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国民年金・厚生年金保険ともに2017年度は黒字収支
~第79回社会保障審議会年金数理部会

厚生労働省は2018年12月14日、第79回社会保障審議会年金数理部会を開催した(部会長は菊池馨実・早稲田大学法学学術院教授)。議事は「2017(平成29)年度財政状況について-厚生年金保険(第1号)-」と「2017(平成29)年度財政状況について-国民年金・基礎年金制度―」など。厚生年金保険(第1号)を中心に収支状況や給付状況等を確認し、12月17日の第80回部会の厚生年金保険(第2~4号)の2017(平成29)年度財政状況」へとつなげた。

※2015年10月の被用者年金制度の統合に伴い、会社員等は第1号厚生年金保険被保険者、国家公務員は第2号、地方公務員は第3号、私立学校教職員は第4号に分類されている。

【厚生年金保険(第1号)の2017年度財政状況】

 2017年度の収支は、収入総額480,115億円、支出総額464,234億円で、収支残15,881億円の黒字収支となった。2016年度と比較すると、収入総額はマイナス7,441億円(マイナス1.5%)、支出総額はプラス7,638億円(プラス1.7%)で、収支残はマイナス15,079億円(マイナス48.7%)であった(表1)。
 2018年3月末現在の給付状況を見ると、受給権者数は37,179千人で、うち老齢相当と通算老齢相当等は合わせて30,732千人、障害年金は616千人、遺族給付は5,832千人となっている。年金総額は268,863億円で、そのうち老齢相当と通算老齢相当等は合わせて208,349億円、障害年金は4,572億円、遺族給付は55,941億円となっている。繰上げ支給の受給権者数、年金総額は60千人で375億円、繰下げ支給は167千人で1,702億円となっている。前年同時期と比較して繰上げ支給はプラス14千人、繰下げ支給はマイナス112千人となっている。
 2018年3月末現在の老齢相当の平均月額は95,210円(男性113,412円、女性58,503円)となっており、2017年3月末時点と比較して男性で約1.8%のマイナス、女性で約1.4%のマイナスとなっている。被保険者の状況を見ると、2018年3月末現在で被保険者数39,112千人(男性24,417千人、性14,695千人)で、そのうち短時間労働者は383千人(男性112千人、女性271人)となっている。平均年齢は43.6歳(男性44.4歳、女性42.4歳)、標準報酬月額の平均額は309,994円(男性351,960円、女性240,264円)であった。

図版見出し表1 厚生年金保険(第1号)の2017年度財政状況

【国民年金・基礎年金制度の2017年度財政状況】

 2017年度の収支は、収入総額244,768億円、支出総額235,998億円で、収支残8,770億円の黒字収支となった。2016年度と比較すると、収入総額はプラス4,713億円(プラス2.0%)、支出総額はプラス4,272億円(プラス1.8%)で、収支残はプラス441億円(プラス5.3%)であった(表2)。
 2018年3月末現在の給付状況を見ると、受給権者数は35,469千人で、うち老齢年金と通算老齢年金等は33,174千人、障害年金は2,056千人、遺族年金は239千人となっている。年金総額は236,514億円で、そのうち老齢年金と通算老齢年金等は216,963億円、障害年金は17,753億円、遺族年金は1,799億円となっている。繰上げ支給の受給権者数、年金総額は4,498千人で22,332億円、繰下げ支給は425千人で3,912億円と、繰上げ支給のほうが圧倒的に多くなっている。なお、前年同時期と比較して繰上げ支給の受給権者数はマイナス164千人だが、繰下げ支給はプラス24千人と若干伸びている。
 2018年3月末現在の老齢年金の平均月額は55,518円(男性58,754円、女性53,013円)となっており、、2017年3月時点と比較して男性で約0.09%のマイナス、女性で約0.6%のプラスとなっている。被保険者の状況を見ると、2018年3月末現在で第1号被保険者数15,052千人(男性7,793千人、女性7,259千人)、第3号被保険者数8,701千人(男性110千人、女性8,592千人)で、うち法定免除を受けている被保険者は1,343千人、申請免除・学生納付特例制度・納付猶予のいずれかを受けている被保険者は合計4,810千人となっている。平均年齢は第1号被保険者が39.2歳(男性38.8歳、女性39.7歳)、第3号被保険者が44.3歳(男性47.5歳、女性44.3歳)であった。

図版見出し表2 国民年金・基礎年金制度の2017年度財政状況

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