米子年金事務所(鳥取県米子市)
適用促進では断られても粘り強く対応 ――井原美恵厚生年金適用調査課長
井原美恵課長は、平成24年4月から倉吉年金事務所お客様相談室長、平成27年4月から出雲年金事務所国民年金課長を歴任。平成30年10 月に米子年金事務所厚生年金適用調査課長に着任したばかりだ。同課は7名の職員からなる。
お客様の照会や苦情は朝礼で伝達し、常に情報の共有を図る
井原美恵厚生年金適用調査課長
事務所内の調整役も務める井原課長が常に心がけていることが、情報の共有だ。
「お客様からの照会や苦情については朝礼などで伝達して、事務処理誤りの発生防止、苦情の解消・削減、制度改正についての正確な取扱いに役立てています。また、職員が急な休暇を取得するようなことになっても、情報を共有していれば、お客様に迷惑がかかる事態も避けられます」
事務経験者が少ない船員保険業務のスキルアップが課題
同事務所が管轄する事業所は平成30年9月末で、厚生年金保険が約4,000事業所、被保険者は50,000人余りである。また、鳥取県には船員保険があり、米子年金事務所は全国的にも有名な境港のある境港市を管轄している。
「船員保険については事務経験者が少なく、担当者以外の職員の船員保険業務についてのスキルアップが課題ですね」と井原課長は話す。
総合調査の新たな担当者の育成が課題
適用促進と総合調査が同課の主な業務だが、適用促進では、法人であっても加入していない事業所に対して、いかに納得して厚生年金保険に加入してもらうかが業務である。また、総合調査では将来確実に年金を受給できるよう、必要な届出が適正に行われているかを調査する。
「適用促進では、文書で案内しただけでは制度をご理解いただくことがなかなかむずかしく、加入手続まで至らないケースが多いですね。そこで、初回の訪問で断られても、何度か訪問を繰り返すうちに理解を示され、加入に至ることもあるので、粘り強く対応していくことにしています。また、総合調査では、新たに調査を行う担当職員の育成が急務となっています。電話や窓口業務である程度経験を積んだら、実践に取り組んでいくことでスキルアップを図っています。今年12月までには課員7名中6名が対応できるよう育成しているところです」と井原課長は話す。
これから、米子は冬を迎え、大雪のなか、適用促進や総合調査での事業所訪問がむずかしくなる。井原課長は冬場対策でも苦労が絶えない。
「原則、事務所に来ていただくことにしていますが、天候が悪いときは、日程を変更して何とか来ていただくようにしています。また、大きな事業所ではたくさんの資料や帳簿を見せていただくことになるので、課員が訪問していますが、冬場の来所および訪問が困難な場合は、時期を遅らせて少し暖かくなる3月になってから、来所・訪問をお願いしています。ただ、年度当初は算定基礎届関係の業務で忙しいので、秋に集中して対応しています」
働きやすい職場を目指し、休暇の職員をカバーできる体制とスキルアップの向上を
「働きやすい職場を目指していきたいですね。子育て中の職員や高齢の親を介護している職員もいます。ときには休暇が必要となることもありますので、そうした場合には、他の職員がカバーできるような体制づくりと職員のスキルアップも図っていきたいです」と井原課長は今後の抱負を語る。