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くらしすとEYE
住まい
掲載:2017年8月15日

わが家の防災対策①
家具転倒防止対策していますか?

一刻も早く家具転倒防止対策を

家具転倒防止対策の考え方

「安全スペース」の確保を

 室内で、「ここだけには何も物がない」という場所を作っておくと安心です。特に子どもにとって、地震が起こった時に素早くテーブルの下に移動し、テーブルにしがみつくのは意外と大変。速報を聞いたらすぐにそのスペースに移動することを徹底すれば安全が確保できます。安全スペースには避難袋や底の厚い履物を用意しておくと避難もスムーズです。

 家具転倒防止対策には、いくつかのアプローチがあります。家具等による打撲や圧迫事故、さらに転倒や落下等の二次被害を避ける方法は、究極的にはぶつかる対象が存在しない(置かない)ということになります。そうは言っても、家の中に何も置かない生活は大変難しく、不可能に近いと言えるでしょう。
 家具転対策の考え方は、①ものをできるだけ置かず、②置くものの選び方に配慮し、③置き方に注意することで被害を減らすことと言えます。まとめると次のようになります。

【物を置かない】

 家具等を部屋に置かないのが最も安全。作り付けの棚等を設置できれば理想的です。
 すでに所有している家具なども、「居住収納分離」で、普段過ごす場所に極力物を置かず、別の部屋や別のコーナーにまとめて配置することで安全性が増します。

【危険のないレイアウトにする】

●寝る場所、座る場所にはできるだけ家具を置かない

 家具を置かなくてはならない場合、座る場所の背後には背の低い家具にする、寝る向きに対して平行に家具を置き、人の上に倒れてこないようにすることで安全にできます。寝室では、それが難しい場合も、寝る位置をずらして、家具が倒れても直撃しないように工夫を。倒れたものがどこかに引っかかり、三角地帯ができるようにすればひとまず安全です。

●扉の近くに家具を置かない

 前述のように避難の妨げになるので、倒れた時に扉をふさぐ恐れのある場所への家具の設置は避けましょう。

【家具に転倒・落下・移動防止器具を取り付ける】

 家具等の置き方が変えられない場合は、倒れたり動いたりしないよう、器具を利用して壁等に固定すれば安心です。

【落下防止を意識した配置にする】

 棚への収納の際、特に本などは下に重いもの、上に軽いものを。上から重いものが落ちてくると危険だということと、重いものが下にあると棚の安定性が増します。

家具転倒防止対器具を上手に利用

 家具や家電等を置く場合は、器具で壁等に固定して、転倒や落下、移動を防ぎましょう。対策器具には用途等によりさまざまなものがありますが、東京消防庁が実験を行った結果、効果は図3のようになっています。

■図3 対策器具の種類

対策器具の種類

〈東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」より〉

 栗田さんによると、転倒防止にもっとも効果が高いのがL字金具を使った壁へのねじによる固定です。ただし、家具と壁の両方に十分な強度があることが必要です。また、賃貸住宅などで壁を傷つけられないなどの事情もあり、なかなか普及していないのが実情。そこで、お勧めしたいのが2種類の器具の併用です。
 天井と家具の間につっぱり棒タイプの「ポール式器具」を設置し、さらに家具の前下部にくさび上に挟み込んで壁に向かって傾斜させる「ストッパー式」と併用すればL字金具と同様の強度になります。
 「器具は多種多様で、この表にないものもたくさん市販されています。たとえば、壁に穴を空けず粘着テープで固定するL字貼り付けタイプのもの、ポール式でも人型でおしゃれにデザインされているものなど、インテリアを損なわないものもあります。住宅と家具の関係で適したものを探してみると良いと思います」(栗田さん)

■写真③ 東京消防庁のディスプレイ

こんな方法も有効

 その他、落下防止、移動防止の器具については以下のようなものが有効です。

●扉解放防止器具 食器棚等が地震で開くことによる食器の落下、破損を防ぐため、粘着テープやねじで取り付けるロックや、揺れを察知すると開かなくなる「感震ラッチ」等で対策が望まれます。

