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大曲年金事務所(秋田県大仙市)

 大曲年金事務所では、平成29年度末の管内事業所の厚生年金保険料収納率が全国平均以上である。同じく管内市町村の国民年金保険料の納付率は80%の大台に乗せた。この実績を支えているのは、管内の事業者や住民の年金制度への理解と信頼はもとより、その理解と信頼の確保に、年金の事務手続や相談を通じて取り組んできた同事務所のたゆまぬ努力の結果にほかならない。大曲の花火大会も終わり、暑い夏もようやく終わりを告げた9月13日、大曲年金事務所を取材した。

期間を開けずにスピーディーに対応、職権適用や保険料納付の
戸別訪問で制度説明 ――石塚 富美子国民年金課長

 平成28年4月に現職に就任した秋田県出身の石塚富美子国民年金課長。平成23年1月から本荘年金事務所のお客様相談室長、平成26年4月から秋田事務所の国民年金課長を歴任した。8名で業務を行う国民年金課では、国民年金の加入手続と保険料納付についての相談が主な業務となる。
 「20歳の職権適用については職員が戸別訪問して、学生納付特例制度や免除制度などについて説明しています。保険料納付の意思のある方には、口座振替やクレジットカードによる納付もお勧めしています」と、石塚課長は話す。
 一方、収納対策では、特別催促状や納付書を送付し、免除の対象者には免除制度の案内を送付する場合も短いスパンで勧奨するよう取り組んでいる。
 「なんとか制度を利用していただきたいということから、ターンアラウンドの免除申請書は折に触れ、送付しています」と話す石塚課長は、保険料の納め忘れを最小限に食い止めるため、住民に対して頻繁に連絡することの努力を惜しまない。
 そうした努力も徐々に実績に表れてきた。大曲年金事務所が管轄する市町村の国民年金保険料の納付率は、平成29年度末は80.4%となり80%を超えた。
 「これは地域の皆さんの国民年金へのご理解があっての数字だと思っています。そのことを肝に銘じ、ますます制度の周知と納付への理解を進めていく必要があると思っています」(石塚課長)
 一方で、制度への理解が得られず、一定の所得があるにもかかわらず、保険料を滞納する方には、強制徴収を実施せざるを得ない。その場合も、スピード感を持ってやるべきことはやると石塚課長は言う。
 国民年金事業は、法定受託事務および協力・連携事務で関わる市町村との連携が欠かせないが、市町村との連携では、管轄する地域が広いことから、電話連絡に頼らざるを得ない。しかし、「市町村は、国民年金事業に協力的で、事務所からの要望も非常によく対応してくれていますし、本当に良好な関係を築くことができています。納付率が高いことについても、市町村職員皆さんの取り組みのおかげです」と石塚課長は感謝する。その市町村とは、毎年2月末に研修会を開催している。
 一方、保険料納付での戸別訪問などを民間業者に委託。とりわけ保険料の納付勧奨については、「納付率が伸び悩んでいたり、免除制度に利用が芳しくなかったりする地区には、集中的に委託業者に取り組んでもらっています。実際に、重点地域に限定した取り組みを行うことで効果が表れています」と話す石塚課長は、人手が足りない中、必要なところにピンポイントで対応して、効果を上げていくことが重要だと、市場化テスト業者と協力して事業を進めている。
 「いまの国民年金課はみんな明るくて、雰囲気が非常にいい。この雰囲気を壊さないように、みんなで目的意識を持って、納付率でも目標を超えるようがんばっていきたいと思います」と、石塚課長は話す。

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