平成28年度の年金額は据え置き
厚生労働省は平成28年1月29日、総務省による「平成27年平均の全国消費者物価指数」の公表(同日)を受けて、平成28年度の年金額改定について公表した。これによれば、平成28年度の年金額は、物価・賃金によるスライドは行わず、年金額は平成27年度から据え置かれることとなった(表1・2)。平成28年度の年金額の支払いは、通常、4月分が支払われる6月からとなる。
平成28年度の年金額改定に係る指標は、名目手取り賃金変動率がマイナス0.2%、物価変動率が0.8%、スライド調整率はマイナス0.7%であったが、年金額の改定は給付と負担の長期的な均衡を保つ観点から、賃金水準の変動がマイナス・物価水準の変動がプラスになった場合にはともにスライド無しとすることが法律上規定されており、マクロ経済スライドによる調整も適用されない。
なお、平成28年度の在職老齢年金の支給停止調整開始額等についても、平成27年度と同様となる。
表1 平成28年度の新規裁定者(67歳以下の人)の年金額の例
- 厚生年金は、夫が平均標準報酬額42.8万円で40年間就業、妻が専業主婦の条件で計算。
- 平成27年10月に施行された被用者年金の一元化により、年金額の端数処理が従来の100円未満四捨五入から、1円未満四捨五入に改められたため、上記厚生年金の額に差が出ている。
表2 平成28年度の年金価格一覧
○国民年金
○配偶者に支給される遺族基礎年金
○子に支給される遺族基礎年金
○厚生年金
表3(参考) 物価変動に応じて引上げ(0.8%)となる諸手当
図1(参考) 年金額の改定(スライド)ルールのイメージ図