焦げを食べたからといって即がんになるわけではない2焦げを食べたからといって即がんになるわけではない

「焦げ」を山盛りで毎日食べる人はいない

 前述のとおり、がんは生活習慣と密着な関係にある。脳卒中や心臓病とともに「三大生活習慣病」とも呼ばれている。新12か条は、旧12か条を日本人の生活習慣という視点で科学的に検証した結果、見直したものであり、削除された項目には削除されただけの科学的根拠があるということだ。
 では、「焦げた部分を食べてもがんにならない」ということが科学的に証明された、ということかといえばもちろんそうではない。誤解しないでいただきたいのは、焦げが健康に問題ない、焦げをいくら食べてもまったく差し支えない、といっているわけではないということだ。要は程度の問題である。
 365日3食、皿に山盛りの焦げをおかずにしている人ならば、がんになっても不思議はない(それ以前に体調を壊しそうだが)。しかし、そんな人はいないだろう。この例は極端だとしても、普通に食べられる程度の焼き魚やトーストの焦げを、絶対食べないようにと神経質に心配する必要はまったくない、ということで新12ヵ条からは削除されたわけである。

日光を避けすぎると別の心配も

 「日光」についても、おおむね同じことがいえるだろう。
 日光に当たりすぎると皮膚がんになりやすい、といわれるが、これはウソではない。ウソではないが、皮膚がんは、紫外線の強度、受けている年月の長さ、それから、皮膚を紫外線から保護するメラニン量に関連するとされ、紫外線による皮膚がんはメラニンが少ない白人、特にオーストラリア人に圧倒的に多く、日本人はその10分の1である。美容上の問題はさておき、がん予防という観点からいえば、極端に日光を避ける必要はないということだ。
 逆に、日光を避けすぎていると体内でビタミンDがつくられなくなり、大腸ガンのリスクが高くなることがわかってきた。やはり、程度の問題、「ほどほど」が大切なのである。

日本の生活環境を考えれば…

 「かび」はどうだろう?
 かびの中でも、発がん性があるのは「アフラトキシン」という特殊なかびで、日本には存在しないらしい。そういう意味では、(がん予防を意図して)かびの生えたものに特に注意するには及ばないというわけだ。
 もとより、がん予防に効果があるかないかで、かびの生えたものを食べる・食べないの判断をする人は、日本人ではあまりいないだろうと思う。
 世界にはさまざまな国がある。中には日本では想像しがたいほど貧困にあえぐ人々がいる国もある。そういう国では「かびの生えたものに注意」というのも切実な問題かもしれない。
 「体を清潔に」という項目も同様である。衛生環境が非常に悪い国では、体も不潔になり抵抗力がなくなり、がんに侵されやすくなるとしても無理はないだろう。
 しかし、全体的に見ればそうした状況にはない日本で、あえて「体を清潔に」という項目を12か条に入れておくまでもないということである。むしろ、体を清潔に保つことは抵抗力をつけるために大切なこととはいえ、やりすぎは皮膚の免疫力を低下させることにもなりかねない。清潔好きが高じて度を過ぎないことに気をつけたほうがいいかもしれない。

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