年金総合研究所によるシンポジウム開催「公的年金制度の歴史とその展望~基礎年金発足30年~」
平成28年7月1日、一般社団法人年金綜合研究所主催によりシンポジウム「公的年金制度の歴史とその展望~基礎年金制度発足30年」が東京都内で開催された。講演内容は下記のとおり。
【講演1】「社会保障制度を将来世代に伝えるために」
〜講師:清家篤氏(慶應義塾大学塾長)〜
- 世界に類をみない高齢化
高齢化の高さ速さ深さ/成功の結果としての高齢化/高齢化を喜べるように - 支える力を強化する
労働力の中期見通し/鍵を握る高齢者と女性の労働力率 - 生涯現役社会を目指す
定年退職制度の見直し/年功賃金制度の見直し/厚生年金制度の見直し - 女性の労働力率を高めるために
機会費用軽減の必要/厚生年金制度などを就労中立的に - 社会保障制度改革の視点
社会保障制度のバランスをとる/高齢者の生活の質を高める - 社会的合意形成の必要
三党合意の意味/打ち出の小槌はない/奴雁 ・公智 ・実学 の視点で
【講演2】「年金制度の現状と課題~基礎年金創設から30年を経て~」
〜講師:鈴木俊彦氏(厚生労働省年金局長)〜
- 公的年金制度の現状とこれまでの歩み
公的年金制度の現状/これまでの歩み/平成26年財政検証と年金改正法案 - 年金制度の課題と展望
被用者保険の適用拡大/高齢期における年金受給の在り方/公的年金の受給水準の在り方・高齢世代間の分配の在り方
【講演3】「公的年金制度の残された課題」
〜講師:渡邉芳樹氏(日本赤十字看護大学客員教授・元駐スウェーデン特命全権大使)〜
- 平成16年改革で出来たこと・出来なかったこと(1)
平成16年年金制度改革の基本構造/平成16年改革が可能となった理由と背景 - 平成16年改革で出来たこと・出来なかったこと(2)
実現出来なかった主な事項/その後の改革で実現したこと - 当面の改革課題
- 将来的又は本質的課題(1)
国民の老後所得保障の在り方 - 将来的又は本質的課題(2)
年金以外の重要政策に必要な社会保険料・税財源の兼ね合いと優先度/年金機構 - 将来的又は本質的課題(3)
経済金融政策の使命と公的年金制度の使命の相克/安定した政治指導体制による国民的議論を通じた「民生の安定」
【講演4】「『暗い年金将来像』はもうやめよう」
〜講師:渡辺俊介氏(国際医療福祉大学大学院教授)〜
- 「年金の財政破綻」と言われるようになった原因は誰が作ったか?
- 「年金破綻」「年金不信」はこうして作られた
- 唯一の救いの道は「出生率」「労働力人口増」「経済成長」