富山年金事務所(富山県富山市)
富山市内から立山連峰が一望できる
富山市は江戸から明治時代まで北前船の寄港地としても栄えた。当時の廻船問屋が建ち並ぶ歴史的街並みが残されている
富山市は市民の利便性のため、LRT(ライトレール)を活用したコンパクトなまちづくりに取り組んでいることでも有名
お客様ごとに何が大切かを見極めて対応するスキルが必要
宮田真紀お客様相談室長は、中部ブロック本部のサービス推進お客様相談グループを経て、平成25年10月より富山年金事務所のお客様相談室長を務める。同室の職員数は15名。ブースは通常6つあり、ほかに障害年金の相談に対応するブースが1つある。
待ち時間は平均10分以内。1日の相談件数は、今年は男性の請求がないため少なく、2月は1日当たり約70~80件。3月に入ってからは源泉徴収や10年短縮年金に関する相談が増えたことで1日100件を超える相談件数となっている。
職員のスキルアップ研修は、現在は朝礼の時間を使い、注意事項や「こういうことがあって大変だった」ということなどを職員同士で発表し合いながら行っている。また、月1回、事務処理誤り防止委員会を開いている。「お客様相談室が取り組むべき事務処理誤りの防止とは、やはり『説明誤りの防止』だといえるので、伝達研修をしたり、自分たちが弱点だと思う部分を研修しています」(宮田室長)。
今後の課題は、お客様が増えると予想されること。特に10年短縮年金に関する相談が増えると見込まれるが、いま来ているお客様の様子を見ると、いろいろな職歴があったり名前も変わっていたりして、1件1件の処理に時間がかかる。そうした状況を限られた職員数でどう切り抜けるかが問題となる。
「特に窓口とバックヤードの職員のコミュニケーションが大事かと。お客様にもご負担をかけないようにするのはもちろん、職員にもあまり負担がかからないようなスタイルが構築できるのが理想で、そのために何ができるかをこれから模索していきたいです」(宮田室長)。
また、予約の想定時間は45分となっていますが、いろんなことを思い出していただくにはけっこう時間がかかり、一方で次の予約の方も待っていらっしゃる。すべてを説明していると終わらないし、一度に全部言うとお客様も覚えられないので、お客様が何を一番大事にすべきかを見極め、その方に合ったサービス提供・相談をしたい。そのためのスキルアップが相談室職員に求められていると思います」(宮田室長)。
「サービスは標準化すべき」「同じサービスを提供するように」とは言われるが、同じサービスをしても伝わらないこと、間違って解釈されることもあり、そこが相談室の業務の難しさでもある。「同じサービスをというよりは、同じ満足感を得ていただくという視点を持って相談に臨むことも大切かもしれません」(宮田室長)。