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大分県大分市 国保年金課 国民年金室

上は大分市庁舎。隣接して大分城址公園(下)があり、市役所は三の丸跡に建設されている。

 大分市は、「関あじ・関さば」「大分ふぐ」で有名。地元で古くから親しまれている「とり天」も最近は大分名物の1つとして観光客に人気だ。また、市の玄関口である大分駅の周辺は再開発が行われ、今年春には屋上庭園や映画館などの商業施設を含んだ駅ビルがオープンしたばかり。駅前には中世・戦国時代にこの地を治めた大友宗麟の像も立ち、大分市をPRしている。
 同市の国民年金業務を担うのは国民年金室。寄せられる相談で最も多いのは免除に関するものだが、同室では免除した場合のメリットだけでなくデメリットも丁寧に説明し、本人が納得の上で選択できるようにと心がけている。

将来の生活を考え免除だけでなく納付も勧めたい

 国年業務はあくまでも受託事務。そのため、大坪さんは着任当初、国年業務は自分たちで何か工夫や改善ができる仕事ではなく、やりがいは感じられないのではないかと思っていたという。「でも、違いました。一人ひとりとどう接するかにより相手の方は変わるんだということを強く感じ、やりがいを感じます」。
 免除に関する相談対応でもそのことを実感している。大分市では免除の相談を受けた場合、メリットだけでなく、「将来の受給額は減る」というデメリットも丁寧に伝えるようにしている。そうすると納付に考えが変わる人も少なくないからだ。
 担当4年目の後藤司さんは、免除の申請を担当している。「『保険料を払えない=(イコール)将来年金がもらえない』と考えていた方にとって、免除は大きな救いになる。一方で、『やっぱり将来の受取り額は減らしたくない』という方は納付を選択する。メリット・デメリットをきちんとお伝えしたことで、その方が納得して選択できたときは、こちらもよかったと思います」(後藤さん)。

 また、こういう様子を見ると、機構は免除よりも納付に力を入れてもいいのではないかとも思えてくる。「満額受給でも生活は厳しいのに、免除を選択したことで将来の生活がさらに厳しくなるのではないのか。『市役所が、免除を強く勧めたせいだ』などということにならないかとも心配になります。将来生活に困る人を増やさないためにも、免除を安易に選択しないように納付をもう少し強く勧めていってはどうかと思います」(大坪さん)。免除を含めて納付率とする現在の仕組みや、継続免除のあり方も見直す必要があるかもしれない。
 市職員としてもより良い窓口作りに努めていく。「さらに知識を深めて、より丁寧でわかりやすい説明ができるようにしたい」と佐藤さん。小中さんは、「マイナンバー施行に備え、システムや個人情報保護の整備にも力を入れて参ります」。
 堤さんは、「これからも、対応した人に『来てよかった』と思っていただける対応をしたい」。後藤さんは、「国民健康保険や介護保険、税などにもアンテナを広げて知識を得ることで、年金の窓口での対応に活かせるようにしたいと思います」と語る。

ねんきん最前線 市町村VOICE 写真1

後列左から、朝見睦夫参事、堤麻里乃さん、後藤司さん、小中翔さん。前列左から、大坪早智子次長、佐藤梢さん

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