2確定申告によって納め過ぎた税金が戻ってくる

年金受給者の税金が還付されるケース

 確定申告不要制度によって確定申告をする必要のない年金受給者も、次のようなケースでは、納め過ぎた税金が戻ってくる可能性があります。そのためには確定申告をする必要があります。これは、会社員などの給与所得者においても同様です。

①医療費の支払いが年間10万円以上あった場合

 医療費の支払い年間10万円以上の場合、10万円を超えた金額が医療費控除の対象になります。また、総所得金額が200万円未満の場合は、総所得金額の5%を超えた金額が医療費控除の対象になります。ただし、医療費控除の計算にあたっては、保険金や給付金で補てんされた額を差し引いて計算します。保険会社から支給される医療保険金や入院給付金などのほか、出産一時金や家族出産育児一時金、高額療養費などが該当します。

医療費の確定申告は年金住宅福祉協会へお任せください

 保険会社から支給される医療保険金や入院給付金などのほか、出産一時金や家族出産育児一時金、高額療養費などから補てんされた額を差し引いて計算した上で、合計金額がその年の年間10万円を超える方でご自身で医療費控除の確定申告が難しい方は当協会が運営を行っております「確定申告の医療費控除支援サービス」のご利用をおすすめしております。

②社会保険料や生命保険料を払っている場合

 国民年金などの社会保険料や、生命保険や医療保険などの保険料を払っている場合は、社会保険料控除や生命保険料控除の対象になります。(会社勤めをしていて、会社で年末調整を行った場合は除きます。)

③「人的控除」に追加や変更がある場合

 図表2の「公的年金等の源泉徴収票」を見ると、「本人」欄や「源泉控除対象配偶者の有無等」 「控除対象扶養親族の数」などの欄があります。源泉徴収税額には、これらの欄に記載されている人的控除(配偶者控除や扶養控除など、”人”に関する所得控除)が反映されていますので、人的控 除の追加や変更があった場合は、確定申告をする必要があります。
 たとえば、夫婦が離婚したり死別したりした場合、寡夫・寡婦控除の対象となり、税金が戻ってくる可能性があります。

④住宅の取得や特定のリフォームのために住宅ローンを組んだ場合

 住宅を購入した場合は住宅借入金等特別控除が適用され、ローン残高の1%分の控除が10年間受けられます。また、バリアフリー改修工事や省エネ改修工事などの特定のリフォームをした場合は特定増改築等住宅借入金等特別控除が適用され、ローン残高の2%分の控除が5年間受けられます。(※2021年12月31日までに居住した場合に適用
 給与取得者は2年目からは会社が年末調整を行いますが、年末調整のない年金受給者は毎年、確定申告をする必要があります。

⑤ふるさと納税などの寄付をした場合

 国への寄附金、都道府県・市区町村への寄附金(「ふるさと納税」)、公益社団法人・公益財団法人・認定NPO法人などへの寄附金、特定の政治献金などを支払った場合は、寄付金控除の対象となります。
 なお、2015年4月1日以降に行われたふるさと納税については、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用すれば、確定申告をしなくても寄附金控除を受けることができます。

⑥災害や盗難にあった場合

 災害や盗難などで、自宅や家財道具に被害を受けたり災害関連の支出をした場合は、雑損控除の対象となります。雑損控除を受ける合は、「罹災証明」や「盗難届」といった書類を用意する必要があります。

確定申告に必要なもの

 確定申告にあたっては、まず共通して、本人確認書類、印鑑、確定申告書、銀行の口座番号がわかるもの、所得を明らかにできる書類、公的年金等の源泉徴収票、マイナンバーカード(持っていない場合は通知カードなど)などが必要になります。申告書の作成や提出は、インターネット上で行うことも可能です。
 確定申告書への添付が必要となる主な書類は、図表3をご参照ください。
 なお、確定申告不要制度に該当しない、公的年金の収入金額の合計が400万円を超えている人や公的年金以外の所得金額が20万円を超えている人が確定申告をしなかった場合、税金に無申告加算税や延滞税などのペナルティが発生する可能性がありますので、忘れずに確定申告をするようにしましょう。

【図表3】確定申告書への添付が必要となる主な書類

申告内容 添付または提出する書類
医療費控除 医療費控除の明細書
社会保険料控除 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書など
生命保険料控除・地震保険料控除 支払額などの証明書
配偶者控除・配偶者特別控除扶養控除 など 戸籍の附表の写しや非居住者親族のパスポートの写しなど
雑損控除 災害や盗難などでやむを得ず支出した金額の領収書罹災証明 盗難届    など
point

確定申告不要制度によって確定申告をする必要のない年金受給者も、各種控除によって、確定申告をすると納め過ぎた税金が戻ってくる可能性がある

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