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くらしすとEYE
マネー
掲載:2013年7月15日

退職後の人生、いくら必要?
その2 「もしかすると」の費用編

  65歳以上にかかる医療費は生涯の半分近く

85歳まで生きると、退職後の医療費は1,000万円

 退職後、医療費はどのぐらいかかるのでしょうか。ひとりの人が生まれてから亡くなるまでにかかる医療費総額(自己負担額でなく医療費の総額)を「生涯医療費」といいますが、これは推計で2,400万円(男性2,200万円、女性2,500万円)になります。このうち特に高額なのは、いわゆる「健康寿命」を過ぎて平均寿命を迎えるまでの年代、すなわち男性70代、女性70代〜80代です(図3)。
 下の統計グラフのように、この年代の医療費は、20代にかかる医療費の6〜7倍で、541万円になります。85歳まで生きると、65歳から必要な医療費は1,014万円にも達します。

 図3 生涯医療費


図3
<厚生労働省「生涯医療費」(平成22年度)より>

65歳を過ぎて入院が多いのは脳血管疾患・がん・心疾患

 厚生労働省の患者調査によると、65歳以上で入院する人が多い疾患は、脳血管疾患、次いでがん(悪性新生物)、心疾患(高血圧症を除く)と続きます。平均的な入院日数を見ると、脳血管疾患は100日を超え、がん、心疾患はともに20日以上(図4)にもなります。日本ではこれら三大疾病が全死因の5割を占めます(厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況」(平成24年)より)。

 図4 65歳以上で入院が多い疾患の入院日数

入院受療率

<厚生労働省「患者調査」(平成23年)より>

脳卒中と要介護

 三大疾患で入院した場合にかかる医療費を見てみましょう(図5)。公的医療保険の医療費の項目には、初診料・医学管理料・検査料・画像診断料・投薬料・注射料・リハビリテーション料・処置料・手術料・麻酔料・病理診断料・入院基本料などがあります。
 脳梗塞による入院日数は平均107日間で、上記の項目別にかかる医療費を合算すると約358万円。70歳未満の場合は、3割の自己負担分に高額療養費制度が認められると、医療費の自己負担額は約31万円。これに入院中の食事療養費(食事代)が加算されて、総計は約39.2万円です。
 同じく70歳未満の人が胃がんで平均25日間入院した場合は、総計約10.1万円。心筋梗塞で平均26日間入院した場合には、総計は約12.7万円となります。

 図5 医療費(健康保険診療)の目安


図5-1

図5-2

図5-3

差額ベッド代や諸経費は全額自己負担

 もし入院すれば、かかる費用は公的医療保険の負担分だけではありません。入院のベッド使用料で健康保険が適用されるのは、大部屋のみ。医療保険給付で定められた標準料金よりも高額の場合(特別室)は、その差額を患者が負担しなければなりません。

差額ベッド代

<厚生労働省平成22年調査より>

この差額ベッド代のほか、入院で必要な衣類や生活・衛生用品、飲み物、テレビ視聴料などの諸経費にも保険は適用されません。全額自己負担になります。

諸経費
<総務省「小売物価統計調査年報」(平成24年)より計算>

先進医療の技術料も全額自己負担

 先進医療の技術料も健康保険の対象外です。先進医療とは、健康保険の診療で認められている一般医療の水準を超えた高度な先進技術として、厚生労働大臣の認可を受けた医療行為をいいます。
 技術料は医療の種類や医療機関によって異なり、数万円から数百万円までさまざまです。いずれも全額自己負担となります。

先進医療の技術料
<厚生労働省「平成23年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」より>
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