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くらしすとEYE
年金・社会保険
掲載:2018年3月15日

その医療費、戻ってくるかも?
~医療費が高額になったときのために~

払い戻しを受けるには?

70歳以上は現物給付、69歳以下は申請を

 「高額療養費制度」では、70歳以上であれば、医療機関(外来・入院別)、薬局ごとに、ひと月の限度額までの支払いで済むようになっており、超える金額をそれぞれの窓口で支払う必要はありません(現物給付)。一方、69歳以下の場合は基本的に申請が必要で、医療機関では自己負担3割(小学校就学前は2割)の全額を支払い、後で限度額を超えた金額が口座振込みで払い戻されるしくみです。

 ただ、70歳以上の人でも、次のような場合には注意が必要です。

 複数の医療機関や薬局を利用した場合には、それぞれの場所で限度額まで支払うことが求められます。例えば、「A病院」で限度額まで支払ったとしても、「B診療所」や「C薬局」での支払いが不要になるわけではありません。また、「A病院」「B診療所」「C薬局」、それぞれでは限度額に満たなくても、ABCを合計すれば限度額を超えてしまうかもしれません。さらに、家族に同じ医療保険制度に加入する人がいる場合は、家族全体の負担を合算して限度額を適用することができます。こういったケースでは申請が必要で、高額療養費は後で払い戻されることになります。

■表3 窓口負担と高額療養費(2018年3月作成)

  69歳以下 70歳以上
自己負担
割合

・一般:3割

・小学校就学前:2割

・75歳以上:1割(現役並み所得者:3割)

・70~74歳:2割(現役並み所得者とその扶養家族:3割)

窓口での
支払い

・自己負担を全額支払う(上限額を超えた金額は後で払い戻される)

・自己負担のうち上限額を超える金額は支払い不要(医療機関・調剤薬局ごと)

高額療養費の申請

・保険者への申請が必要

・限度額適用認定証を申請すれば窓口負担は上限額まで(医療機関・調剤薬局ごと。右覧①、②の場合は申請が必要)

・保険者への申請は不要

・①複数の医療機関・調剤薬局を利用したとき、②家族で負担を合算できるときなどは、申請が必要

領収書を保管して支払額を把握

 公的医療保険を運営する「保険者」(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合、市町村など)は、加入している人の医療費を把握しています。そのため、自己負担が限度額を超えた場合、給付の漏れがないよう、ほとんどの保険者はそのことを教えてくれます(事務処理の関係で診療した月から3カ月程度後になります)。「お知らせ」が届いたら指示に従って申請し、口座振込みで払戻しを受けます。また、すでに申請をしたことがあり、保険者が口座番号などを把握している場合は、申請不要で振り込んでくれるところもあります。

 しかし、保険者によっては、このようなサービスをしてくれません。医療機関・調剤薬局で発行する領収書はすべて保管して家族の支払額を把握しておき、限度額を超えそうな場合は保険者に確認するといいでしょう(領収書があれば、手続きもスムーズに進みます)。あるいは、手術や入院などで医療費の支払いが大きくなりそうなときは、知らせてくれるかどうかをあらかじめ確認しておくといいかもしれません。

手元にまとまった金額がないときは

 69歳以下の場合、高額療養費は払戻しが基本ですが、手術や入院を控えて手元に十分なお金がない場合はどうしたらいいでしょう。後で払い戻されるとしても、とりあえずの現金を用意するのが難しい場合もあるかもしれません。あらかじめ医療費が高額になることが分かっている場合には、加入している医療保険に「限度額適用認定証」を申請すると便利です。窓口でこれを提示すれば、70歳以上の人と同じように、医療機関(外来・入院別)、調剤薬局ごとに限度額まで支払えばいいようになります(前述のように複数の医療機関・調剤薬局にかかったときや、家族で合算するときには申請が必要になります)。

 また、医療機関などに自己負担分を支払ってから高額療養費が支給されるまでには、医療機関と保険者の間の請求事務の手続き上、3カ月以上の時間がかかりますが、その間にお金が必要になったときはどうしたらいいでしょう。この場合は、払い戻される予定の高額療養費の一定部分(8割、9割など)を医療保険が貸し付ける制度、「高額療養費貸付制度」があります(名称は制度によって異なります)。無利子で、返済は払い戻される高額療養費から直接行われるので、返済のために改めてお金を用意する必要がありません。なお、この制度は、すべての保険者が実施しているわけではなく、給付内容もそれぞれ異なります。給付の有無、また、その内容については、加入している医療保険に確認してください。

 医療費が限度額を超えたときは、多くの場合、加入している保険者からお知らせがありますが、それでも申請が必要です。払戻しには2年間の時効があり、うっかり申請を忘れてしまったらお金は戻ってきません。「もしも」のときに備え、「高額療養費制度」を覚えておきましょう。

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