3利用前に知っておきたいこと

オリジナリティ溢れる取り組み

 地域ごとに独自の包括ケアを行う地域包括支援センター。なかでも面白い取り組みをしているところを2つご紹介します。このように各センターそれぞれに特徴があるので、自分の近くにあるセンターではどんな取り組みをしているのか一度訪問して聞いてみるとよいでしょう。

http://www.oota-mimamo.net/blog/大田区地域包括支援センター入新井

 現在70万人ほどの人口を抱える東京都大田区で、大森地区を管轄する地域包括センター入新井。相談の量は月に600件に及ぶという。少ない職員で対応できる業務には限界があると判断したセンター長が独自のネットワークを構築。その名も、高齢者見守りネットワーク「みま〜も」。医療や介護職のみならず、地元百貨店や商店をも巻き込んだネットワークづくりで注目を浴びている。横断的な連携により、高齢者の異変にも素早く気付き、正しき対応、機関へつなぐことを目的としている。
 また、「みま〜も」では、高齢者をナンバリングし、連絡先や病歴、かかりつけ医療機関などの生活歴をとともに登録する「SOSみま〜もキーホルダー登録システム」を実施。このキーホルダーを外出時に持ち歩くことで、万が一外出先で倒れても身元を特定できるというシステムだ。この画期的なシステムが話題を呼び、全国各地にも同様の取り組みが広がっている。

愛知県豊田市役所と地域包括支援センター

 H24年に、愛知県豊田市役所福祉課と地域包括支援センターの共働で結成されたのが「劇団包括」。これは各職員たちが役者に扮し、認知症への正しき理解を深めるための寸劇を公演するというもの。劇団は裏方も含め、総勢40名のメンバーで構成されている。認知症の初期症状や家族など周囲の戸惑い、さらに地域包括支援センターと関わることでどう変化していったかなどを30分の寸劇に盛り込み、各施設などで公演していくというものだ。行政と複数の地域包括支援センターが連携して取り組みを行っている点も興味深い。

利用するには?

 現在全国に4,000か所以上もある地域包括支援センターですが、過疎化した地方ではまだまだ設置数が足りないところも。各市区町村は人口規模に配慮しながら今後も増設が予定されています。では、これらのセンターを利用するにはどうしたらよいでしょうか? 特にこちらには制限はありません。費用は無料で、本人もしくは家族のことでも高齢者にまつわる内容で相談にのってもらえます。また、初めて介護保険を利用する時に訪れる場所でもあります。ここでは事前の予備知識として知っておきたいポイントを紹介します。

①パンフレットをもらう

 地域包括支援センターを訪れ直接もらうか、もし訪れるのが困難な場合は郵送をお願いしてみましょう。パンフレットには介護保険サービス以外に、「緊急通報システムの貸与」「自宅への配食」など、そのセンターが独自で行うサービスが記載されています。気になるサービスがあるかどうかなども、その地域包括支援センターを選ぶ基準の1つになるでしょう。

②事前に相談内容を伝え予約

 直接窓口を訪問しても問題はありません。ただし窓口が混雑していたり、すぐに相談できなかったり、相談内容によってはその分野に長けた人がいなくて対応しきれないことも。そうした無駄な時間を省くためにも、事前に電話で相談内容を伝えてみましょう。その場で解決することもあれば、悩みにきちんと対応してくれる人と話せるよう日程を調整しくれるかもしれません。

相談できる内容

 最後にどんな相談内容が可能なのか簡単な例を挙げてみます。今まで一人で悩んでいたけれど、こんなことも相談できたのね!とあらためて知るものもあるかもしれません。

〈例〉

○「一人暮らしなのだがセールスがしつこくて断るのが大変」

○「高齢になってきて、介護が必要なほどではないが、買い物に行くなど生活に不便が生じてきた。」

○「親の足が不自由になったので自宅に手すりをつけたい」

○「親の徘徊がひどくなってきて困る

○「認知症の親にどう対応したらいいかわからない」

○「最近、同居している息子が冷たくあたる」

○「隣のうちからいつも怒鳴り声が。どうも高齢のお父さんを娘さんが叱っているようなのです」  など

※上記は相談内容のごく1部です。

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