掲載:2016年1月15日
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総務省行政評価局のあっせん事例2 ~高年齢雇用継続基本給付金の受給を理由とする老齢厚生年金の一部支給停止解除

 総務省行政評価局のあっせん事例を紹介する。2つ目は「高年齢雇用継続基本給付金の受理を理由とする老齢厚生年金の一部支給停止解除」について。雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金の受給者が、受給額が特別支給の老齢厚生年金の額よりも低かったために受給を取りやめたが、高年齢雇用継続基本給付金の受給期間の老齢厚生年金は65歳まで支給されないことに不満を訴えた事案について、総務省行政評価局は、行政苦情救済推進会議の「高年齢雇用継続給付を受けない意思がある場合は、特別支給の老齢厚生年金の一部支給停止を速やかに解除する必要がある」との意見を踏まえて、平成27年12月11日、厚生労働省にあっせんした。

行政相談と実態

 高年齢雇用継続基本給付金を受給したが、この額が特別支給の老齢厚生年金の額を下回っていたために受給しないこととした。しかし、高年齢雇用継続基本給付金を受給している間停止されていた特別支給の老齢厚生年金は65歳まで支給されないことに納得がいかない。

矢印 高年齢継続雇用給付金と特別支給の老齢厚生年金の併給については、後者の一部が停止となり、65歳または退職まで停止が続く。

この事案に係る制度の概要

 特別支給の老齢厚生年金を受けている者が給付金を受けることができるときは、当該年金の一部が支給停止される(厚生年金保険法附則第11条の6)。
 支給停止される当該年金の額は、最大で賃金(標準報酬月額)の6%に当たる額とされている。また、特別支給の老齢厚生年金支給の停止期間は、給付金を受けることができる期間(退職時または65歳到達時まで)が対象となるため、初回申請で給付が認められると、その後、支給申請をしなかったとしても、給付金の支給の有無にかかわらず、退職または65歳まで当該年金の一部が支給停止される。

関係機関の対応と意見

  • 厚生労働省
     高年齢雇用継続基本給付金の申請期間経過後に何らかの手続きを新設すること等により、一部支給停止期間中に高年齢雇用継続給付金が支給されていない事実があり、申請者に給付金を受給しない意思があることを確認できた場合は、老齢厚生年金の支給停止を解除できると考える。
  • 職業安定所
     給付金の支給対象月については、当該支給対象月の初日から4カ月を超えない範囲で申請期限を定め申請者に通知することとなっている。このため、この申請期限を過ぎても申請がないことが確認できれば、一応申請の意思がないと推定できるため、老齢厚生年金の支給停止の解除を行うことが可能な者を特定できると考える。
矢印

行政苦情救済推進会議(総務省)の意見を踏まえたあっせん

給付金の受給者の申出等により、継続して受給する意思がないことを確認した場合、老齢年金の一部支給停止措置を速やかに解除する。
①の措置が講じられるまでの間、給付金の受給を止めた場合でも、支給対象期間は老齢年金の一部支給停止措置が解除されないなど、給付金の受給に関し留意すべき事項について、周知する。
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