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くらしすとEYE
年金・社会保険
掲載:2018年11月15日

“目で見る”年金講座【第2回】
個人で公的年金に上乗せするには?

iDeCoにするか? 積立NISAにするか?

NISAと積立NISAの違いは?

 年金ではありませんが、iDeCoと同じく非課税制度として注目されているのがNISAや積立NISAです。NISAと積立NISAは同時に利用できず、どちらか1つを選択する必要があります。NISAは投資経験者向き、積立NISAは投資初心者向きと言えるでしょう。

【図11】NISAと積立NISAの比較

NISA 積立NISA
利用対象 日本国内に居住する20歳以上のだれでも
年間投資額の上限 120万円 40万円
累計非課税投資額の上限 600万円 800万円
拠出額への課税 課税(所得控除の適用なし)
運用益への課税 非課税
運用期間 5年(最長10年) 20年
投資対象商品 上場株式
(ETF、REITを含む)、
投資信託
金融庁が定めた基準を
満たす投資信託・ETF
投資方法 一括買付、積立 定期かつ継続的方法に
よる積立のみ
資産の引き出し いつでも可

 NISAは、年間投資額の上限が120万円と高く、その年間の上限額を1回で投資することもできますし、個別の株式投資もできるなど、投資対象商品が幅広いことから、投資経験者に向いていると言えるわけです。
 一方、積立NISAは、投資方法が「定期かつ継続的方法による積立」のみで、非課税期間が20年と長く、投資対象商品も金融庁が「長期」「積立」「分散」投資に適していると判断した投資信託・ETFに限られているので、投資の初心者にも利用しやすいと言えます。

point

1.NISAと積立NISAは、運用益に税金がかからない。

2.NISAは投資経験者向き、積立NISAは投資初心者向きである。

55歳以上から始めるならiDeCoより積立NISA

 それでは、個人型確定拠出年金であるiDeCoと初心者向きである積立NISA、どちらを選んだらいいでしょうか。両方を併用することもできますが、目的によって使い分けることがポイントです。iDeCoと積立NISAの違いをあらためて整理してみましょう。

【図12】iDeCoと積立NISAの比較

iDeCo 積立NISA
利用対象 20歳以上60歳未満のだれでも
図3参照)
20歳以上のだれでも
拠出額への課税 全額所得控除 課税
運用益への課税 非課税 非課税
受取時・払出時の課税 公的年金等控除または
退職所得控除の適用あり
非課税
年間投資額の上限 14.4万円〜81.6万円
図4参照)
40万円
投資対象商品 預金・保険・投資信託 金融庁が定めた基準を
満たす投資信託・ETF
資産の引き出し 原則60歳になるまで不可 いつでも可
金融機関に支払う
手数料
年額2,004円~7,000円程度
(金融機関によって異なる)
※加入時には別途2,777円
なし

 大きな違いとして、「iDeCoは原則60歳までだが、積立NISAは年齢の上限がない」「iDeCoは原則60歳になるまで運用資産を引き出せないが、積立NISAはいつでも引き出せる」ということが挙げられます。つまり、iDeCoは老後資金の準備のための制度であり、積立NISAはさまざまな使途に活用できる制度であると言えます。
 ただし、老後資金に備えるためでも、55歳以上の人がこれから始めるのであれば、積立NISAがおすすめです。なぜなら、たとえば55歳の人は60歳までの5年しか掛金を拠出できませんので、積立NISAで60歳以降も積み立てたほうが老後資金を貯められるからです。iDeCoは所得控除による節税メリットが大きいので、勤労収入が長い期間ある人に向いていると言えるでしょう。

【コラム】こんな人にはiDeCoより積立NISAがおすすめ

55歳以上でこれから老後資金の準備を始めたい人

iDeCoは60歳までしか掛金を拠出できませんので、55歳以上の人が新たに加入しても最長5年しか拠出できません。また、拠出期間が10年以上ないと60歳から引き出すことができず、5年の場合の引き出しの開始は63歳になります(図6参照)。そして、この間も口座管理手数料がかかってしまうのです(注)。ですので、55歳以上でこれから老後資金の準備を始めたい人には積立NISAがおすすめです。


専業主婦(夫)やパート勤務で年収が103万円以下の人

専業主婦(夫)やパート勤務で年収が103万円以下の人は所得税を納めていないので、iDeCoに加入しても掛金が全額所得控除というメリットを享受することができません。一方で口座の開設・維持には手数料がかかってしまいますが(注)、積立NISAであれば費用はかかりません。


住宅購入資金や教育資金など資産をさまざまな目的に使いたい人

iDeCoは原則60歳まで運用資産を引き出せません。老後資金の準備という目的においてはメリットとも言えますが、マイホームを持ちたいという目的がある人や教育資金に充てたいという人には、運用資産をいつでも引き出すことができる積立NISAのほうがいいでしょう。

(注)金融機関に支払う口座管理手数料は、金融機関によって異なり、無料としている金融機関もありますが、国民年金基金連合会への収納手数料が共通してかかります。

自営業者は国民年金基金との併用も選択肢

 自営業者などの第1号被保険者には、公的年金への上乗せ制度として国民年金基金があります。国民年金基金は、1口目は必ず終身年金に加入し、2口目以降は終身年金と確定年金を選ぶことができ、いずれも確定給付型なので、将来受け取る年金額が確定しています。

 第1号被保険者は国民年金基金とiDeCoを合算して毎月68,000円まで拠出できるので、両方を組み合わせることも選択肢です。国民年金基金は、支給開始年齢まで給付を受けられませんし、任意による解約ができないというデメリットもありますが、第1号被保険者にとって終身年金の2階部分を確保するというメリットがあります。国民年金基金に何口か加入したうえで余った掛金の拠出枠でiDeCoを利用するという方法を検討してもいいでしょう。

point

1.iDeCoと積立NISAは、目的によって使い分ける。

2.iDeCoは、老後資金の準備のための制度で、勤労収入が長い期間ある人に向いている。

3.積立NISAは、老後資金の準備のためだけではなく、運用資産をさまざまな使途に活用したい人に向いている。

4.第1号被保険者は国民年金基金とiDeCoの併用も選択肢である。

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