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年金広報タイトル

︱2016.11.15 11月号 (通巻689号) Vol.44

掲載:2016年11月15日
年金講座

市町村が特定適用事業所に該当しているかどうか、
確認するためにはどうしたらよいのか?
-日本年金機構で厚生年金保険等の適用事業所検索システムが公開-

筆者プロフィール 長沼 明(ながぬま あきら)

浦和大学総合福祉学部客員教授。志木市議・埼玉県議を務めたのち、2005年からは志木市長を2期8年間務める。日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員を歴任する。社会保険労務士の資格も有する。2007年4月から1年間、明治大学経営学部特別招聘教授に就任。2014年4月より、現職。主な著書に『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(2015年、年友企画)、『年金相談員のための被用者年金一元化と共済年金の知識』(2015年、日本法令)

 特定適用事業所に勤務する、いわゆる4要件を満たす短時間労働者については、平成28年10月1日より、社会保険の適用拡大が施行されました(詳細については、先月号の本誌参照)。
 しかしながら、すべての市町村が特定適用事業所に該当するわけではありません(特定適用事業所に適用するかどうかの要件についても、先月号の本誌参照)。

▶ https://kurassist.jp/nenkin-kouhou/vol43/pro-lecture/pro-lecture-01.html

 つまり、週の所定労働時間が同じ20時間で勤務する短時間勤務の再任用職員(4要件を満たす短時間労働者であったとしても特定適用事業所に該当するA市役所では厚生年金保険の被保険者になるのに対し(受給している年金が一部支給停止になる可能性もあります)、特定適用事業所に該当しないB市役所では厚生年金保険の、被保険者にはなりません(年金を受給していても支給停止とはなりません)。
 今月号では、日本年金機構の【事業所検索システム】をご紹介するとともに、この検索システムを適切に活用して、年金相談者の年金相談に的確に対応ができるような情報を提供していきたいと思います。

市町村が特定適用事業所に該当しているかどうか、確認するためにはどうしたらよいのか?-日本年金機構で厚生年金保険等の適用事業所検索システムが公開-

(1)日本年金機構より、【事業所検索システム】が公開!

 日本年金機構より、【事業所検索システム】が公開されました。
 これを活用して、年金相談等に的確に資することができるように、埼玉県内のどの市町村が特定適用事業所に該当するのかを調べてみましょう。

▶ https://www.nenkin.go.jp/do/search_section/index1.html

 たとえば、【都道府県】を【埼玉県】にし、【事業所名称(全角)】欄に【和光市】と入力すると、次のように表示されます(【図表1】参照)。
 【図表1】をみると、和光市役所も和光市教育委員会も、【特定適用事業所】欄に【該当】の文字が印字されていますので、特定適用事業所に該当していることがわかります。

【図表1】和光市

【図表1】和光市

 また、【都道府県】を【埼玉県】にし、【事業所名称(全角)】欄に【白岡市】と入力すると、次のように表示されます(【図表2】参照)。

【図表2】白岡市

【図表2】白岡市

 【図表2】をみると、白岡市役所も白岡市教育委員会も、【特定適用事業所】欄に【該当】の文字が印字されていないことが確認されます。ということは、特定適用事業所に該当していないということになります。

(2)

埼玉県内40市中、特定適用事業所は32市、8市およびすべての町村(22町1村)は特定適用事業所に該当せず!

 このような方法で、埼玉県内40市の自治体が特定適用事業所に該当しているかどうかを調べたのが、【図表3】です。

  • 自治体によっては、市長部局と市教育委員会を分けて適用事業所としていない市もあるようです(市役所で一適用事業所)。
  • また、課ごとに適用事業所として適用届出している市もありますが、本文の趣旨はその自治体が特定適用事業所に該当しているかどうかの情報を提供し、短時間労働者の適用や適切な年金相談に資するものですので、【図表3】のように取りまとめました。
  • 課ごとに適用事業所が記載されていると思われる自治体で、一部の課・室が特定適用事業所として「該当」の印字がされていない市がありますが、【図表3】では、「該当」に区分しています。「該当」の文字が印字されていない理由は不明です。
  • 中には、自治体名をあげて恐縮ですが、戸田市のように人口規模からいって、特定適用事業所に該当するのではないかと思われる自治体もありますが、検索結果通りのデータでまとめました(実際に該当していないのか、自治体の届出が遅れているのか、日本年金機構の入力に何らかの原因があるのかは不明ですが、出力された通りのデータです)。

 なお、このデータは平成28年11月1日現在の登録データをプリントアウト(平成28年11月3日にプリントアウト)し、まとめたものであり、日本年金機構のHPには「事業所情報は、毎月20日頃時点の情報を翌月第2営業日に更新します。そのため、事業主の方から届出いただいた内容が検索結果に反映されるまで時間がかかる場合がありますのでご了承ください。」との注記があることを申し添えます。
 あくまでも特定適用事業所に該当しているかどうかのご確認は、ご自身でなされるようにお願い申し上げます。

【図表3】埼玉県内の自治体・市の特定適用事業所の一覧表

  • なお、埼玉県内の22町1村は、すべて特定適用事業所には該当していませんでしたので、短時間労働者は4要件を満たしていたとしても、これらの町役場・村役場に勤務する短時間労働者は、厚生年金保険・健康保険の適用はありません。

(3)都道府県の状況について -埼玉県の場合-

 都道府県については、職員数からいって、すべて特定適用事業所に該当すると認識しています。
 参考までに、埼玉県を例にとり、同様の手法で調べた結果をご紹介しましょう。
 埼玉県庁(知事部局)を調べる場合は、筆者は、部ごとに検索しました(【図表4】参照)。
 というのは、筆者が県議会議員のときに議員活動で調べたときには、課ごとに適用事業所として届出をし、臨時職員等を被保険者として資格取得届・算定基礎届を行っていたからです。当時、知事部局ひとつで行ったほうが事務の効率性に資するのではないか、ということを議員活動の中で指摘したことを記憶しています。

【図表4】埼玉県庁における特定適用事業所(福祉部)

 埼玉県教育委員会が特定適用事業に該当していることを確認しましょう。
 埼玉県教育局で検索します(【図表5】参照)。

【図表5】埼玉県教育局における特定適用事業所

 県立高等学校については、個別に検索をかけないと確認できませんが、筆者の母校である浦和高校について調べましたところ、特定適用事業所に該当しています(【図表6】参照)。
 浦和高校一校で特定適用事業所に該当するほど、被保険者数はいません(501人以上)ので、県をひとつの法人でとらえると、特定事業所に該当するということの証左であると認識しています。

【図表6】県立浦和高等学校も特定適用事業所に該当

(4)公表の法的な根拠について

 なお、これらの公表の法的な根拠ですが、「健康保険法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令(平成28年厚生労働省令第162号)」によります。
 平成28年10月27日付の厚生労働省保険局長および厚生労働省大臣官房年金管理審議官から発出された通知文には、「健康保険及び厚生年金保険の適正な適用を促進するため、事業所の健康保険及び厚生年金保険の適用状況を、被保険者等がインターネットを介して把握することができるよう、インターネット上に、事業所に係る以下に掲げる事項を公表することとするもの。」と記されています。

1 適用事業所に係る事項
(1)事業所の名称及び所在地
(2)特定適用事業所であるか否かの別
(3)当該事業所に係る日本年金機構の業務を分掌する年金事務所
(4)事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、法人番号

 年金に関係する法改正やそれに伴う通知が発出されています。これらの動向にも的確に対応し、適正な情報の発信および利用に努めてまいります

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