HOME ≫ トピックス ≫ 好評連載『飽くなき者たち』を語る 〜時代の変化を映す役者の生き様を巡って〜 ≫ ① 老境に入った役者の「いま」を読み解く

好評連載『飽くなき者たち』を語る
〜時代の変化を映す役者の生き様を巡って〜

 好評を博している本サイトの名物コラム『飽くなき者たち ─円熟の輝きを放つ名優の軌跡─』が連載3周年を迎え、4年目に入りました(2017年9月現在)。歳を重ねてなお、否、歳を重ねたからこそ味わい深い輝きを放ち続ける映画界の"飽くなき者たち"の「いま」から見えてくるものはなにか─。執筆者が担当編集者とともに連載を振り返ってみました。

老境に入った役者の「いま」を読み解く

編集者 この『くらしすと』は、セカンドライフをアシストする情報サイトということで、いわば中高年層を主たる対象としています。このサイトで読み物の連載記事を企画しようとなったときに、一つは、この年代の読者が昔を懐かしんで読んでもらえるものはどうかという案が出たんですね。「プロ野球史を飾った名選手列伝」とか「あのころ聴いた思い出の歌謡曲」というような。

執筆者 懐かしの名場面っていうことですよね。


編集者 でも、懐かしむんじゃなくて、「いま」とか「これから」を描くものにしたかった。それで生まれたのがこの企画です。いま老境に入っている俳優の中で、若い頃に活躍していたことも我々は知っているけれども、年を経て、いま演じているのを見て、シブくなったなあとか、カッコいいなあとか、いい役者になったなあ、と感じ入らせる人たちがいますよね。そうすると、年を取るって悪くない、というより、むしろいいと。


執筆者 むしろいい。


編集者 そういう意味で、セカンドライフを生きていく上でのヒントなりサジェスチョンなりを読者に少しでも感じ取ってもらえればありがたいわけなんですが、それを超えてと言いますか、毎回もう少し深いメッセージが実は内包されていて、手前味噌になりますが、ちょっとヨソでは見かけない役者論になっているように思うんですね。そのあたりの話を今日はお聞きしたいと思っています。

西田敏行
倍賞千恵子
岸部一徳
柄本明
津川雅彦

執筆者 そうですね、最初からありきたりなフィルモグラフィーにするつもりはありませんでした。「いま」を描くということでは、直近、近年の1作にクローズアップして、その作品がその人のフィルモグラフィーにどう関連しているかという視点、これは連載1回目から基本的に変えていません。問題はその「切り口」ですね。その俳優の、あまり論じられていない一面、しかし本質的とも言える一面にいかにフォーカスするか。たとえば、一般に当たりが柔らかい、コミカルなイメージが強い西田敏行だったら、「ご機嫌より不機嫌がいい」。倍賞千恵子だったら、「隠し事が似合う」というように。だれもが知っている『釣りバカ日誌』の「ハマちゃん」、『男はつらいよ』の「さくら」に触れるのではなく。


編集者 岸部一徳なんかも、あのぬらりとした怪優的なイメージについて論じられるかと思っていたら、教師役に着目しての「教わりたかった」。意表を突かれました。意表を突かれたけど、読むとなるほどなと。


執筆者 ほぼ同世代の人たちのことを書くとなると、やっぱり似た俳優といいますか、似た役柄を求められる時代があったりで、フィルモグラフィーが似てくる人もいるんですよね。そこは同じようなことは書かないようにしています。あるいは、ものすごい個性派だったらわかりやすいですけど、わかりにくい個性みたいなものもある。そういう人をどう捉えるかですよね。


 岸部一徳もたしかに世の中では怪優ってことになるんでしょうけど、たとえば柄本明なんかも怪優と言える人ですよね。だから簡単に「怪優」なんて言い方をしてしまうと後が続かなくなる。津川雅彦なんかですと、彼を悪役と書くのは簡単だけど、この人ならではの悪の魅力みたいなものをどう捉えるか。それで「いけしゃあしゃあ」と。どんな切り口にするかですよね、毎回。

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