被用者年金制度が10月から統一
平成24年8月10日に成立した「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」(年金一元化法)に基づき、平成27年10月1日から厚生年金と共済年金(国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度)が、厚生年金に統一された。厚生年金と共済年金の差異を解消し、同一保険料・同一給付とすることが目的である。共済年金の3階部分(職域部分)は廃止され、その分は新設された「年金払い退職給付」で対応する。また、遺族共済年金の転給制度も廃止された。
厚生年金及び共済年金の保険料率は、毎年段階的に引き上げられており、厚生年金は平成29年に18.3%となるが、公務員は平成30年、私学教職員は平成39年に標準報酬に対して18.3%で統一される。
【年金業務の変更】
①届書等の受付について
各届書等は、障害年金の一部届書を除いて、ワンストップサービス(図1)として日本年金機構または各共済組合等のどの窓口でも行う。
- 一元化前に受給権が発生した共済年金に関する届書等は従来通り、各共済組合等が受付を行う。
- 年金請求書は、現在または最後に加入していた実施機関(日本年金機構、各共済組合等)から郵送する。
図1 ワンストップサービス
②年金の決定・支払について
厚生年金の決定・支払は、これまでと同様に日本年金機構または各共済組合等がそれぞれの加入期間ごとに行う(図2)。
- 障害厚生年金・障害手当金・遺族厚生年金は、初診日または死亡日に加入していた実施機関がほかの実施機関の加入期間分も含めて計算し、決定・支払を行う。
- 老齢厚生年金の繰下げ請求については、すべての老齢厚生年金について繰下げ後の年金を支給する(図3)。
図2 年金の決定・支払
図3 繰下げ支給
③年金相談
共済組合等に加入期間があり、統一後に受給権が発生する被保険者や受給者の相談は、共済組合等でも日本年金機構の窓口でも受け付ける。
- 統一前に受給権が発生している場合は、共済組合等のみで受け付ける。
年金事務所が照会できる共済組合等の受給者記録・被保険者記録
- 年金の受給資格の有無に関して
- 受給記録に関して
- 被保険者記録に関して
表1(参考) 厚生年金の計算方法の統一前後比較