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兵庫県神戸市 保健福祉局高齢福祉部国保年金医療課国民年金係

神戸市役所。24階には展望ロビーがある。

 いま、市町村の国民年金の現場では、相談業務に説明責任が強く求められるようになり、協力・連携事務の過重な負担が市町村に重くのしかかる。変貌する協力・連携事務に、市町村はどう対応し、国とはどういった協力・連携体制を構築すべきなのか。兵庫県の神戸市国民年金係に「ねんきん最前線」を訪ねた。

神戸市のデータ

〇人口
1,541,913人(うち、20〜59歳は766,826人、65歳以上は421,859人)

 *平成29年12月31日現在

〇第1号被保険者
197,550人、任意加入被保険者 2,987人

 *平成29年12月末 日本年金機構「事業統計」

〇免除者数
98,868人(うち、法定免除は21,475人、申請免除は77,393人<・全額免除39,111人、一部免除7,766人、納付猶予5,935人、学生納付特例24,581人>)

 *平成29年12月末 日本年金機構「事業統計」

〇国民年金受給者
老齢基礎年金369,599人(うち基礎年金のみの人73,032人)
障害基礎年金 23,208人
遺族基礎年金 2,593人

 *平成28年度末現在

〇国民年金担当者数
本庁4人(年金係長1人、正規担当職員3人)
区役所・支所(出張所)55人(国保兼任係長10人、正規担当職員30人、再任用職員5人、非常勤嘱託職員10人)

 *平成30年1月末現在

国との役割分担もあいまいなまま取り組まれてきた協力・連携事務

 まずは、国民年金事務の役割分担とその中身がどう変遷してきたか、おさらいしておきたい。というのも、市町村が協力連携する国との関係や国民年金の現場で接する住民のニーズの変化などから、市町村に課せられた協力・連携事務の内容や意味合いも変わってくるからだ。
 国民年金事務の市町村と国(年金事務所等)との役割分担が現在のかたちとなったのは平成14年4月。それ以降、市町村が担当する国民年金事務(法定受託事務)は、適用関係における「1号の届書の受理」と、年金給付関係の「1号期間のみ有する者の裁定請求」とされている(図表1・2)。その一方で、平成11年の「地方分権一括法による国民年金事務の見直しの際に法定受託事務と整理されなかった資格取得時等における保険料納付案内、口座振替、前納の促進事務や相談等について、被保険者に対するサービス低下をきたさぬよう、国と市町村との協力・連携のもとに実施」(図表3の厚生労働省作成資料からの引用)するとして、市町村が担うことになったのが、協力・連携事務だ(図表3)。法定受託事務として役割分担された事務ではないが、被保険者(住民)サービスを低下させないため、案内や相談には応じるという事務のことだ。
 市町村にとっては、法定受託事務ではないが、「住民サービス」と言われれば、住民との窓口になっている市町村としては取り組まざるを得ないグレーな領域で、やむなく市町村に役割分担されたのが協力・連携事務なのだ。
 さて、図表1についてだが、現在の市町村の法定受託事務において、その事務量の多くを占める免除関係事務や経験と知識を特に必要とされる障害年金関係の事務について、この図表には示されていない。免除関係事務は、地方分権一括法施行後、国民年金制度と市町村事務をもっとも複雑化・煩雑化させた要因であり、この図表は市町村の法定受託事務を正しく表せていない気がするのだが。

図版見出し図表1 国民年金事務に関する役割分担の見直し

図表1 国民年金事務に関する役割分担の見直し

※平成22年1月1日以降、社会保険庁及び社会保険事務所は日本年金機構に移行。
出典:厚生労働省作成資料

図版見出し図表2 法定受託事務の主な内容

図表2 法定受託事務の主な内容

※1市町村が行う事実の審査とは、市町村の保有する公簿(戸籍、住民票、市町村民税課税台帳等)により、住所・氏名・生年月日及び所得の状況等を確認することをいう。
※2国民年金法の規定に基づき、厚生労働大臣から日本年金機構に事務が委任されている。
出典:厚生労働省作成資料

図版見出し図表3 市町村との協力・連携事務の主な内容

図表3 市町村との協力・連携事務の主な内容

※( )内は、1,741市町村(特別区を含む)のうち、当該事項について協力のあった市町村数
出典:厚生労働省作成資料

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