岐阜県羽島市 市民部保険年金課国民年金係
相談件数は多くないが1件当たりの時間は長め
羽島市の市民部保険年金課国民年金係の職員は3名。佐藤久司課長補佐兼国民年金係長は、「課長補佐と兼務なので私自身は国民年金の窓口業務には就いていませんが、係の職員を信頼しているので任せています。また、私は担当1年目なので、国民年金を含め、課全体の業務を勉強して覚えていかなければと思っています」と語る。
矢島理枝主事は、以前2年間国民年金係に在籍し、その後国民健康保険を経験したが、今年度再び国民年金係に戻ってきたため、通算すると国年業務は3年目となる。
このほか、パート職員6名、嘱託職員1名がいるが、国民年金係だけでなく保険年金課すべての業務を担当している。
窓口に来る1日のお客様の数は約30人。電話での相談は1日当たり10件ほどになる。「件数としては多くないですが、1件あたりの時間は比較的長いです」(矢島主事)。
「世間話や身の上話みたいなことを話していかれる高齢の方もいらっしゃいますね(笑)」(佐藤課長補佐)。
都心の自治体とは違い、近所でお客様にばったり出会うということもあり、市民との距離は近い。
多い相談内容は時期によるが、最近は免除に関する相談が多く、ほかには20歳の現況届、所得情報に関するものがある。一方、短縮年金に関する相談は、これまでに10件に満たない。市役所に相談に来るのは国民年金のみに加入してきた人だからではないかと考えている。
窓口で心がけているのは、お客様が何を望んでいるかを表情や反応などから読み取りながら、必要な情報を提供すること。
「退職した方が相談に来た場合、免除という制度があることをまず説明し、反応した方や保険料を払えないご様子の方には踏み込んで離職票が必要であることなどを説明します。一方、免除に関心がない方や保険料を払う意志のある方には前納保険制度などの支払方法をご案内する。いずれにしても『払わない』という選択はないように、払えないのであれば免除を選択するようにお勧めしています」(矢島主事)。
難しいと感じるのは、障害年金の相談。特に初診日を確定するのに苦労する。古い初診の場合、ご本人も覚えていないし、心の病を抱えている方などは「あのころは頭が真っ白で覚えていない」という方も多い。「それだけに、初診日の件で苦労された方がようやく障害年金を受け取れるようになり、『ありがとう』と顔を見せてくださったときはうれしいですし、やりがいを覚えますが、やはり初診日の問題はどの自治体も頭を悩ませていることなので、何らかの改善措置がとられるとよいと思います」(矢島主事)。