「映画」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは何でしょうか。好きな作品? 憧れのスター? あるいは、デートで行ったあの映画館? そう、映画は作品そのものだけでなく、観に行ったときの思い出も含めて記憶に残るものです。
 映画を観る方法が多様化し、インターネット配信など家を一歩も出ることなく数多くの作品を観ることもできるようになりました。とはいえ、映画館に行けば、また別の楽しみに出会えます。家ではできない新たな楽しみ方を提供する映画館、また、小さいけれど独自のプログラムで観客を引きつける映画館など、目を向ければ行ってみたくなる映画館がたくさんあるはず。ぜひ、お近くの映画館に足を運んで、記憶に残る映画体験を。

1迫力の映画体験、シネコンへ

落ち着いた内装のロビー(シアタス調布)

落ち着いた内装のロビー(シアタス調布)

 「シネコン」(シネマコンプレックス=複合型映画館)は、同一施設内に複数のスクリーンを持ち、常時さまざまな作品を上映している映画館。現在では全国各地に広がっています。映画館といえば一般に大きな駅の近くにあるものですが、シネコンは、郊外のショッピングモールなどに併設されることも多く、「車で気軽に、ショッピングがてら映画鑑賞」などという楽しみ方もできるようになりました。快適な鑑賞環境や、迫力のある映像・音響設備など、自宅では味わうことのできない体験を提供することに力を入れており、映画の楽しみ方が広がっています。昨年9月にオープンした「イオンシネマ シアタス調布」(東京都調布市)を訪ね、シネコンで観る映画の楽しみ方を伺いました。

シネコンの楽しみ方

大きなスクリーン、立体的なサウンドで非日常空間へ

シアタス調布のスクリーン

シアタス調布のスクリーン

 映画館の大きなスクリーンの迫力はやはり格別。また、広く、天井の高い空間に響くサウンドは体の芯にまで届き、私たちを作品世界へと入り込ませてくれます。何といっても、この非日常感が映画館の最大の魅力です。
 11のスクリーンを持つ「シアタス調布」では、最も大きな10番スクリーンで幅20m。床から天井まで、前面の壁一面にスクリーンが広がります。また、独自の立体音響システムを導入していることが自慢。壁面いっぱいに広がる映像と、立体的でクリアな音が、映画の世界に体ごと浸ることを可能にしています。独自の音響システムは、「大きな音を強調する」というよりも、例えば、「水滴が落ちた音が周囲に広がっていく様子がはっきりクリアに聴き取れる」というもの。同じ映画でも、あの作品ならこのスクリーンで観たい・聴きたいという人もいるそうです。

アトラクションのような映画体験

アトラクションのような映画体験

 専用のメガネをかけることで立体的な映像が得られる「3D映画」。2009年に公開されたアメリカ映画『アバター』(ジェームズ・キャメロン監督)で導入されて話題になり、大ヒットしました。映像の新しい楽しみ方はその後も進化を続け、現在では、さまざまな体感を再現した「4D映画」が楽しめる映画館が増えています。4Dでは、立体的な映像とともに、映画で起こっている出来事に合わせて座席が動いたり、風が吹いたり、霧がかかったり、いい香りがしたり。まるで自分が映画の中に入り込んだかのように、視覚と聴覚以外の感覚も体験できることが特徴です。
 「シアタス調布」で4Dを実際に体験してみると、特に新鮮なのが動く座席。ヒーロー、ヒロインのアクションに合わせて座席が前後左右に動きます。例えば、ビルの屋上から下をのぞき込むと体は前に傾斜して耳元を風が吹き抜け、悪役と格闘するときには体を左右に揺さぶられて背もたれから体を突かれるような衝撃が伝わります。さらに、爆発があるとフラッシュが光り、水しぶきとともに水滴がはねかかり、水辺のシーンでは周囲に霧が立ちこめる。
 まるで遊園地のアトラクションを楽しんでいるような気分で、爽快なアクション映画にピッタリです。これまでにない新しい映画体験ができるとあって、通常の形式で鑑賞した後、改めて4Dで楽しむという人も少なくありません。

快適な環境でゆったり鑑賞

ゆったり鑑賞できる「グランシアター」

ゆったり鑑賞できる「グランシアター」

 段差があって前の人の頭がスクリーンをさえぎらない、シートの硬さが適度で長時間座っていても疲れにくい、ひじ掛けがゆったりしている、足元のスペースが広いなど、快適に鑑賞できるよう座席を設計した映画館が当たり前になりました。また、プラス料金で、快適で心地よい豪華なシートに座ることができるところや、プライバシーを確保できるカップルシートを設けているところもあります。
 「シアタス調布」では、一般の座席が快適でストレスなく鑑賞できるのはもちろんですが、特別なシートとゆったりしたスペースで鑑賞できる、一室わずか36席のシアター(グランシアター)もあります。飛行機のファーストクラスのような高級レザー、電動リクライニングのシートは、適度な硬さで座り心地が抜群。アジア圏でこのシートを採用したのは同館が初めてだといいます。「結婚記念日に夫婦2人で」「高齢の両親がゆっくり落ち着いて観られるように」「特別な思い入れのある作品を改めて鑑賞したい」など特別な機会に利用する人が多いということです。

シニア世代に割引料金、家にいながらスマホで切符購入も

予約したチケットは、劇場の自動発券機で発券する

予約したチケットは、劇場の自動発券機で発券する

 現在、いわゆる「ロードショー」の入場料は一般料金でおおむね1,800円ですが、シニア世代には割引料金が設定されているのも、映画館に足を運びやすくなったポイントです。例えば、「シアタス調布」では、55歳以上は1,100円、夫婦いずれかが50歳以上であれば、2人で2,200円で鑑賞することができます。
 また、切符購入の面倒が大幅に軽減されるようになったのも大きなポイントです。昔は席を確保するために上映時間前から並んだものですが、近頃はあらかじめ座席を指定できるため、「上映のすぐ前までショッピング」などということも可能です。スマートフォン(インターネット)で座席状況を確認しながら家で席を予約・購入できる映画館がほとんどで、何日か前から座席を確保することもできます。

イオンシネマ シアタス調布

 映画の撮影所をはじめ、映画・映像の関連の企業が多い「映画のまち調布」に昨年9月にオープンした「シネコン」で、11のスクリーンに最新の設備を導入しています。街との結びつきを重視し、落語やトークショー、絵本の朗読などの地域のイベントも開催。「シアタス」とは、「シアター(劇場)」に付加価値を「足す」という意味を込めて命名されており、地域と連携してさまざまなエンターテイメントを発信する場所として親しまれています。

公式ウェブサイト:http://www.aeoncinema.com/cinema/chofu/

総支配人・中村光宏さん

〈総支配人・中村光宏さんから〉

 映画をきっかけにしていろいろな文化に触れられる、ふらりと来て何かおもしろいことに出会える、当館はそんな場所でありたいと思っています。映画は心の栄養、観れば感情が豊かになります。人生のバイブルと感じられる作品や、生き方のモデルになる主人公に出会う経験をされた方も多いと思います。映画は観て終わりではなく、観た後に家族や友人などと感想を語り合うことも楽しいものです。鑑賞後も、調布のまちでゆっくりと楽しんでお帰りください。

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