●ガラス飛散防止フィルム ガラス戸の収納家具には、収納物の飛び出し防止のためバラス飛散防止フィルムの貼り付けが効果的です。

東京消防庁のディスプレイ

安全と利便性の高いものから対策を

 これまで見てきたように、家具転対策はとても大切なもの。まず、手をつけられるところから始めてみましょう。その際の優先順位は、①安全を守ること ②震災後に便利なものを守ること と考えると良いでしょう。家具をすぐには動かせないとしたら、まずは背の高い家具を固定して転倒を防ぐことが安全の最優先事項といえます。さらに、落下防止の盲点になりやすいテレビ、電子レンジは電気さえあれば震災後にとても有用なものですから、故障を避けたいと栗田さんは話します。
 「電子レンジを冷蔵庫の上に置いているご家庭も多いですが、重心が高くなります。地震の揺れで左右に振れ、倒れそうで倒れない「ロッキング」を繰り返すと移動して、最後に倒れたりします。また、電子レンジは扉が手前に開くためバランスを崩して落下しやすいものです。何かの上に乗せるなら、電子レンジをまず固定、そして乗せている棚などの家具も壁への固定が必要です。また、テレビも同様です。テレビ台に固定するだけでは、重心が高いのでテレビ台と一緒に転倒してしまいます。テレビの台座をテレビ台などに固定したら、テレビ台も固定してください。また、マット式の器具には耐久の重量が明記されています。テレビ等の重量がそれを超えていれば落下は防げませんので、注意が必要です。
 各市区町村で、家具転対策の助成制度が設けられています。費用の払い戻しや器具取り付けサービス等さまざまです。ぜひ問い合わせてみてください」(栗田さん)

栗田さんからのアドバイス~「取り付けた器具は折に触れてメンテナンスを」

 特に粘着タイプの固定具は、日照などで乾燥し耐久性を失うこともあるので、定期的に確認してください。対策をしていても、器具は少しずつゆるんでいきます。特に、地震の後にはゆるみますので、きちんと設置し直してください。熊本地震では大きい地震が2度続きましたが、1度目は倒れなかったものが、2度めには倒れたという報告もあります。

 熊本地震では、地震の少ない地域ということで家具転対策の実施率が高くはなかったそうです。対策をしていれば被害はなく、対策がなければ被害が出てしまったことが明確な状況だったといいます。対策を実施していた方の多くは、過去に阪神・淡路大震災や東日本大震災などの震災経験者だったそうです。体験することで危機意識は高まります。各地域の防災体験施設を訪れてみるのもおすすめです。
 首都直下型地震も危惧される今、すぐにでも手を付けたい家具転対策。防災の日はスタートに良い機会ではないでしょうか。

東京消防庁の見学施設

●池袋都民防災教育センター 池袋防災館

交通
:池袋駅(南口・西口・メトロポリタン口)から徒歩5分
開館時間
:午前9時~午後5時(体験コーナーの最終受付は午後4時15分)
休館日
:火曜日・第3水曜日(国民の祝日に当たる場合は翌日になります。)
年末年始(12月28日~1月4日)
入 館 料
:無料

●本所都民防災教育センター 本所防災館

交通
:JR総武線錦糸町駅北口、半蔵門線錦糸町駅4番出口から徒歩10分
京成押上線・都営浅草線・東武スカイツリーライン・半蔵門線 押上駅
B1、B2出口から徒歩10分(B1の方が便利です)
開館時間
:午前9時~午後5時
休館日
:水曜日・第3木曜日(国民の祝日に当たる場合は翌日になります。)
年末年始(12月28日~1月4日)
入館料
:無料

●立川都民防災教育センター 立川防災館

交通
:バス JR立川駅北口(1番乗り場)より「立川消防署」下車すぐ 
多摩都市モノレール 「高松駅」より徒歩15分
開館時間
:午前9時~午後5時
休館日
:毎週木曜日・第3金曜日(国民の祝日にあたる場合は直後の平日)
年末年始(12月28日~1月4日)
 
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