HOME ≫ 年金広報 ≫ 実務担当者のための年金講座 ≫ ① 一元化後に届いた地方公務員共済組合の年金証書①② 〜全国市町村職員共済組合連合会の決定した老齢厚生年金と退職共済年金の年金証書〜
年金広報タイトル

︱2016.4.15 4月号 (通巻682号) Vol.37

掲載:2016年4月15日
年金講座

地方公務員共済組合の年金証書は
こんなイメージ図です

筆者プロフィール 長沼 明(ながぬま あきら)

浦和大学総合福祉学部客員教授。志木市議・埼玉県議を務めたのち、2005年からは志木市長を2期8年間務める。日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員を歴任する。社会保険労務士の資格も有する。2007年4月から1年間、明治大学経営学部特別招聘教授に就任。2014年4月より、現職。主な著書に『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(2015年、年友企画)、『年金相談員のための被用者年金一元化と共済年金の知識』(2015年、日本法令)

 一元化の支給ミスの報道が相次いでいます。

 地方公務員共済組合連合会に関する支給ミスが、平成28年2月5日付朝日新聞夕刊で報道されました。記事の見出しは『厚生年金4900人分を一元化で支給ミス』でした。これに続き、今回は、国家公務員共済組合連合会(略称:KKR)に関する支給ミスが、平成28年4月7日付朝日新聞朝刊で報道されました。記事の見出しは『共済年金1万2000人支給ミス 元国家公務員ら 一元化対応で』です(いずれも東京本社発行版)。

 詳細は、それぞれのホームページに掲載されていますので、それをご覧いただくとして、筆者には、共済情報連携システムが当初設計したとおりに機能していないことに起因しているプログラムミスのように感じられます。

 いずれにしても、在職年金の支給額などで、手計算と合わないときは、各実施機関に問い合わせて、確認する必要があるかもしれません。また、実際に計算が合わない事例がありましたら、編集部にご連絡ください。筆者も再計算して確認していきたいと思います(最終ページの最後の欄にご記入の上、送信してください。)。

 なお、年金相談の現場で、電卓で手計算をする場合には、

〈拙著『平成28年度版 被用者年金一元化ガイドシート』(社会保険研究所)〉

 ▶ https://www.shaho.co.jp/shaho/shop/detail.php?Bc=33702

 が、手元に置いてあると、算定式が記載されていますので、便利です。

 今月号では、ある共済組合から決定・交付された年金証書を紹介し、年金相談の実務担当者に資する情報を提供していきたいと思います。

一元化後に届いた地方公務員共済組合の年金証書①②
〜全国市町村職員共済組合連合会の決定した老齢厚生年金と退職共済年金の年金証書〜

(1)

地方公務員共済組合(全国市町村職員共済組合連合会)から届く
2通の年金証書(ブルーとピンク)

■年金コードは【1130】【1170】

 地方公務員共済組合に加入していた人が、一元化後に受給権が発生すると、どのような年金証書が交付されるのでしょうか?

 一元化前に受給権が発生した場合は、特別支給の退職共済年金の年金証書が一通のみ交付されていました。その年金証書には、厚生年金相当部分と職域年金相当部分の合計額が、年金額として、記載されていました。

 埼玉県志木市長として(平成17年7月から平成25年6月まで)、職員と接し、年金に関して雑談をしてきたときの印象では、市職員の意識としては、(特別支給の)退職共済年金を、とくに、厚生年金相当部分と職域年金相当部分を分けて、認識してはいなかったように思います。全部ひっくるめて、共済年金という受け止め方だったように思います。

 さて、一元化後は、
 ①年金コードが【1130】の老齢厚生年金の年金証書と
 ②年金コードが【1170】の退職共済年金の年金証書が、
それぞれ1通ずつ、同じ封筒に同封されて、計2通の年金証書が送られてきます。

 (年金コードについては、すでに説明していますので、次をご参照ください。)

〈『年金広報』平成27年9月号〉

 ▶ http://kurassist.jp/nenkin-kouhou/vol30/pro-lecture/pro-lecture-05.html

または 〈拙著『平成28年度版 被用者年金一元化ガイドシート』(社会保険研究所)〉

 ▶ https://www.shaho.co.jp/shaho/shop/detail.php?Bc=33702

■年金証書はA4サイズより少し横幅が大きい 縦はA4サイズより短い

 市役所に勤務していた人に、年金証書を見させてもらいました(下にそのイメージ図を掲載)。

 全国市町村職員共済組合連合会が決定・交付した「年金証書」と「年金決定通知書」です。

 いずれも、横22.8cm縦11.4cm程度で、ミシン目がはいっていますが、つながっています。 横は、A4サイズの用紙よりも少し幅が広いです。

老齢厚生年金はブルー退職共済年金はピンクの年金証書

 ①老齢厚生年金の年金証書と決定通知書は、淡いブルーの用紙で、黒字で印刷してあります。

 ②退職共済年金の年金証書と決定通知書は、淡いピンクの用紙で、黒字で印刷してあります。

 

