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第3期中期計画策定に向けて現状と課題を確認
~第40回社会保障審議会年金事業管理部会

厚生労働省は2018年11月28日、第40回社会保障審議会年金事業管理部会を開催した(部会長は増田寛也・東京大学公共政策大学院客員教授)。議事は「第3期中期計画の策定に向けて」など。前回部会(2018年10月17日)で確認を行った基幹業務以外について、次期中期計画の策定に向けて日本年金機構のこれまでの取組と課題の確認を行った。確認を行ったのは「業務運営の効率化に関する事項」と「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する事項」について。

(1)業務運営の効率化に関する事項について

【主な取組】

  • 「効率的な業務運営」の観点から、業務の合理化・効率化・標準化を行い、業務改善の推進を図った。また、お客様の住所の正確な把握と郵便物の適切な送付を行い、お客様サービスの向上を図った。
  • 「外部委託の活用と管理の適正化」を行った。
  • 「社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発」の観点から、現行システムの改善・開発を行い、事務処理のシステム化を実現した。

【課題】

  • 業務の合理化・効率化・標準化のためのマニュアルや業務支援ツールの改善を行う。
  • お客様や拠点(年金事務所や事務センター等)の職員からも業務改善を提案しやすく、かつフォローしやすい環境を整備する。
  • 事務センターに対して、マネジメント体制の構築と業務の標準化・効率化を行う。事務センターにおける外部委託業務についてもインハウス型を推進するとともに効率化を図る。
  • 外部委託を行う際の年金個人情報の適正な管理を行う。そのために優良な受託事業者を確保し、調達に精通した人材を確保・育成する。

(2)業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する事項について

内部統制システム構築の基本方針
(7つの柱)

①コンプライアンスの確保

②業務運営における適切なリスク管理

③業務の有効性・効率性の確保

④適切な外部委託の管理

⑤情報の適切な管理及び活用等

⑥業務運営及び内部統制の実効的な監視及び改善

⑦ICT(情報通信技術)への適切な対応

【主な取組】

  • 「内部統制システムの有効性確保」の観点から、内部統制システムの基本方針を取り決め、コンプライアンスの確保とリスク管理に取り組んだ。また、ルールの徹底化を図り、適正な監査の実施を図った。組織風土改革や文書の適正管理にも取り組んだ。
  • 「組織改革」の観点から、機構発足時からの組織改革を継続し本部・ブロック本部の改革に取り組んだ。さらに、拠点(年金事務所や事務センター等)のビジネスプロセス改革を行った。
  • 「人事及び人材の育成」の観点から、機構本部の人員体制を整備し、適正化を図った。人事方針、人材登用、適正な人事評価制度の運用を行い、人材育成に取り組み、働きやすい職場環境の確立を図った。
  • 「個人情報の保護」のための徹底管理を図った(図3)。
  • その他、「情報公開の推進」「契約の競争性・透明性の確保」「不要財産または不要財産となることが見込まれる財産の処分に関する計画」の実施に取り組んだ。

図版見出し図3 不正アクセスによる情報流出事案発生以降の個人情報保護の取組

【課題】

  • 内部統制システム構築の適正な運用を行う。
  • リスク管理及びコンプライアンス意識の醸成を図り高度化を行う。本部内、本部現業部門、自然災害についてもリスク管理を徹底する。
  • 現場の実態を踏まえたルールを設定し、管理の徹底を行う。
  • 監査体制に係る課題や監査手法に係る課題を明確にする。
  • 文書の適正管理に関して、法人文書の保存期間、法人文書の適正な管理・保管について見直しを行う。電子申請や電子媒体で提出された届書の取扱いについても見直す。
  • 本部組織の見直しを継続し、地域部の機能強化を図り、機構全体における業務分担・役割を見直す。
  • 年金事務所や事務センターについてはお客様対応を再構築し徴収体制の整備と年金給付業務の抜本改革を行う。事務センターについてのビジネスモデルを確立し、本部現業部門のあり方と本部リスク管理を見直す。
  • 今後の業務の効率化及びシステムの刷新等に合わせて、人員削減を着実に実施する。
  • 人材育成に関しては、階層別研修・業務研修を見直し、専門人材や基盤的業務を担う人材の育成を図る。研修の質の向上を図り、無期転換職員・有期雇用職員の育成も行う。
  • 働きやすい職場環境の確立については、「働き方改革」にも取り組み、メンタルヘルス対策の強化を行う。
  • 個人情報の保護については情報セキュリティ対策の継続的な見直しを行い、教育の充実及び組織・人的体制の強化を図る。外部委託先における個人情報の管理を徹底し、監査によるチェックを強化する。

次回年金事業管理部会では、さらに内容を精査し具体化に向けて審議を行う。

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