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小田原年金事務所(神奈川県小田原市)

 小田原年金事務所は、箱根や湯河原など国内有数の温泉地を有し、神奈川県内で最も管轄地域が広い。同事務所では、職場環境の充実がお客様サービスの向上にもつながると考え、プロジェクトチームを立ち上げて職場の改善や衛生管理に取り組んだり、フロアに花や写真等を飾ってフロアの美化を図ったりするなどの工夫も行っている。また、お客様相談については特に予約に力を入れており、現在予約率は75%。地域年金セミナーも目標を上回る開催数を実現している。

職場改善プロジェクトチーム等で職員が働きやすい環境を整備

 小田原年金事務所は、神奈川県の小田原市、南足柄市、足柄上郡(中井町、大井町、松田町、山北町、開成町)、および足柄下郡(箱根町、真鶴町、湯河原町)の2市8町を管轄する。管内の人口は平成29年1月1日現在35万1,072人で、県の総人口の3.9%を占める。

 地域的な特徴は、北部は山梨県、西部は静岡県に接し、丹沢、箱根を有し、酒匂川(さかわがわ)から相模湾に至る豊かな自然環境に恵まれていること。農林水産資源も豊富で、温泉などの観光資源も有している。

 同事務所の職員数は、43名。

 藤本学所長は、青森県の八戸年金事務所の厚生年金徴収課長、岩手県の花巻年金事務所の厚生年金適用調査課長を経て、平成28年4月に小田原年金事務所の所長の任に就いた。

 藤本所長自身にとっては初の所長職。「職員は正職員であるかどうかにかかわらず、皆さん年金行政への使命感を持って仕事に当たってくれているので感謝しています。そのことを忘れず、何かあったときは毅然とした態度で職員を守れる所長でありたいと思っています。一方でお客様には、事務所に来てくださったときに雰囲気が良いと事務所だと感じていただき、『正確』な処理をして、気持ちよく帰っていただけるようにと心がけています」(藤本所長)。

 同事務所では「予約」に力を入れており、現在予約1~2週間先まで予約で埋まっている状況である。「予約していただくと、前もって準備ができるので、40年分の審査が正確に行いやすくなります」(藤本所長)。

 職員が余裕を持って働きやすい環境であることも、質の良いお客様サービスにつながると考えている。そこで現在、同事務所では、職場改善プロジェクトチーム(以下PT)、衛生委員会を設け、さらに各課をつなぐ主任会議も設けて、職場環境の改善・向上に取り組んでいる。職場内の交流を深めるために、手作りの所内報を作成・発行する職員もいる。

 また、サービスの改善という点では、お客様のためにPTで正面玄関に毎朝いすを出したり、「きれい化」として、事務所内に花や写真を飾ったり、掲示を見やすくするなどの工夫も行っている。さらに、毎朝のオープン時に正面玄関に職員が立って挨拶するということも最近始めた。今後は、小さなお子様連れのお客様のために、「年金太郎」の塗り絵を用意し、お子様に塗ってもらった塗り絵をまとめて事務所内に展示することも検討している。

 職員のスキルアップという点でも、主任中心に定期的に研修を開催している。最近では時節柄、源泉徴収に関する問答集を作成したり、「誤送付」の事例から何が問題かを各課職員を交えながらディスカッションしたりしている。同事務所は1階と2階でフロアが分かれているため、研修は職員がフロアを超えて話しができる機会にもなる。

 市町村との関係については研修なども実施して良好である。10年短縮年金の件では市町村の国民年金担当だけでなく生活保護担当の職員にも月1回来ていただいており、申請を効率的に受け付けることができている。

 今後については、「年金行政は各市町村の国民年金課の協力を受けながらもほぼ年金事務所が行っているのが実情で、お客様には選択する余地はございません。その点からも、お客様への正確な実務処理、情報提供、そして気持ちよく相談いただけることが重要だと認識しています。お客様に質の高いサービスを提供するためには、職員の高いスキルが求められますので、私にとって職員の環境づくりが、お客様へのサービス提供とともに重要な仕事だと認識しております。そのために、職員の声に耳を傾けながら、私自身にできること、考えられることをできる限り実行してまいります」と藤本所長は語る。

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