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くらしすとEYE
介護
掲載:2015年3月13日

"遠距離介護"のかたち その① 遠距離介護の実態

  遠距離介護にもメリットがある?

遠距離介護が始まったら起こり得ること
 親に介護が必要となり、離れた親の援助を始めた子たちの多くが、次のような苦労や困難に直面するといいます。


① 交通費などのお金がかかる
 新幹線や飛行機で移動するなどの遠距離の場合、交通費は大きな負担です。でも最近は片道700〜800円程度の距離の移動でも2時間半かかって遠距離と感じている方も含まれているので、以前より多様性が出ています。


② 心身ともに疲労する
 現在は専業主婦の方も減り、オフを利用して親の元に通う子が多数。すると休みがなくなり、疲れ果ててしまいます。


③ 兄弟姉妹とも別々に暮らしており、協力体制が組めない
 兄弟姉妹間の揉め事の多くが、お金に関することだといいます。太田さんは基本的には親の介護には親のお金を使うことを推奨しますが、交通費を多く使っている人に文句が出たり、誰か一人がお金を好き勝手に使っているのではないかという疑念が生じて、関係が悪くなることも起こっています。


④ 仕事との両立が難しく、転職や退職を余儀なくされる
 介護休暇・休業制度を利用して親を訪問する方も徐々に増えていますが、体制を整えている会社はまだまだ大手企業の一部。介護のため会社を退職する方もいます。


⑤ 長く別々に暮らしていた親と価値観が合わず、ケンカしがちになる
 子は近くにいられないので親に介護サービスを利用してもらいたいのに、親はサービスを使いたくないという価値観の違いが、遠距離介護の最初のハードルになりがちです。また、ずっと離れていることで価値観にずれが生じ、ささいなことでも意見が合わずにケンカも多くなることも。

遠距離介護のプラス面
 ここまで、遠距離の親に介護が必要になった時、離れていることが障壁となる部分を見てきました。会いたい時にすぐ会えず、親にさみしい思いをさせてしまうのは否めない事実です。しかし、離れていることがプラスに働く部分もあると太田さんはいいます。
 「遠距離介護に突入したばかりの子は、『もっと会いたい』、『ひとりにさせておいて大丈夫かしら』と距離を嘆きがちです。でも、ある程度経験すると、心配してもすぐには飛んで行けないのだから、『今はここで自分の生活を送ろう。行った時に親のことを考えよう』と、割り切りができるようになり、自分の時間が持てるようになっていきます。もちろん、性格によりますが、少なくとも同居の場合と比べ切り替えはしやすいですよね。これは親の方も同じで、けんかになってもだらだらと続かないため、一度リセットして次に会うことができます。
 離れて暮らしているからこそ、会った時くらい少し優しい言葉をかけようかなと思えたり、今だけだから嫌なことも我慢しようとか、ずっと一緒にいるよりはいいと思うことはできますよね。同居の方は嫌なことがあっても明日も同じ環境なわけですから、その点では大変でしょう。」

 また、離れて暮らすメリットの一つとして、独居の要介護の方は特別養護老人ホームなどへの入居の際、優先順位が高まる可能性が大きいことが挙げられます。今心配だからと親を自宅に呼び寄せ、いざホームに入居を考えた時に待機することになってしまう方も多いのです。また、ヘルパーによる生活援助のサービスについても、若い世代と同居の場合は受けられないこともあります。
 遠距離の悪い面ばかりを見て憂うのではなく、今できることを考えるのが得策です。また、遠距離介護には情報収集がいちばんの要だと太田さんはおっしゃいます。

次回は、「遠距離で親を支えるための対応策」を太田さんに伺います。

今回お話を伺ったのは…
NPO法人 パオッコ 〜離れて暮らす親のケアを考える会
http://paokko.org/
※遠距離介護に関するさまざまな情報を発信しています。

2 理事長 太田差惠子さんの著書
「70歳すぎた親をささえる72の方法」
(かんき出版、1,470円(税別))
別居する親を心配する方へ助けとなる知恵とサービスを紹介しています。

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その① 遠距離介護の実態

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