高知東年金事務所(高知県高知市)
課員が安心して働ける職場環境にしていく配慮も
――岩本 猛 厚生年金適用調査課長
岩本猛厚生年金適用調査課長は、2013年10月愛媛県の新居浜年金事務所厚生年金適用調査課、2015年10月奈良年金事務所国民年金課長、2018年10月現職に就任した。厚生年金適用調査課は岩本課長含め8名である。すでに適用事業所になっている事業所には届出が正しく提出されているかを調査。また、未適用の事業所に対しては社会保険を適用するのが適用調査課の仕事だ。同課が管轄する事業所数は約4,400ヵ所となるが、高知東年金事務所は船員保険も担当することから、かつお船や遠洋マグロ船が同事務所の適用事業所(船舶所有者)となっているのも特徴だ。
「パートを雇い入れたとき、事業主としては、保険料負担も発生するので被扶養者のままでいたいというパートの意向に沿わせようとするケースもあるようですが、やはり基準を超えて働いている人は社会保険に入っていただかないといけません。事業所調査では、公平・公正の観点から、ご理解、納得していただくように気を使います。その一方で、社会保険に加入し厚生年金の保険料を負担したほうが、将来受け取る年金額が多くなるということを理解し、厚生年金への加入を希望するパートも増えてきていると思います。未適用事業所の事業主には愚直に説得を続けていくしかありません」と岩本課長は語る。
調査業務は、年金事務所に事業主に来所してもらうか、事業所に同課職員が出向くことで行うことになるが、いずれの場合も、先方との日程調整には手間がかかるという。
「6割近くの事業所は来所日時がすんなり決まるのですが、残りの事業所はなかなか日程がかみ合わないのが悩みの種です」
この4月に同課にも新規採用の職員が配属された。こうした職員には、書類審査などで社会保険の適用に関する業務内容を覚えてから、OJTを兼ねて、事務所窓口で適用業務にあたることになる。人事異動があったり、新規の採用があったりしたときは、基本的にOJT形式の研修を行っている。
「有期雇用の職員にはできるだけ長く働いてほしいのですが、なかなか根付かないのが現状です。お客様のなかにはなかなかご理解いただけない方もいますが、課員みんなでフォローする体制をつくり、そういう状況に遭遇しても安心して仕事ができるような職場環境になるよう取り組んでいきたい」と岩本課長は課員に対する職場環境の整備も忘れない。