 退職共済年金の年金証書には、「退職共済年金(経過的職域)」と記してあるのが、印象に残りました。これまでは、厚生労働省の発出した通知文などでは、「経過的職域加算額」と表記を統一すると言われていたので、そのような記載になっているのかと思っていたのですが、実際に拝見した年金証書の【年金の種類】欄には、「退職共済年金(経過的職域)」という表記でした。

 

 年金証書と年金決定通知書以外には、同じ横幅の【年金額算定明細書】緑字で、フォーマット印刷され、受給権者の氏名・生年月日・年齢・年金額の算定の根拠となる数字などが黒字で印字されているものが同封されています。老齢厚生年金【年金額算定明細書】退職共済年金【年金額算定明細書】がそれぞれ封入されています。

 百聞は一見にしかずですので、まずは年金証書と年金決定通知書のイメージ図を見てもらいましょう。

 なお、この受給権者は、平成15年4月以後の加入期間しかなく、また、一元化の施行された平成27年10月1日前に退職している方です。

 欄が無記入・空欄のものは現証書のままで、基本的に現証書の様式を踏まえたイメージ図として作成しています。個人情報に配慮した記載にしてありますので、その点はご容赦ください。

 こんな年金証書なんだ、と理解してもらえればよろしいのかなと筆者は思います。

 見ておわかりの通り、たいへんシンプルな図柄となっています。

 一方、同じ地方公務員共済組合である地方職員共済組合の年金証書は、全国市町村職員共済組合連合会の交付する年金証書のデザインとは異なっています。かなり複雑な文様が下地に印刷されています。ただし、記載されている内容・様式は基本的に同じです(後述)。

(2)地方公務員共済組合から届く厚生年金の年金証書

2 地方公務員共済組合から届く厚生年金の年金証書
(筆者注:この受給権者は、平成15年4月以後の加入期間しかなく、また、一元化の施行された平成27年10月1日前に退職している。欄が無記入・空欄のものは現証書のままである。基本的に現証書の様式を踏まえたイメージ図として作成している。)

(3)地方公務員共済組合から届く退職共済年金の年金証書

3 地方公務員共済組合から届く退職共済年金の年金証書
(筆者注:この受給権者は、平成15年4月以後の加入期間しかなく、また、一元化の施行された平成27年10月1日前に退職している。したがって、平均標準報酬額と平均給与月額は同じ金額となっている。欄が無記入・空欄のものは現証書のままである。基本的に現証書の様式を踏まえたイメージ図として作成している。)

(4)

地方公務員共済組合から届く老齢厚生年金退職共済年金の共通事項・相違事項 -退職共済年金の年金額の算定には平均給料月額・平均給与月額を使用-

 地方公務員共済組合の決定した老齢厚生年金と退職共済年金の年金証書を見ると、もちろん、年金コードは異なりますが、【年金証書記号番号】(前4桁ハイホン後10桁:〇〇〇〇-〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇と表示)は同じ番号です。

 また、老齢厚生年金の【年金決定通知書】には、「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」と表記されているのに対し、退職共済年金の【年金決定通知書】には、「平均給料月額」「平均給与月額」と表記されているのも、相違点として、注意しておきたい記載事項です。

 つまり、一元化後になっても、退職共済年金(経過的職域加算額)の年金額を算定する場合には、一元化前に使われていた地方公務員共済組合の年金額算定に用いる用語・「平均給料月額」「平均給与月額」が使われているということです。

 〈「平均給料月額」「平均給与月額」の用語・算定方法や職域年金相当部分の年金額の算定方法などについては、長沼明著『年金相談員のための被用者年金一元化と共済年金の知識』(日本法令)40ページから43ページ、48ページなどをご参照ください。amazonやhontoで検索できます〉

 

 なお、サンプル事例の受給権者の場合、一元化後に共済組合の加入期間がありませんので、

「平均標準報酬額」「平均給与月額」は同じ金額となります(☆☆☆,☆☆☆円と表示した箇所)。

 このサンプル事例の場合は、平成15年3月以前の加入期間がありませんが、仮に昭和61年4月から市役所に勤務していたとした場合、昭和61年4月から平成15年3月までの「平均標準報酬月額」「平均給料月額」は、基本的に同じ金額となります。

 〈拙著・前掲書を参照

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