「自分は老後にどれくらいの年金がもらえるのだろう? それが知りたいのにわからない」というご意見をいただくことがあります。実際、年金額は “人それぞれ” ですし、それも、もらうときになるまで “わからない”(確定しない)ものですが、それでは老後の生活設計も立てられませんよね。今回は、年金額のおおよその目安が理解できるように解説してみます。
1年金額は「人それぞれ」で、もらうときまで確定しない
年金額の計算はわかりにくい、その理由は─
国民年金(基礎年金)はまだしも厚生年金の年金額計算はとても複雑です。「結局、いくらもらえるのかがわからない」と苛立ちを感じる人が少なくないのも無理はありません。本題(年金額のおおよその目安の理解)に入る前に、なぜそんなにわかりにくいのかを見てみましょう。
※本稿では、「国民年金」とは老齢基礎年金、「厚生年金」とは老齢厚生年金を指しています。
【図1】年金額はなぜわかりにくいのか
このように、厚生年金の計算の仕組みが理解しにくい理由や背景はいろいろありますが、なぜ「結局、いくらもらえるのか?」という問いに対して「いくらです」と即答できないのかというと、「どれくらいの期間、厚生年金に加入していたか」「加入期間中の収入がどれくらいだったか」によって年金額が変わってくる、つまり「人それぞれ」だからです。
1.厚生年金の額は、厚生年金への加入期間と、加入期間における収入に基づいて計算する
2.加入期間と収入に基づくので、年金額は人によって大きく違ってくる
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① 年金額は「人それぞれ」で、もらうときまで確定しない