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くらしすとEYE
健康
掲載:2018年5月15日

「腰痛」になったときの
上手な整形外科のかかり方

「キレ」そうになったら

 多くの腰痛の原因は、命を奪われるような恐ろしいものではありません。しかし腰痛全体の1割に満たないですが、命にかかわる危険な腰痛もありますのでぜひ頭に入れておきたいものです。そこで、そうした痛みのサインとそこから疑われる病気について、引き続き大江先生にお聞きしました。

【危険な腰痛のサインとは】

●突然の激痛

●じっとしているのに激しい痛みを感じる

●足に力が入らない

 「これらのいずれかが起きた場合はすぐに病院に行き、専門医を受診してください。じっとしていても感じる強い痛みは放っておいてはいけません。内臓の病気が原因となっている場合もあります」(大江先生)

【突然の激痛から疑われる病気とは】

 「命の危険にかかわる腹部大動脈解離(破裂)をはじめ、腎臓梗塞(腎梗塞)、化膿性の脊椎炎、尿路結石、がんの骨転移が原因となっていることが疑われます」(大江先生)

 また、命にかかわるほどではないものの、「骨粗しょう症が原因の知らぬ間に起こる骨折が原因となっている腰痛もあり、最近増えています。背骨を圧迫骨折している場合があるものです。骨粗しょう症が進んでいると、軽い尻もちでも骨にヒビが入ったり、折れてしまいます。症状としては、少し動いたときに腰に痛みを感じる程度ですが治療が必要です」(大江先生)

 もし激しい腰の痛みで受診された際は、先生にこれらの病気について確認しておくと安心かもしれません。

痛みのサインと疑われる病気

◎腰や背中に冷や汗が出るほどの激しい痛み

<疑われる病気>腹部大動脈解離(破裂)

大動脈がこぶのようにふくらんだ大動脈瘤が腹部にあり、症状がないままこぶが大きくなると、それにより血管内壁に亀裂が入り剥離を起こした状態が大動脈解離。あるとき血管が突然破裂して大量に出血するものが大動脈破裂。死に至ることがある。

◎腰から背中にかけて激しい痛み

激しい腹痛、血尿、吐き気・嘔吐、発熱、高血圧など

<疑われる病気>腎臓梗塞(腎梗塞)

血液中の血栓などにより、腎臓の動脈がふさがって血液が流れなくなり、腎組織が機能不全となる病気。

◎背中から腰にかけて突然の激痛、熱が出る、安静にしていても痛みを感じる

<疑われる病気>化膿性の脊椎炎(せきついえん)

脊椎(背骨)に細菌が侵入して炎症を起こし、膿がたまる病気。免疫力が低下している時に起こりやすく、高齢者にも多く見られる。

◎腰から脇腹や鼠径部(股の付け根)までの激痛。尿が赤や茶色に変色することもある

<疑われる病気>尿路結石

腎臓から尿管を経て膀胱までの尿路のどこかに結石が詰まってしまった場合、詰まった場所に痛みを生じる。腎臓は背骨の横にあるため。

◎背中や腰に強い痛み

<疑われる病気>がんの骨転移

他の臓器にできたがんが骨に転移すること。背骨の中でも胸椎への転移が最も多い。

腰痛になったときの心がけ

 腰痛になったときは、整形外科専門医を受診してその痛みの原因を知り、適切な治療をすることが大切ですが、そのほか日常生活において気をつけるべきポイントについて、大江先生にお聞きしました。

適度な全身運動を行う

 腰痛の解消方法について、ストレッチや体操、腰痛解消グッズなど巷ではさまざま謳われていますが、どのような方法が最善でしょうか。

 「なかなか難しいことで、正直これをやれば絶対に解消できるというものは確認できていません。強いて言えば、腰に負担がかからない程度の全身運動を行うことが効果的です。ウォーキング、水泳など何でもかまいません。人間は動物ですから、『動いている』ことが日常なのです。」(大江先生)

 腰痛持ちだから運動は控える、ことはかえって良くありませんので、無理のない範囲で体を動かすことを心がけましょう。

「心配し過ぎない」ことも大事

 意外と知られていないようですが、腰痛を、『心配しすぎない』、『怖がらない』こともとても大事、と大江先生はいいます。「こんな話があります。レントゲンやMRIの写真を見る限り同じような原因・程度から生じている腰痛でも、『仕事に差し障りはない』と感じる人もいれば、『とてもじゃないけど仕事はできない、通勤も無理』という人もいます。このような差は、1つは感受性の違いですが、痛みへの理解の程度や精神状態も痛みの感じ方に影響してきます。」くわえて、「中高年になってから生じる腰の痛みで最も多くみられる原因として、変形性腰椎(ようつい)症があります。変形性腰椎症の推計人口は3790万人で、日本の人口の約3割を占めますが、深刻な痛みにつながるケースはそれほど多くはなく、『年齢のせい』と片付けられてしまうこともあるくらいで、それほど心配はいらないものです」。(大江先生)

 もちろん、激しい痛みの腰痛は放っておいてはいけませんが、過度の心配や恐怖はかえって痛みを増幅させたり、日常生活の行動に自ら制限をかけることになりかねません。

※ 次世代ヘルスケア産業協議会 「第2回健康投資WG 資料」より

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/jisedai_healthcare/kenkou_toushi_wg
/pdf/002_07_00.pdf

<さいごに>

 痛みがあるとつらく気が滅入るうえ、痛みのために運動不足になったりすると、結果として、運動器官や組織が衰え、健康寿命を縮める、という悪循環を招きかねません。

 特に腰痛により日常生活に支障が出ている人は、腰痛を放置せずに、整形外科専門医を受診して、適切に対処しましょう。また生活に支障がなくても、気になる痛みや違和感がある場合にも、一度診てもらうことをオススメします。




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