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埼玉県川口市 市民生活部国民年金課

 国民年金事業に対する功績が特に顕著で、他の模範と認められる市区町村に対し、その功績を称え、労苦に報いるとともに、国民年金事業の発展に寄与することを目的とする「市区町村国民年金事業功績厚生労働大臣表彰」に、2019年度は川口市(埼玉県)、松坂市(三重県)、益田市(島根県)、高梁市(岡山県)、指宿市(鹿児島県)の5市が受賞した。そこで、今回の「ねんきん最前線 市区町村 VOICE」は川口市市民生活部国民年金課を取材した。同市の伊藤雅章国民年金課長に表彰された取り組みを交え、同市の国民年金事業についてお話を伺った。

情報連携による届出手続の簡素化や個人情報保護にも市民目線で対応

――市民目線での行政サービスに取り組まれているとのことですが、国民年金の業務においては、それはどのように反映されているのでしょうか。

伊藤課長 2018年3月5日から行政機関間の情報連携により、住所変更届や氏名変更届が省略できるようになりました。そこで、市民生活部市民課では従来、転出や転入の際に国民年金課においても手続きをしていただくようご案内をしていたのですが、その案内を一時期止めていました。しかし、保険料を前納されている方が、海外に転出され国民年金被保険者の資格を喪失しますと、前納分の保険料をお返ししなければなりません。そうしたことについても、前もって説明しておくことが必要になるのですが、市民課で転出届を出したあとに、国民年金課の窓口に寄っていただかないと、ご案内の機会を私どもとしては失ってしまうのです。国民年金課で資格喪失届をご提出いただければ、スムーズに前納した保険料が還付されますし、還付を望まれないのであれば、任意加入の手続きをとっていただくこともできます。現在は、市民課において、市民課での手続き後に国民年金課にもお立ち寄りいただくようご案内を復活させました。情報連携によって事務が簡素化される反面、住民目線に立った行政サービスも省略してしまうことにならないよう、きめ細かい対応を図っていきたいと心がけています。

――情報連携については、2019年4月15日より日本年金機構から地方公共団体等への情報照会の試行運用が開始されました。そして、2019年7月1日からは、情報連携による添付書類の省略、これをもって情報連携のしくみが本格運用されました。そこで、住民目線の行政サービスという視点からは、情報連携の本格運用に、どう対応していきますか。

伊藤課長 情報連携で意識したことと言えば、DVの関係です。情報連携が始まる前、DV被害者の方で、年金事務所で年金の手続をされる方は少なかったのではないかと思われます。こういった方々について、住所などの問い合わせが年金事務所から市にあった場合には、以前は基本的に「お教えできません」というスタンスをとってきました。ただ、そのままでは、DV被害者の方には保険料納付書や必要な書類も一切届かないことになってしまい、将来、年金を受給できないということになりかねません。そこで、何とかしなければいけないと思っていたのですが、情報連携により機構にもDV被害者の個人情報が伝わることになりました。もちろん、年金事務所でもきちんと個人情報を管理されているので、年金事務所からDVの加害者に被害者の個人情報が漏れてしまうということはあり得ないのですが、そうは言っても、万一漏れてしまうということがないように、市としては、DVについての支援の申出があったときには、年金事務所でもきちんとした手続きをとっていただくよう、案内をするようにしました。それにより、年金事務所では基礎年金番号を変更し、本人および弁護士にしか住所などの個人情報を提供しないといった対応に切り替えてくれています。

――年金事務所との情報連携や連携協力体制に関連してですが、機構からはウインドウマシーンを貸与されているのでしょうか。

伊藤課長 現在、3台お借りして、年金相談での記録確認に利用しています。しかし、川口市の場合は、本庁のほかに、支所(芝・新郷・神根・安行・戸塚・鳩ヶ谷)が6ヵ所と川口駅前行政センターがあるので、そちらにもウインドウマシーンを設置できるよう、台数を増やしていただけないか、年金機構にお願いをしているところです。
 現状では、支所や行政センターでお客様の年金記録などを確認する必要がある場合は、本庁の国民年金課に問い合わせをしていただくか、年金事務所に直接問い合わせをしてもらっていますが、国民年金課では、時期によっては問い合わせの対応に追われ、他の業務に影響が出てしまいますし、年金事務所でも来訪者への対応で手いっぱいであったり、なかなか電話がつながらなかったりします。ですから、お客様をお待たせしないためにも台数を増やしていただき、支所や行政センターでも直接記録の確認ができるようになればと考えているところです。

――今日はお忙しいなか、取材にご協力いただきましてありがとうございました。

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