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相続・贈与
掲載:2014年2月15日
(2017年10月2日修正)

もしかして遺産、あてにしている? ―相続のハナシ

  相続で損をしないために

相続放棄と限定承認、どう違う?

 プラスの財産もマイナスの財産(負債)もすべての相続を拒否する「相続放棄」については先にも説明しました。こちらは、亡くなってから(相続が発生してから)3ヵ月以内に申請しなければいけません。もう一つ、負債の相続について「限定承認」という手続きがあります。これは相続放棄と何が違うのかというと、相続放棄はプラスの財産、マイナスの財産全てを放棄するのに対し、限定承認はプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する制度です。これは、財産がプラスかマイナスかを判断しきれない場合などにも有効的です。こちらも相続が発生してから3ヵ月以内に申請することが必要です。なお、相続放棄は個人ごとに選択が可能ですが、限定承認は相続人全体で決定しなければならず、1人でも反対者がいる場合は認められません。相続放棄よりは時間と手間がかかりますが、大きな負債がある場合、選択肢の1つとして検討してもよいかもしれません。

配偶者は税額が軽減される?

 例えば若くして夫が亡くなり、幼い子とともに残された妻は「どうしよう!相続税もかかってこれから大変!」と不安になるかもしれません。そこで、配偶者控除という税制度があります(図8)。これにより、配偶者の課税価格が1億6,000万まで、もしくは課税価格が1億6,000万超えても法定相続分までであれば、相続税はかからないことになります。

■図8 配偶者控除の計算式

【相続税の配偶者控除額】

相続税の税額 ×(次のA/Bのいずれか少ない金額/課税価格の合計)

A:配偶者の法定相続分(法定相続分が1億6,000万円未満ならば1億6,000万円)
B:配偶者の課税価格(配偶者が相続する財産)

贈与と相続を併用して税金を精算

 相続時精算課税という制度があります。これは、生前に贈与された財産に対する贈与税を、亡くなって相続した財産に対する相続税で精算する制度です。贈与時にいったん贈与税は支払い(2,500万円の特別控除)、贈与財産と相続財産を合計した額に対する相続税を計算し、ここからすでに支払った贈与税を控除します。相続に1本化した時の税額と相続時精算課税とどちらが節税になるかはケースによりますので一概には言えませんが、譲り渡す財産の額が大きい場合は相続時精算課税のほうが有利になることが多いようです。
 この制度は、「60歳以上の親」から「20歳以上の子どもや孫へ」の贈与が適用対象です。この制度を適用したい人は、贈与税を申告する際に税務署に届け出ます。なお、この制度を選択すると、贈与者は、通常の110万円(毎年)の基礎控除は適用されなくなりますので注意が必要です。相続時精算課税を選択した方が得なのかどうかは、試算をして慎重に検討した方がよいでしょう。

生命保険を上手に活用

 生命保険は生前の相続対策として有効です。何より、銀行預金のように何年後かには使ってしまっているかもしれない財産と異なり、決まった額が保障されているので安定しています。その後の遺族の生活に合わせて一時金払いか年金払いかで商品を選ぶこともできます。さらに亡くなってすぐに保険金を受け取ることができるので、相続税の納税資金の準備にも有効です。
 また、生命保険は契約形態によって税金の種類が異なりますが(図6)、相続税は贈与税などよりも税率が低いので税金対策になります。この場合、生命保険には、非課税枠(500万×法定相続人の数)があるので、これを有効活用すると、節税効果を高めることができます。さらに、保険金は、受取人を特定の相続人に指定することができますので、自分の死後、相続人同士での遺産分割トラブルの防止にも役立ちます。

相続人も被相続人も、まずは知ることが大切

 このように、被相続人になる側も、相続人になる側も、知っていれば便利な制度や手法がたくさんあります。知識が多いほど、いざという時の選択肢が広がり、トラブルを避けたり、自分に有利なかたちで財産相続することにもつながります。被相続人も残された人の相続税を心配せずに過ごすことができます。様々な情報にアンテナを張り、こうした関連の法改正にも注意しておくといいでしょう。

 
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―相続のハナシ

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