3公的介護保険施設以外から選ぶなら?
予算とニーズで選ぶ
公的介護保険制度を利用せずに入居する介護施設は原則、費用を全額自己負担します。各施設それぞれサービスが異なりますので、ニーズや予算に合わせて選択することができます(図2)。
図2 公的介護保険制度の施設以外の介護施設のイメージ(同程度の居室の広さで比較)
多種多様なニーズに応じる有料老人ホーム
食事・入浴・排泄介助といった介護サービスに加え、洗濯・掃除といった家事全般のサービスも提供されるなど、高齢者が暮らしやすい環境が整えられた施設です。タイプが3種類に分けられます。
施設内には、リハビリステーションやフロント、レクリエーションルーム(カラオケ、将棋、談話室)などを設け、充実した設備を謳うところも多くなっています。金額は各施設で異なり、なかには年間数千万〜億単位の金額がかかるところもあります。
介護付き有料老人ホーム
原則65歳以上であれば、要介護、要支援、自立のいずれの人も対象になります。家事サービスに加えて介護サービス(公的介護保険制度とは別)が提供されます。施設専門の介護スタッフや医療スタッフが常駐しているため、何かあったときにも安心です。
(介護保険制度の居宅サービスを利用することもできます)
住宅型有料老人ホーム
原則65歳以上であれば、要介護、要支援、自立のいずれの人も対象になります。介護サービスの提供はなく、食事サービスがメインです。なかには、設備の充実度から第2の住まい(別荘)として利用される方も。
(介護保険制度の居宅サービスを利用することもできます)
健康型有料老人ホーム
基本的に自立している人が対象で、より快適な暮らしを求めて利用されることが多い施設です。施設内の設備やサービスが充実しており、独り身で不安なこと多い人、第2の人生を楽しみたい夫婦など、入居者はそれぞれです。ただし、要介護になった段階で退去しなければいけない点には注意が必要です。
有料老人ホームは入居時一時金と月々の利用料が必要
有料老人ホームには、入居時に必要な一時金と月額の利用料がかかります。公的介護保険制度のサービス(特定施設入居者生活介護サービス)を利用する場合は、その費用(1割の自己負担)が別にかかります。入居一時金は、その施設を終身利用するための費用で、そのうちの初期費用を差し引いた残りの金額を過ごす年月にあわせて減価償却していく形になります。そのため、途中で退去した場合は、残りが返金されます。
■介護付き有料老人ホームの入居費用の内訳(例:要介護3の場合)
早い段階から自分のライフプランを
若い人ほど、老後のことなど考えられないかもしれません。さらに施設に入居することなんて、なおさらかもしれません。でも自分自身ではなく、親のこととして考えると案外身近な問題だったりもします。自分が高齢になったとき、また、家族の面倒を自分がみることになった時、どんな選択肢があるのか、色々知っておくことは大切です。また、その際に資金面によって選べる幅は大きく変わってきます。そう考えれば備えあれば憂いなし! 今から自分が介護を必要になったとき、やむを得ない事情で一人では暮らせなくなったときのことを想像しながら、自分だったらどんな形がいいだろう?と考えてみましょう。また自分の希望と家族の希望が異なるケースも(下表)。トラブルを招かないためにも、事前に家族と老後のプランを話し合ってみてはいかがでしょうか。
本人の希望 ○家族に依存せずに生活できるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい…46% ○自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けたい…24% ○有料老人ホームやケア付き高齢者住宅に住み替えて介護を受けたい…12% ○特別養護老人ホームなどの施設で介護を受けたい…7% ○自宅で家族中心に介護を受けたい…4% ○医療機関に入院して介護を受けたい…2% ○その他・無回答…5% |
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家族の希望 ○自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けさせたい…49% ○家族に依存せずに生活できるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けさせたい…27% ○特別養護老人ホームなどの施設で介護を受けさせたい…6% ○有料老人ホームやケア付き高齢者住宅に住み替えて介護を受けさせたい…5% ○自宅で家族中心に介護を受けさせたい…4% ○医療機関に入院して介護を受けたい…2% ○その他・無回答…7% |
<厚生労働省「介護保険を取り巻く状況」(平成23年8月16日公表)より>
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③ 公的介護保険施設以外から選ぶなら