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神奈川県横浜市 健康福祉局生活福祉部保険年金課国民年金係

 2002年、国民年金保険料の収納事務が国へ移管されたのに伴い、市区町村には事務の効率化が求められ、人事面においては、正規職員の削減、非常勤職員の活用等が進められた。
横浜市は20年以上前から専任職制度を設け、年金業務のスペシャリストが市民サービスの向上に貢献しつつ、市職員の人材育成にも励む。横浜市の国民年金事業について、健康福祉局生活福祉部保険年金課国民年金係の外山伊知郎係長専任職の安室専任職にお話を聞いた。

年金生活者支援給付金の区役所向け説明会は
日本年金機構から情報収集のうえ2月に開催

――国民年金事業にとって、今年の課題は何でしょうか。

外山係長 現在、最も大きな事業課題と言えば、今年10月施行の年金生活者支援給付金(図1)の支給に係る事務の円滑かつ確実な実施ということになりますね。これは法定受託事務として市区町村が行うことになっています。

――横浜市では給付金の対象者はどのくらいいるのでしょうか。

外山係長 老齢年金生活者支援給付金を22万人程見込んでいます。そのほか障害年金生活者支援給付金の対象者が約4万人5千人、遺族年金生活者支援給付金が5千人弱の見込みです。

安室専任職 2019年4月2日以降に新規の基礎年金受給者になる方には、年金の新規裁定請求に併せて、給付金の請求書を4月から年金事務所または市区町村に提出していただくことになっています。また、今年4月1日時点の基礎年金受給者で一定の要件を満たす方には9月以降、ターンアラウンドの給付金の請求書が機構から送られることになるので、そのあたりからお問い合わせのピークになるのではないかと見込んでいます。

図版見出し図1 年金生活者支援給付金の概要

<出所:厚生労働省年金局「全国厚生労働関係部局長会議 年金局 説明資料」(2019年1月18日)>

安室専任職 現時点で、給付金の支給業務についての情報がなかなか国や日本年金機構から下りてこないので苦慮しています。市役所庁舎のすぐそばにある横浜中年金事務所が横浜市内の代表事務所ですが、事務所にお聞きしても、まだ機構本部からきちんと説明がなされていないようで、市区町村よりも情報の収集が遅れているのではないかと感じています。給付金については市区町村から国に700件ほどの疑義照会が行われたとされていますが、それに国がまだ応えきれていないものもたくさんあることから、機構本部にしても、依然として国から十分な説明を受けていないのではないかと考えています。
 そうは言っても、市としては給付金の支給事務に万全を期していかなければなりませんので、給付金の窓口を担う18区役所の係長会において、昨年11月から毎月、給付金について説明を行っています。そこでは国が作成した資料だけでは理解が深まらないため、独自に市でも資料を作成しました。また、国が構築したスキームが実務的な観点から区が行う事務に馴染むよう様々な工夫を施しました。2019年2月には18区役所の職員に対して実務説明会を行いましたが、そこでは、事前に機構本部に確認したい事項を区から集約して、横浜中年金事務所を通じて機構本部に確認していただくようお願いしました。そこで得られた情報についても区の職員と共有するとともに、給付金の支給事務の詳細を説明し、理解の促進と円滑な事務執行に繋げていきたいと考えています。

――そのほか、国民年金事業における取り組み課題は何でしょうか。

外山係長 2019年4月からは国民年金第1号被保険者の産前産後の保険料免除制度が始まります。また、マイナンバー(個人番号)による届出も2018年3月5日から可能となり、マイナンバーによる年金関係の手続にもしっかり対応していかなければなりません。いまのところ横浜市は、マイナンバーの届書への記入があまり普及していない状況ですが、今後、健康保険証として一体化するということなどを国は考えているため今後、制度の熟度が増すと、マイナンバーで年金の手続等を行うケースも増えてくるのではないかと考えています。
 また、2019年4月からは入管法の改正で外国人の転入も増えることが予想されます。新聞報道によると、介護、建設、農業など人手不足が深刻な分野で重点的に外国人労働者を活用するとのことですが、その場合、働くのか学生なのかどうか、判別しにくいようなケースや、社会保険の適用がされない場合、国民年金や国民健康保険に流れてくる可能性もあります。横浜市のなかでも外国人が多い区もあればそうでない区もあり、まちまちですが、外国人の多い区では、3、4月には転出入も多く、大勢の外国人が手続に来庁します。そのような事態に円滑な対応を進めるため、外国語に対応した音声翻訳機の導入等も検討しているところです。

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