしかすると、逆に思わぬ落とし穴があるのかもしれません。

以前でもお話しましたが、年金制度は時代とともに変化します。
「ソン・トク」を判断基準とする考え方を否定するつもりはありませんが、変化のスピードが速い時代は、そもそも緻密なソン・トク計算の通りに進まない事も多いのでは?とも思います。
そんな変化の時代にいることを自覚しつつ、「より良い老後生活を過ごすにはどうすれば良いのか?」を冷静に考え、そして、そのために『備える』ということが大切とも思います。
皆さんは、どうお考えになりますか?

次回は、『年収の壁』に関する皆さまの身近な疑問や不安にお答えします。
次回もお楽しみに!

※内閣府:令和4年高齢社会白書より

- 次回予告 -

「年収の壁」を学ぶ④
~Q&A(労働者編)~

次回、くらしすとEYEの年金を学ぶ【第34回】では、
"「年収の壁」を学ぶ④ ~Q&A(労働者編)~"
を更新予定でございます。
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