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年金広報タイトル

︱2015.6.15 6月号 (通巻672号) Vol.27

掲載:2015年6月15日
年金講座

被用者年金制度の一元化で、
加給年金額の支給停止はどうなるのか?

筆者プロフィール 長沼 明(ながぬま あきら)

志木市議・埼玉県議を務めたのち、2005年からは志木市長を2期8年間務める。日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員も歴任し、社会保険労務士の資格を有する。2007年に明治大学経営学部特別招聘教授に就任後、現職。主な著書・論文に『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(2015年、年友企画)、『被用者年金制度一元化の概要と制度的差異の解消について』(「浦和論叢」2015年2月号第52号 浦和大学・浦和大学短期大学部)

 10月1日の一元化の施行日まで、あと3ヶ月あまりとなりました。
 年金事務所や金融機関では、厚生年金と共済年金の加入期間があるという妻から、次のような相談が寄せられてきます。「私がこのまま厚生年金に加入して働いていると、現在加入している厚生年金の加入期間と昔加入していた共済組合の加入期間とを合計して20年以上になりますが、そうすると夫に加算されている加給年金額は支給停止になるのですか?」という相談です。
 政令がまだ出されていないので、確定的に述べられない事項はありますが、わかっている範囲内で、加給年金額について、事例をあげながら説明していきます。

加給年金額の支給停止の時期(原則的な事例)
〜一元化後に夫に加給年金額が加算され、一元化後に妻が、共済年金と厚生年金の加入期間が合算して20年となる場合〜

 まずは、原則的な事例から、一元化後の加給年金額がどうなるかをみていきましょう。やはり基本をおさえるのが大切だと筆者は認識しています。

ケーススタディ

◆A夫婦の年金データ(生計維持関係あり)

-年齢は、平成27年6月1日現在のもの-

■ 夫(昭和25年12月12日生まれ、現在64歳、無職)
一元化後に65歳となる。厚生年金25年、国民年金10年加入。受給権発生は、60歳(平成22年12月)。65歳(平成27年12月)で、加給年金額加算。

■ 妻(昭和31年10月31日生まれ、現在58歳、無職)
共済年金(市役所勤務)13年、厚生年金7年、国民年金15年加入。

 【図1】の〈夫の年金支給図〉と〈妻の年金支給図〉をご覧ください。
 夫は、一元化後の平成27年12月11日に65歳となり、平成28年1月分から 加給年金額が加算されます。
 一元化前であれば、妻が65歳になるまで、加給年金額が加算されていましたが、一元化後は変わります。
 一元化法施行後は、厚生年金と共済年金の加入期間は合算して、加給年金額の加算要件を判定します。判定する場合は、次のとおりです。

 ①一元化法施行後に受給権が発生する場合

 ②一元化法施行後に年金額が改定する場合(65歳時、退職改定時等)
  A 夫婦の場合、妻の加給年金額の加算要件(240月)は、特別支給の老齢厚生年金(3号厚年期間:共済年金)の受給権が発生した時点(平成30年10月)で満たされることになりますから、夫の加給年金額は平成30年11月分から支給停止となります。

妻に振替加算は支給されるのか?

 なお、この妻が65歳になったときに、この妻には振替加算は加算されません。(国民年金法附則(昭和60年)第14条。なお、2以上の種別の期間を有する場合の取扱いについては、政令で規定される見込みです。)

【図1】A夫婦の場合

図表1 A夫婦の場合
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