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くらしすとEYE
生きがい・社会参加 介護
掲載:2016年6月15日

高齢社会を支える認知症サポーター

 

サポーター養成は「地域づくり」

一般市民から専門家への相談体制も

■図 「知識の伝達」と「相談」の流れ

図「知識の伝達」と「相談援助」の流れ

 「認知症サポーターキャラバン」は、単なる啓発活動にとどまりません。専門家から一般の市民への「知識の伝達」という流れと、市民から専門家への「相談」と適切な支援という流れが組み合わさったしくみができていることが大きなポイントです。つまり、教わってそれで終わりになるのではなく、生活の場に戻って何か不安があれば相談できる双方向のシステムが地域の中で構築されています。「最終的な目標は、認知症になっても住み慣れたところで暮らせる『地域づくり』です。」と菅原さんは表現します。

 この流れを見てみましょう()。まず、①認知症サポート医や認知症疾患医療センターの医師といった専門家が「キャラバン・メイト」(サポーター養成講座の講師)を養成します。次に、②メイトたちが一般の市民を対象に「サポーター養成講座」を行い、③それを受けたサポーターが地域の認知症の人やその家族を見守り、支援します。これが「知識の伝達」の流れです。

 これに対して、市民から専門家への「相談」と支援の流れでは、④サポーターが身近に気になる人を見かけたときに(見守り)、⑤相談したいことがあれば、講座の講師であったメイトに連絡します。介護・医療従事者や自治体の関係者が中心となっているメイトは、相談を受けた際により専門的な判断ができます。そして、⑥メイトがさらに専門的な診断や治療が必要だと考えた場合は、認知症の専門家に話をつなげます。

 このようなしくみづくりが、サポーターを増やすことにつながっています。

地域で支え合うことが当たり前になるように

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ステップアップ講座用テキスト

 「認知症サポーターキャラバン」が始まってから11年が経ち、最初の年に学校で講座を受けた小中学生の中にはすでに成人を迎えている人もいます。サポーターの数も2017年には800万人を超える見込みとなり、この活動も成熟期を迎えました。サポーターの多い地域では、高齢者の見守りや声掛けなど自発的に地域活動を始める人も増えてきたといいます。

 特別なことをする必要はないといっても、知識を得ると人間は自然と人の役に立ちたくなるものです。ここ数年で、サポーターの中から「認知症についてもっと深く学び、人の役に立ちたい」という声が自然に高まってきました。「これが本物の『サポート』の精神だと思います。次の段階に進める時期が来たと考え、2016年4月から希望者を対象にしたステップアップ講座を開始したところです。」(菅原さん)

 ステップアップ講座も、一般の講座と同様に都道府県や市町村などが主体となって実施しているものですが、いわば「上級サポーター」の養成講座で、すでにサポーター養成講座を受けたことのある人が対象です。より深い知識を学ぶことができ、地域によっては講義を聞くだけでなく、ディスカッションや実習を行うなどグループワークも取り入れられているのが特徴です。

 認知症であることをオープンにしても受け入れられる環境をそれぞれの地域でつくっていく認知症サポーターの活躍は、支え合うことが当たり前の社会の礎となります。

 認知症についての正しい知識をみんなが持って、当たり前のものとして受け入れられる素地ができれば、もし発症したとしても住み慣れた地域で暮らし続けることができます。認知症をただ恐れるだけでなく、まずは正しい知識をもつこと。安心して老後を迎えるための第一歩として、サポーターになってみてはいかがでしょうか。

認知症サポーターキャラバン 公式ウェブサイト

http://www.caravanmate.com/

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