米子年金事務所(鳥取県米子市)
国民年金保険料は納得したうえでの納付が大切 ――田中聡国民年金課長
田中聡国民年金課長は、平成29年4月に米子年金事務所に初めて管理職として着任した。平成24年10月から浜田年金事務所国民年金課、平成28年4月からは松江年金事務所厚生年金適用調査課で勤務していた。出身は島根県で、今回初めて鳥取県に異動となった。国民年金課の職員7名である。
職権適用となる前に加入手続き案内を届け周知を図る
田中聡国民年金課長
「20歳の加入手続きの案内を住民票の住所地に送っているのですが、それが未着となってしまうことが結構多くあります。住民票は地元に置いて、県外の大学に進学するケースでは、本人は郵便局に転送手続をするのですが、1年が過ぎてしまうと、転送は終了し、送達不能となってしまうのです。そこで、住民票の住所地に訪問して、加入手続きの案内を届けるようにしています」と田中課長は職権適用の前に、国民年金制度への加入義務の周知を考える。
また、職権適用となった人には、納付相談会の案内を送り、口座振替やクレジット納付、学生納付特例制度や保険料免除・納付猶予制度の説明や手続勧奨を行う。
保険料は翌月末までの納付期限で納付を勧奨
「保険料の時効は2年となっていますが、法律では翌月末まで納付するよう規定しています。時効ぎりぎりになって納める方が多くいますが、障害年金の受給要件の1つに、「初診月の前々月の直近1年間に未納期間がないこと。」とあり、遅れながら納付していると、万一の際の障害年金が受給できないケースもあります。まずは、現年度の納付書を中心に勧奨したり、口座振替やクレジット納付は確実に翌月末までの納付となるので、積極的に勧奨しています」と話す田中課長は、翌月末までを期限とする納付勧奨に力を入れる。
強制徴収については、差押も実施している。また、分納申出者については、その後の保険料滞納が起こらないように、口座振替を求めている。
市町村には6月に新任事務担当者向けの事務研修を実施
国民年金事業では、市町村との協力・連携が重要になるが、市町村からは、収納対策・適用対策に必要な所得情報、住所確認、電話番号などの情報の提供を受けている。また、協力連携強化のため、6月に主に新任事務担当者を対象とした事務研修会を実施した。
「来年4月には、第1号被保険者を対象とする産前産後の保険料免除制度が開始されることから、11月にも研修会を開催しました」
市場化テストはこまめな情報提供で納付率向上に向け協力
市場化テストでは、電話勧奨と訪問勧奨、文書送付による督励を行う。
去年10月に市場化テストの業者が変わったが、こまめに情報提供して、納付率向上に向け協力し合っている、と言う。月の目標訪問件数を達成しつつ、無駄なく、効率的に取り組んでいくことに主眼を置く。
「米子年金事務所の納付率は昨年70%に到達しました。しかし、鳥取や倉吉、また島根など山陰の事務所と比べると、まだまだ低い納付率です。そこで、未納者には、いま保険料を納めることは大変なのかもしれませんが、将来のことも考え、障害年金や遺族年金のことも納得いただいたうえで、自ら納めるような気持ちになっていただきたいと思います。そして、市町村や市場化テスト受託業者としっかり連携を取って、納付率向上に努めて行きたいです」と田中課長は今後の抱負を語る。