長野北年金事務所(長野県長野市)
「牛にひかれて善光寺参り」の言葉で知られる善光寺(長野市)。長野五輪の開会式では「平和の鐘」として善光寺の鐘が開会の合図を告げた。
北陸新幹線開業に伴い、善光寺の門前町をイメージする駅舎にリニューアルされた長野駅。
栗の産地であり、葛飾北斎が過ごした小布施町。道は花や緑でいろどられ、趣のある街並みに整備されている。
岩松院(小布施町)には、葛飾北斎の晩年の傑作といわれる天井画「八方睨み鳳凰図」や、小林一茶が「痩せかえる 負けるな一茶 これにあり」と詠んだといわれる「蛙合戦の池」がある。
建立600年以上になる浄光寺(小布施町)。自然石の石段に圧倒される。
全職員が認知症サポーター研修を受講。年金以外の知識も習得
「お客様の気持ちになって対応する」ということも大切。年金事務所に相談に来るというのはお客様にとって緊張もするもの。おどおどした様子で入口に入って来られるお客様もいるので、事務所の中だけでなく入口の外の様子にも注意を向け、入口で看板を見たまま立ち往生しているお客様などがいたら総合受付の職員自らがお客様を出迎えに行って中に案内するようにしている。
また、「気付きの研修」と称して全職員に総合案内を体験してもらうことにし、お客様がどんなお顔で入ってくるか、何を不安がっているか、何を知りたいと思って来所したのかを察知する力を磨きたいと考えている。
同年金事務所は
全課室がワンフロアにまとまっているため、全職員の机からフロア全体が見渡すことができ、所長室からも入口の様子が見える。所長は、職員がどのようにお客様に対応しているかも観察し、また、所長自らも総合受付のカウンター入ってお客様案内をする日も設けようと考えている。
対人業務の知識・技術も上げていきたい。その一環として最近、職員全員が認知症のサポーター研修も受けた。また今後は、年金制度だけでなく、雇用保険や健康保険のことなど、結婚や退職、死亡など、人生の節目節目で関係してくるさまざまな制度の知識についても広く職員に身に着けてもらい、お客様に一通り説明できるようにしたいと考えている。「いわばコンシェルジュのようなもの。『その制度についてはハローワークなど別の機関に行って聞いてください』と言ってお客様を帰すのではなく、『こうなったら、こういう場所でこういう手続きが必要になりますよ』と、一連の流れをお客様に説明できるようにしたいです」(上田所長)。
今後の抱負については、「事業実績はもちろん意識していますが、まず職員1人ひとりが機構のルールをしっかり理解して、お客様の気持ちを察知しつつ、必要な説明と対応ができる組織にしたいと考えています。お客様の気持ちを察して対応できるかどうかという、職員の態度1つでお客様の気持ちも変わってきますからね。お客様の気持ちを大事にした対応のできる事務所にしていくことが、結果として事業実績にもつながってくるのではないでしょうか」と語る。