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くらしすとEYE
介護
掲載:2016年7月15日

進む介護予防 〜介護予防・日常生活支援総合事業② 八王子市

  地域全体を活性化するために

社会福祉協議会とともに住民活動を広げていく

――今回の総合事業の狙いは、単にサービスの受け手となるのではなく担い手になるという部分もあります。サービスの担い手になりたい人と受け手をつなげていくために、何か考えていることはありますか。

溝部 今回の介護保険法改正では、総合事業移行と同時に、生活支援体制整備事業として生活支援コーディネーターの配置が盛り込まれました。この事業の推進により、地域づくりという視点で、地域活動の活性化や介護予防も含めた支え手づくりを進めていこうと思っています。

 生活支援コーディネーターについては、平成27年度にまずは地域全域ということで当課に1人配置し、平成28年度は八王子市社会福祉協議会(社協)に委託というかたちで市内6圏域に分けて1人ずつ配置しました。社協にとっても地域づくりは本来の使命でこれまでもさまざまな地域活動を展開してきたので、社協には本来事業と連携して生活支援体制整備事業をやっていただくということです。

吉本 先ほど説明したサロン活動の支援も社協に事業委託していて、社協から各サロンに支援金という形でお金を出しているんですね。サロンをやりたいという話があると、今後は社協に委託した生活支援コーディネーターがサロン立ち上げや近隣との調整の支援にもかかわることになり、地域の資源をより幅広く活用できる仕組みができていくと期待しています。

――総合事業への移行は、これまで地域で活躍したくてもできなかった人にとっては、チャンスともいえますよね。

辻野 八王子市はもともと福祉に関する意識の高い方が多く、私たちが総合事業に関する説明会を各地域で行った際も、「自分はこういったことができるけど、何かに使えるだろうか、どう関わればいいか」というご意見を頂戴しました。地域に何らかのかたちで関わりたいという意識のある方は多いけど、どうコミットしていいかわからずにそこで止まっているといえます。生活支援コーディネーターが関わることで、地域の活動に関わりたい人をうまくマッチングできる仕組みがを構築したいと考えています。

 また、八王子市内には大学も多いので、学生にも地域活動にわっていただけるよう声をかける予定で、若い人たちの力にも期待しています。

――利用者、事業者、住民だけでなく、行政も意識の転換を求められているのではないでしょうか。

溝部 たしかに、これから求められるのは住民主体のサービスなんですよね。今までは行政のほうで形をつくり、もちろん民間の力も活用してサービスを提供してきましたが、そうしたこれまでの発想が全く覆されることになる。市が形をつくるのではなく、住民の皆さんに意識を高めていただき、地域主体で地域を支える取組みを進めていくという意味では全く初めての領域に入るという気がします。

辻野 また、福祉の分野は専門性を重視されてきましたから、訪問や通所のサービスを住民が主体になって行うという発想自体も今までなかったものだといえます。今回の制度改正以前から地域で活躍してきた方たちにとっては、「やっと我々の時代が来た」「時代が追い付いてきた」という感じだと思うのですが。私ども行政にはその発想がなかったので、地域住民の皆さんの力を制度の中でどう活用するのかが、おそらくどの自治体も悩んでいるところではないかと思います。

――総合事業を通じて、最終的にはどのようなことが期待できると考えますか。

溝部 八王子市はもともと地域の町会やNPOなどの活動が活発で、町会のなかにも福祉部門を設けて活発に助け合いの活動をしているところもあるんです。そうした自主的な取り組みというのが広がっていくのが本来あるべき姿かなと思っていますので、生活支援コーディネーターを活用して地域の自主的な活動を支援し、活動がない地域については活動が発生して、市全体にそのような活動が広がっていく、という流れができてくると理想的だと考えています。

吉本 やはりまずは常設サロンというかたちで、住民の方が自分たちでできる活動というのを広げていきたいので、押し付けでなく、住民の間から「こういう活動がやりたい」という声が出てきて、そこに支援の必要な高齢者の方や、逆に担い手や運営側に回っていただく高齢者の方もいらっしゃって、うまく地域ができあがっていけばいいなと思っています。また、サロンに通う・来るだけでも介護予防ということになるでしょうし、地域の中で顔の見える関係というのもできてくるでしょうから、そういったなかで見守りなどの活動にもつながっていくものと期待しています。

辻野 高齢者の方々にも支援する立場となっていただくことで、何か生きがいを見つけていただければと思っています。地域で役割といきがいを持って活動すれば、その方自身が元気になるだけでなく、支援を受けた方もそれを見て「自分も担い手になろう」と思うでしょうし、高齢者が元気に活躍するまちを見ると、子どもも若者も「自分たちでも何かできるかも」と思えるのではないでしょうか。高齢者が生き生きと行う活動が、周りの住民も巻き込んで、やがて地域全体が元気になっていく、そうなるきっかけをこの総合事業で作っていけたらなと思います。

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右から、福祉部高齢者福祉課の溝部和祐課長、辻野文彦主査、福祉部高齢者いきいき課の吉本知宏課長補佐兼主査。

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