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年金・社会保険
掲載:2016年5月13日

退職時の社会保険の手続き

 

税金の手続き

退職後の税金

 勤めていたときには給料から引かれていた住民税や所得税も自分で納めることになります。それまでは税金に対してあまり意識していなかった人でも、納税対策を立てておいたほうが良いでしょう。特に住民税や所得税は前年の所得を基準に計算されますので、退職後、収入がなくなっても徴収されることを念頭に納税額を確保しておきましょう。税金や保険料は、合計額を1年単位で考えるとかなりの額になります。これは削ることができない額ですから、退職前に自身の家庭経済をもう一度確認しておきましょう。

●住民税

 住民税は市区町村民税と都道府県民税から成り立っています。納税方法は、給料などから差し引く「特別徴収」と納税義務者が直接納付する「普通徴収」がありますが、これまで勤めていた人は、勤め先が前年分(1年分:6月〜翌5月)の納付額を、12カ月に分けて給料から差し引いていましたから、退職時にはまだ給料から差し引いていない分を精算する必要があります。


●所得税

 所得税は前年の所得をもとに計算されますが、給与についてはすでに給料から差し引かれ年末に調整される仕組みとなっています。また、退職後に追加支給されるような場合は、給与所得として所得税が源泉徴収されます。

退職金にも住民税がかかる

 退職金は分離課税方式といって、退職金だけを対象として次のように納税額が計算されます。

退職金の住民税額=
〔(退職金-控除額)×1/2〕× 住民税率
(=10%)

住民税の控除額

勤続年数 控除額
20年以下 40万円×勤続年数
(最低80万円)
21年以上 70万円×(勤続年数-20年)
+800万円

たとえば、30年勤めた人が2,000万円の退職金をもらった場合、住民税は25万円となります(退職金から天引きされます)。

退職金の所得税

 退職金は「退職所得」として次のような所得税がかかります。

退職所得額=(退職金-控除額)× 1/2

※控除額は住民税と同様に計算されます。

 たとえば、30年勤めた人が2,000万円の退職金をもらった場合、250万円が退職所得額となり、これに通常の所得税率が掛けられて納税額が決まります。

【所得税率】

所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円超 330万円以下 10%
330万円超 695万円以下 20%
695万円超 900万円以下 23%
900万円超 1,800万円以下 33%
1,800万円超 4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

 上記の例の場合は、250万円の10%で25万円が所得税ということになります。退職金の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、支払者が所得税額を計算し退職金より源泉徴収するため、原則として確定申告は必要ありません。「退職所得の受給に関する申告書」の提出がなかった人については、退職手当等の支払金額の20.42%が一律で源泉徴収されますので、自分で確定申告を行うことにより所得税額の精算をします。

公的年金にかかる所得税

 老齢基礎年金や老齢厚生年金には、支給額によって税金がかかることがあります。65歳未満の場合は年額108万円以上、65歳以上の場合は年額158万円以上の老齢年金をもらっている場合は所得税の対象となります。各種控除の合計額を超える場合は、所得税を納付します。毎年10月に日本年金機構から送られてくる「扶養親族等申告書」に必要事項を記載して12月初めまでに返送すると、所得税が支給年金より源泉徴収されます。

 なお、障害年金や遺族年金は非課税です。

こんなものも年金から天引きされる

 支給される年金から引かれるのは年金にかかる所得税だけではありません。

 住民税、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料も天引きされます。ですから、これから年金をもらう予定の人は、自分が支払う保険料や税金の合計額を把握して、年金額より差し引いて家計を計算する必要があります。

それ以外の所得

 家賃収入やアルバイト収入などがある人は確定申告が必要です。医療費控除や生命保険料控除を受ける人も確定申告が必要です。


固定資産税

 土地や家屋を所有している人は、その資産額に応じた固定資産税を毎年支払う必要があります。その土地・家屋の住所地の市町村(東京23区については東京都)より納税書が届きますので、期限内に分割または一括で納付します。固定資産税は必ずしも自分が住んでいる不動産にかかるとは限りません。たとえば親が住んでいた土地を相続した場合でも、登記変更した時点から相続人には固定資産税がかかるようになります。

退職後の家計は大丈夫?

 食費や住居費などの生活費を「消費支出」といいますが、社会保険料や税金などは「非消費支出」といいます。どちらも生活していくうえでは欠かせないものです。退職後の収支の計算でこの非消費支出を見逃していると、生活を続けるなかで大きな落とし穴となります。

 退職を控えている人も、まだ時間がある人も一度ご自分の非消費支出がどのくらいになるか具体的に計算してみましょう。

退職後の収入(1カ月) 退職後の支出(1カ月)
年金 消費支出  
就労収入  食料費
その他  住居費
     光熱・水道費
     家具・家事用品費
     被服及び履物費
     保健医療費
     交通・通信費
     教育費
     教養娯楽費
     その他
    小計
    非消費支出
     国民健康保険・介護保険料
     国民年金保険料
     住民税
     所得税
     固定資産税(年額の1/12)
     その他
    小計
合計 合計

 あなたの1カ月の収支 = 収入 - 支出 =       円

※上記以外にも、何かあったときの備え(冠婚葬祭、相続、転居など)が必要になりますから、1カ月単位だけではなく、1年、生涯でも考えてみましょう。

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