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介護 健康
掲載:2014年3月15日

働き盛りの認知症—若年性認知症

  予防、そして早期受診・早期診断・早期治療を

生活習慣病やストレスは予防できる

 図1のように、若年性認知症を発症する患者数は、30代後半から急増します。これは生活習慣病の要注意世代とも重なります。
 若年性認知症のなかで最も発症率が高く、全体の約4割を占める脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血、脳動脈硬化などにより神経細胞や神経繊維が障害を受けることが原因で起こります。そこで、食生活や運動、禁煙、ストレスからの解放などに配慮して生活習慣病を予防することに努めていれば、ひいては若年性認知症、さらには高齢者の認知症を予防することにもなるのです。
 現在、特に症状が出ていなくても、食事内容や飲酒、喫煙、運動の習慣、体重や体調に不安を感じたり、日々、心身のストレスを感じる人は、少しでも早く改善を図ることが大切です。


最初のサインが大事

認知症の初期は、もの忘れをはじめとする記憶に関する症状がでます。若年性認知症は、高齢者の認知症よりも進行が早いのが特徴です。手遅れになる前に、初期の段階で家族が「おかしいな」と気づき、最初のサインを見逃さないことがきわめて重要です。認知症の診断は初期ほどむずかしく、高度な検査機器と、熟練した技術を要する検査が不可欠。ほんの少しでも疑問に感じたら、必ず専門の医療機関で受診しましょう。

 パートナー同士でチェックしてみましょう(長谷川式簡易知能評価スケール)

1.お歳はいくつですか?
2年までの誤差は正解 不正解 0点 正解 1点
2.今日は何年の何月何日ですか? 何曜日ですか?
年・月・日・曜日に各1点ずつ 年  不正解 0点 正解 1点
月  不正解 0点 正解 1点
日  不正解 0点 正解 1点
曜日 不正解 0点 正解 1点
3.私たちが今いるところはどこですか? ※正答がないときは5秒後にヒントを与える。
自発的に答えられた 2点
5秒おいて「家ですか?病院ですか?施設ですか?」
のなかから正しい選択ができた 1点
不正解 0点
4.これから言う3つの言葉をいってみてください。
後の設問でまた聞きますので、よく覚えておいてください。
系列1:a桜 b猫 c電車 3つ正解 3点
系列2:a梅 b犬 c自動車 2つ正解 2点
1つ正解 1点
 不正解 0点
5.100から7を順番に引いてください。 ※aに正解のときのみbも行う。
a: 100−7は? a、bそれぞれ正解 1点
b:それから7を引くと? 不正解 0点
6.これから言う数字を逆から言ってください。 ※aに正解のときのみbも行う。
a:6−8−2 a、bそれぞれ正解 1点
b:3−5−2−9 不正解 0点
7.先ほど覚えてもらった言葉(問4の3つの言葉)をもう一度言ってください。
  ※正解が出ないときにはヒントを。
自発的に答えられた 2点
ヒント(a植物、b動物、c乗り物)を与えたら正解できた
1点
不正解 0点
8.これから5つの品物を見せます。それを隠しますので、何があったかいってみてください。
1つずつ名前を言いながら並べ覚えさせて隠す
(時計、くし、はさみ、タバコ、ペンなど必ず相互に無関係な物を使う)。
5つ正解 5点
4つ正解 4点
3つ正解 3点
2つ正解 2点
1つ正解 1点
9.知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。
  ※約10秒待って正解が出ないときにはそこで打ち切り。
正答数10個以上 5点
    9個 4点
    8個 3点
    7個 2点
    6個 1点
    5個以下 0点

【診断】

24.3点 19.1点 15.4点 10.7点 4.0点
非認知症 軽度認知症 中等度認知症 やや高度認知症 高度認知症

※点数はそれぞれの平均点。
※症状が深刻な場合は、必ず医師や心理士などの指導のもと、行ってください。

早期受診・早期診断・早期治療!

 「認知症は治らないから病院に行ってもしようがない」と決めつけるのは早計です。若年性認知症もほかの病気と同様に、早期受診、早期診断、早期治療がきわめて重要です。
 受診では、CT、MRI、脳血流検査などの画像検査のほか、記憶・知能などに関する心理検査に加え、認知症のような症状を引き起こす身体的病気ではないことを確認する検査も行います。
 早期の診断で適切な治療を受ければ、薬で進行を遅らせることができます。早い段階で薬の服用を始めれば、健康である時間を長くすることができるのです。就労期間を長くし、職場での混乱を未然に防ぐことも可能になるでしょう。認知症の症状が誰の目にも明らかな事態になるまで病気を放置すると、職場に多くの迷惑をかけるうえ、自分も心理的な傷を負って退職する以外に道がないという状況に追い込まれてしまいます。
 早期診断によって、患者は自分の病態を知ることができ、家族とともに病気に対する理解を少しずつ深めていけば、生活上の障害の軽減にもつながります。やがて障害が重くなり、認知機能が失われた後の自分の生活や財産の管理などについても、障害の軽いうちに後見人を自分で決めておくなど、任意後見人制度の活用で自分の意思を貫くこともできます。

◆治る認知症もある

認知症を引き起こす原因が正常庄水頭症や脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などの場合は、脳外科的な処置で劇的に改善する例もあります。甲状腺ホルモンの異常が原因の場合には、内科的な治療で改善します。また薬の不適切な服用が原因で認知症のような症状がでる場合には、薬の服用をやめるか、調整すれば回復します。しかし、こうした処置をとらずに、病気の状態のまま長期間放置すると、脳の細胞が死んだり、恒久的な機能不全に陥って回復が不可能になります。一日も早く、積極的に受診することが大切です。

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