10月1日の一元化の施行日まで、あと1か月あまりとなりました。
全国の年金事務所をはじめ、各共済組合、私学事業団においても、準備作業に余念がないと聞いています。
一元化に関係するパブリックコメントの意見募集も、厚生労働省は8月15日に、財務省(国家公務員共済組合法施行令等)も8月15日に、総務省(地方公務員等共済組合法施行令等)は8月20日が受付締切日となっています。
また、一元化に絡んで、「障がい年金の初診日の確認」(初診日を合理的に推定できるような参考資料が提出された場合に、できるだけ本人の申立てによる初診日が認められるようにする改正)
についてのパブリックコメントも実施されています(厚生労働省:受付締切日9月9日)。
これらがすべて調整されあわさって、政省令が改正されるものと認識しています。一元化はやはり目が離せません。
今月は、一元化後のワンストップサービスの概要についての情報を提供します。
なお、最終ページには【新様式の年金請求書】(表紙部分)を掲載しました。実務の参考にしてください。
年金の振込先は同一の金融機関だけしか指定できないの?
〜厚生年金(1号厚年期間)と厚生年金(3号厚年期間)を受給、年金請求書は1通〜
1通の年金請求書しか送付されてこないのか?
厚生年金と共済年金の両方に加入期間のある人で、受給権が発生するのが平成27年10月から平成28年1月の人(例えば昭和29年10月2日生まれから昭和30年2月1日生まれの男性)の場合、原則として、一元化後の様式の年金請求書(ターンアラウンド)がそれぞれの実施機関から送付されます。
この場合、複数の年金請求書が届きますが、いずれか1通の年金請求書を提出すればよいことにになっています。もちろん、ワンストップサービスの対象で、年金事務所に提出しても、共済組合・私学事業団に提出してもかまいません。添付書類も1通でよいとのことです。ただし、別の実施機関から扶養親族等申告書など、追加で書類の提出が求められる場合があるとのことです。
昭和30年2月2日以後生まれで、平成28年2月1日以後に受給権の発生する人には、氏名・基礎年金番号・過去の年金制度の加入経歴等をあらかじめ印字した年金請求書(ターンアラウンド)が1通のみ、原則として、最後に加入していた実施機関から、平成27年11月以後に送付される予定になっています。
年金の振込先は、実施機関ごとに別の金融機関を指定できる
厚生年金と共済年金の両方に加入期間のある人で、1通の年金請求書を提出すればいいということになると、年金請求書の1面には1つの金融機関の口座しか記入する欄がありません(【新様式の年金請求書】参照)。そうすると、同一の金融機関の口座にしか、年金を振り込むことはできなくなってしまうのでしょうか?
年金を振り込む実施機関はそれぞれ異なり、日本年金機構であり、共済組合であり、私学事業団です。ですから、異なる金融機関の口座に振り込みたいときは、その旨を手続をする実施機関の窓口で申し出ていただくことになります。
【新様式の年金請求書】