1ストレスに対抗する

 ストレスを感じない人はいないといいますが、ストレスに強いことは今のような時代を生きるうえで大きな力となります。ストレスの原因には、病気や疲れ、環境など様々なものがあります。中でも現代を象徴するのが人間関係などの精神的ストレスでしょう。

 ところで、ストレスと食の関係は密接です。ストレスで食欲がなくなる人もいれば、「やけ食い」や「やけ酒」に走る人もいます。そして、ストレスに強い体をつくるのも、食事です。毎日の食事に気を付けているだけでストレスに強くなれるのなら、こんなに嬉しいことはありません。

抗ストレスホルモンを増やす

 人にはストレスに対抗する「抗ストレスホルモン」というものがあります。これを多く作り出す食事を摂ることでストレスを軽くしていきましょう。

 抗ストレスホルモンの材料になるのがパントテン酸です。これはビタミンB群の仲間で、ストレスに動きが左右されやすい自律神経の神経伝達物質を生成するのに必要な成分です。効果的な摂り方は毎日食品から摂ることです。摂り過ぎの害はないので、多めにとっても大丈夫です。

 しかし、アルコールやカフェインなどでパントテン酸は消耗しやすくなるので要注意です。同時にストレスによっても消耗が激しくなります。パントテン酸の一部は腸内細菌によっても合成されますが、抗生物質などを飲んでいると腸内細菌からの補給は期待できないので、食べ物の補給が一番です。

 パントテン酸を多く含む食品はレバー、鶏もも肉(皮なし)、牛ヒレ肉、豚肩ロース、子持ちガレイ、にじます、たらこ、うなぎ蒲焼き、納豆、アボカド、サツマイモ、モロヘイヤなどです。特におすすめはレバーと納豆、アボカドです。

【レバー】

 パントテン酸が飛び抜けて豊富で、ストレスで消耗しやすい他のビタミンの宝庫にもなっています。ただし、ビタミンCだけは含まないので、別の食品でビタミンCを補給する必要があります。(ビタミンCについては後述)。

 

【納豆】

 腸内環境を整え、パントテン酸の腸内合成を助けます。
【アボカド】
 パントテン酸の働きをサポートするビタミンEが豊富です(ビタミンEについては後述)。

レバーは積極的に摂りたい

 ストレスに強くなる食事は、パントテン酸、ビタミンC、ビタミンEが大きなポイントになります。特にパントテン酸は抗ストレスホルモンの材料になるので、重要な成分です。パントテン酸を多く含むレバーはコレステロールを多く含む食品ですが、高コレステロール血症でなければ故意に避ける必要がないと、日本動脈硬化学会が声明を出しています。
 レバーは各種ビタミン類、鉄も豊富に含む食品なので、ストレスが強くかかっていると感じているときには、ぜひ利用したい食品です。レバーを避けなければならないときは紹介した肉類を食べるようにしましょう。鶏肉の皮はコレステロールだけでなく脂肪分が多い食品なので、必ず残すようにしましょう。

 

サプリメントを利用するなら…

 サプリメントを利用する場合は、ビタミンB群の製品がおすすめです。パントテン酸はB群の仲間であるビタミンB6や葉酸と共に免疫力を向上させる働きがあるため、抗ストレスにプラスした健康維持に役立ちます。サプリメントを使用する場合と、食品からの補給との効果の違いははっきりしていません。必要量以上は体外に排出されますが、パッケージに書いてある摂取量を守り、毎日使用するようにしましょう(1回だけでは効果ありません)。

ビタミンCとEも必要

 パントテン酸の働きを発揮させるために必要な成分がビタミンCビタミンEです。パントテン酸によって作られた抗ストレスホルモンをビタミンCがその分泌を活発にし、ビタミンEは抗ストレスホルモンを作り出す副腎の働きを助けます。

 ビタミンCは、甘酸っぱい味の果物や野菜に豊富です。アセロラ、苺、柑橘系の果物、キウイ、赤ピーマン、かぶの葉、ブロッコリー、かぼちゃ、カリフラワーなどです。果物は缶詰なると、その加工過程でビタミンCが失われてしまうので、生で食べることが重要です。ビタミンCは精神的ストレス以外に睡眠不足や過労といったストレスでも消耗しやすい成分なので、毎日の補給がかかせません。

 ビタミンEが豊富な食品は油脂成分が多いものです。これはビタミンEが油に溶ける性質があるからです。にじます、ウナギの蒲焼き、はまち、アーモンド、へーセルナッツ、ひまわり湯、綿実油、かぼちゃ、モノヘイヤ、アボカド、だいこんの葉、赤ピーマンなどです。ビタミンCを多く含む食品と共通してでてくるものもあるので、上手く組み合わせて食卓のメニューに取り入れるようにしましょう。

この記事はお役に立ちましたか?

ご評価いただきありがとうございます。
今後の記事作成の参考にさせていただきます。

また、他のページもよろしければご利用をお願いしておりますので、
検索機能」や記事の「 人気ランキング 」をご利用ください。

あわせて読みたい記事

人気の記事