掲載:2017年3月15日
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日本年金機構、再生プロジェクトを加速、現場力を強化

日本年金機構は平成29年2月2日に「日本年金機構再生プロジェクト」の取組状況を公表した。当プロジェクトは、平成27年12月18日に策定・公表したもので、1年の経過とともにこの度の公表に至った。
再生プロジェクトでは、これまで「組織改革、情報開示・共有の促進(本部・現場の一体化)」「業務改革(ルールの徹底/効率化、サービス拡充)」「人事改革(組織全体を支える人材の育成)」を柱に改革を進めてきたが、日本年金機構では「おおむね順調」と評価している。今後の方向性は次のように定めている。

【組織改革、情報開示・共有の促進(本部・現場の一体化)】

  • 現場重点主義:縦割りの排除と現場を支える体制の確立について
    役割分担に偏りがないか、本部拠点との間に支障が生じていないかをフォローアップし必要に応じて体制や所掌等を見直す。
  • 経営資源の集約:本部と現場が一体となった業務執行体制の確立について
    平成29年4月までに現場管理・支援関係業務を集約し、本部とブロック本部の統合を完了させる。
  • 組織一体化のための情報共有の促進:本部内、本部・現場間の情報共有の促進について
    常勤役員会による会議の議題や運営方針等について継続的に見直しを行い、責任体制の明確化を行う。地域マネージャー(仮称)が円滑に活動できるようにフォローアップを続ける。

【業務改革(ルールの徹底)】

  • ルールの設定・遵守:遵守すべきルールの明確化・体系化、現場負担感の軽減について
    責任体制の明確化について、ルールの徹底が図られているか継続的にフォローアップしていく。また、「指示・依頼」発出状況についても継続的に確認および検証を実施する。
  • 業務ルールの不統一の排除:遵守すべきルールが確実に伝達され、その状況を把握、点検できる仕組みを確立することについて
    マニュアルの一元化にあたって拠点からの意見を検証し、取込作業を実施し、平成29年4月から統一マニュアルの運用を開始する。またマニュアルのメンテナンス体制を確立する。

【業務改革(効率化、サービス拡充)】

  • 業務の集約・効率化:お客様対応に注力できる体制構築のため、業務の効率化・合理化を推進することについて
    業務センターの広域集約については、最終的に8カ所程度を順次実施する。中央年金センターについては、平成29年4月から官公署等に対する情報提供事務を集約し運用を実施する。また、平成29年4月以降、障害年金センターを全国一括集約する。なお、業務量調整と業務区分の明確化については、定員配付と人事異動の準備を開始し、平成29年4月以降に人員の再配置を行う。業務削減会議では、引き続き機構業務全般について審議を予定している。

【業務改革(効率化、サービス拡充)】

  • 基幹業務の専門性強化:ノウハウの集約による体制強化および専門性の高い人材を育成することについて
    モデル実施の状況等を踏まえて年金事務所の機能集約拠点を順次拡大する。また、年金相談業務の専門性強化のための専門職コースなどの運用状況についてフォローアップを行っていく。
  • お客様チャネルの拡充:お客様とのつながりをより強くするため、お客様チャネルの拡充を更に推進することについて
    予約制を定着させ、受給資格期間短縮への相談体制を構築する。また、TV電話相談の設置については、協力可能な市町村とヒアリングや調整を行いモデル実施を開始する。なお、ねんきんネットについては利用者の視点に立ったシステム改善による活用促進を行う。

【人事改革(組織全体を支える人材の育成)】

  • 現場重視:現場を中心に組織一体となった人事の実現について
    拠点との連携を強化し、「人の顔を見た人事」を徹底する。また、組織改編を踏まえて役職と資格の関係を整理し登用するようにする。
  • 職員のやりがい:職員が希望とやりがいをもって、モチベーションを高く保ち、組織一体の業務執行を実現することについて
    キャリア形成の全体像について再整理し、職員に提示する。人材の育成については、運用状況をフォローアップし更なる拡充を検討する。また、女性職員のための育成プログラム、研修等を実施することで女性の活躍を引き続き推進する。非正規職員の活性化については、年金相談職員の人事評価導入を検討する。
  • 信賞必罰:お客様のために努力する職員を高く評価し、意欲・実績の低い職員には厳正に対処することについて
    引続き、人事評価制度の見直しと意欲・実績が低い職員への厳正な対処を実施する。
  • 組織活性化:管理職の新陳代謝を早め、リーダーシップに優れた職員の育成により組織を活性化することについて
    平成29年1月より新ルールによる管理職の登用を開始した。平成29年4月からは新役職(課長代理)を設置する。役職定年制度については、平成29年度以降、一部58歳役職定年に引き下げ、早期退職募集制度を導入する。

    日本年金機構では平成29年度を、改革の効果を最大限に発揮させていくための非常に重要な期間ととらえており、その組織目標を「再生加速―現場力強化の年―」と掲げ、プロジェクトの加速的推進を重点取組課題と位置付けている。
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