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年金・社会保険
掲載:2018年7月13日

熟年離婚と年金

熟年離婚のリスクと年金

リスク①…一人の老後生活、大丈夫?

 退職して夫婦はともに無職でも、多くの高齢者夫婦は預貯金や2人の年金収入を合わせて生活を維持しているでしょう。夫婦の場合と単身の場合を比較してみましょう。

夫婦の場合 単身の場合
消費支出
(食料費、住居費など)
235,477円 141,529円
非消費支出
(税金、社会保険料など)
28,240円 12,722円
支出合計(月額) 263,717円 154,251円
年金収入(月額) 191,880円 109,939円
収支の差額 △71,837円 △44,312円

※総務省「家計調査」(2017(平成29)年)より

 夫婦でも単身世帯でも老後の生活費に赤字が出ることには変わりないのですが、金融資産総額を見ると、60歳代の2人以上世帯では6,000,000円(中央値)、単身世帯では1,300,000円(同様)となっています(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」〔2017(平成29)年〕より。金融資産を持たない世帯も含める)。つまり、生命保険等、いざというときに活用できる金融資産が単身世帯より2人以上世帯のほうが多くなっています。
  離婚を考える場合は、高齢になって就労が難しい状況になったときにどうやって生活していくか、その手段についても考えておいた方が良いでしょうが、老後、自分自身の年金だけでは低額になる人にとって、離婚時の年金分割は生活の一助となるでしょう。

リスク②…遺族年金はもらえない

 離婚すると、遺族年金は支給されません。遺族(厚生)年金は婚姻期間とは全く関係なく、相手がどれくらい厚生年金保険に加入していくらの保険料を納めていたかで金額が決まります。従って、まだお互いに若い夫婦の場合は、当然遺族(厚生)年金は低い年金額となります。
 中高齢者の場合はどうでしょか。若い人に比べて厚生年金保険への加入歴も長くなり、年金額も上がってきているでしょう。もし、相手が先に亡くなれば、配偶者(妻または夫)は相手が将来受けるはずだった老齢厚生年金の3/4を遺族厚生年金として受けることができます。離婚すればこの権利はなくなります。
 実際に試算してみなければ分割された老齢厚生年金と遺族年金のどちらが高くなるかは断言できませんが、結婚が遅かった人や専業主婦(夫)の場合は分割の対象となる期間が長くはないため、遺族厚生年金のほうが高くなる可能性が大きくなります。
 なお、離婚後再婚しても、年金の分割を行った事実は消えません。つまり、再婚しても分割されたほうは年金額に損失が生じますし、もう一方は上乗せした年金を受け取ることができます。

※遺族厚生年金は最低300月分は保障されます。ただし、受け取る人が30歳未満の場合は5年間の有期の支給となります。

※昭和41年4月2日以降に生まれた専業主婦(夫)の場合、振替加算=0円です。

【参考】離婚して年金分割か、離婚せずに遺族年金か

 離婚の問題はお金の損得だけでは結論付けられませんが、参考までに、離婚して分割により老齢厚生年金が増えた場合と、離婚せずに遺族年金を受けた場合を比較してみましょう。

年金額は後々まで影響

 お金のことは離婚後の生活に大きく関わってきます。子どもの養育資金のようにすぐに必要な資金、一時的に必要な資金もありますが、年金については自分の老後について生涯続くものですから、きちんと試算してみた方が良いでしょう。わからない場合は年金事務所や社会保険労務士等の専門家に相談しましょう。

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