全国都市国民年金協議会総会及び研修会
(大分市)は台風で中止

 第56回全国都市国民年金協議会総会及び研修会が平成30年8月23・24日の2日間、九州ブロック・大分県大分市のJ:COM ホルトホール大分で開催される予定であったが、台風20号の襲来により中止となった。会員都市813都市のうち、212市区(268名)が参加することになっていた。
 1日目は年金の最新制度説明会と分科会が、2日目は総会と基調講演、分科会報告・事例発表等が予定されていた。予定していた内容を以下にお知らせする。

1日目予定(1):最新制度説明会

 厚生労働省と日本年金機構が、マイナンバー制度や年金生活者支援給付金等の年金に係る最新制度について説明を行い、情報共有を図る予定であった。

・マイナンバー制度について ~平成31年1月以降の情報連携
・年金生活者支援給付金について
・産前産後期間の保険料免除について
・日本年金機構と市区町村の連携について

【講 師】

厚生労働省年金局事業管理課

・古賀紳介課長補佐
・城戸健一年金業務推進専門官
・杉村弘樹国民年金適用収納専門官
・田中健登法令係長

日本年金機構:刷新プロジェクト推進室事業調整監
事業推進統括部市区町村連携グループ

1日目予定(2):分科会

 テーマごとに8分科会に分かれて、国民年金の実務や制度について疑問点や改善点等、それぞれ議論をすることが予定されていた。参加を予定していた市区と厚生労働省、日本年金機構では事前にメール等で意見交換を重ねており、第2〜第8分科会は非公開であったが、参加しない人も情報を共有できるように厚生労働省及び日本年金機構からの公式回答を含めた資料(意見提案票)を作成していた。

テーマ

※( )内はリーダーの所属

【第1分科会】

「最新制度全般」(鹿児島県鹿児島市国民年金課)

【第2分科会】

「日本年金機構との連携強化」(東京都町田市保険年金課)

【第3分科会】

「交付金全般」(福島県福島市国保年金課)

【第4分科会】

「資格適用」(大分県別府市保険年金課)

【第5分科会】

「保険料納付・免除」(福岡県北九州市保険年金課)

【第6分科会】

「給付全般」(熊本県山鹿市国保年金課)

【第7分科会】

「障害年金(1)」(香川県高松市市民課)

【第8分科会】

「障害年金(2)」(高知県高知市中央窓口センター)

意見提案票の内容(各ブロックごとに選定)

◆第1分科会(最新制度全般)

 近畿ブロックから、電子媒体化やマイナンバー利用事務に関して、すでに発生していた問題が後手に回りトラブルにつながっていることが多いため、日本年金機構(以下、機構)に対して情報共有と改善を求める意見が出されていた。機構からは分科会において出席者の意見を聴取して有効な手段を検討したいとの回答を得ていた。
 中国ブロックから、市区町村の業務が煩雑になるため、マイナンバーによる報告(原則)を従来の基礎年金番号による対応に戻してほしいとの意見が出されていたが、機構からはマイナンバー導入の趣旨に対する理解と協力が求められていた。また、中国ブロックからは年金生活者支援給付金について、厚生労働省に対して準備期間を考慮した通知を発出してほしい旨要求が出されていた。

◆第2分科会(日本年金機構との連携強化)

 東北ブロックから、法定免除や外国への転出、障害年金請求等の手続きについて、わかりやすい様式に変更してほしい旨意見が出され、機構からは現状の各様式の趣旨について説明が行われていた。
 関東ブロックからは、年金事務所の電話回線やねんきん加入者ダイヤルの対応について改善が求められていた。機構では市区町村と情報共有を図り誤案内がないよう努めたいと回答していた。九州ブロックからは高齢者が利用しやすい電話応対への改善が求められていた。

◆第3分科会(交付金全般)

 第56回全国都市国民年金事務局が会員都市を代表して、国民年金事務費交付金について、会計検査院の実地調査による指摘に基づく事務見直しは、市区町村事務の実態も考慮したものにしてほしいとの意見を出しており、厚生労働省からは会計検査院の受検内容を踏まえた取扱いを一部明確化しており、基本的に来年度から変更していく予定との回答が出されていた。

◆第4分科会(資格適用)

 東北ブロックから、任意加入被保険者の資格喪失時期について機構より通知してほしい旨意見が出されていたが、機構は、年齢(65歳)と加入月数(480月)による喪失は当該予定日に資格喪失の処理を行っているが、これ以外の場合は、資格喪失を通知することは任意加入の趣旨を考えて困難であるとして、市区町村から被保険者に対する丁寧な説明を求めていた。
 関東ブロックからは、外国人の加入手続きについて、窓口の負担を軽減するための工夫が求められており、厚生労働省からは職権適用の確実な実施に務める旨の回答がなされていた。また、東海ブロックからはカナだけではなくローマ字による外国人の管理が求められており、機構からは現状の説明と管理上の徹底について回答が出されていた。
 北信越ブロックからは免除申請や口座振替申出を同時に受けた場合の納付書の省略が求められたが、厚生労働省からは納付書の意義及び手続きの流れを考えると困難であるとの回答がなされていた。
 四国ブロックからは機構に対して、資格取得や異動があった後の納付書が速やかに被保険者に届くようにしてほしいとの意見が出され、機構からは現状のスケジュールが示されたうえで迅速な対応に努めるとの回答が出されていた。

◆第5分科会(保険料納付・免除)

 東北ブロックから厚生労働省に対して、保険料納付が選択制となる平成26年度より前の法定免除期間において納付済み保険料がある場合、年金額の計算に充当できる仕組みにしてほしいとの意見が出されたが、厚生労働省は規定により適用できないとの回答を行っていた。
 関東ブロックからは、法定免除について生活扶助受給者や障害年金受給者と連動して職権適用できるシステムの構築を望む意見が出されたが、厚生労働省からは生活扶助との連動は容易ではないこと、機構からは障害年金受給者との連動は検討したい旨回答が出されていた。
 東海ブロックからは、免除申請書の受付情報を受託事業者にも提供して業務の効率化を図ってほしいとの意見が出され、機構からは受託事業者との連携を密にすることで解決していきたいとの回答が出されていた。また、東海ブロックから3月生まれの20歳加入者の前納について改善が求められ、厚生労働省及び機構からできない旨回答があった。
 四国ブロックからは、雇用形態の変更で厚生年金保険の資格喪失した人に対しても保険料の特例免除を認定してほしいとの要望があったが、厚生労働省からは対象を拡大することは困難であるとの回答が出されていた。
 九州ブロックからは、免除の継続申請について、マイナンバー本格稼働後は翌年度以降も一部免除を含む全区分を審査してほしい旨意見が出されたが、厚生労働省・機構ともに、一部免除を含む全区分の継続審査を行うのは処理の流れからみて困難であるとしていた。

◆第6分科会(給付全般)

 近畿ブロックから、繰下げ請求について、請求者が正しく理解したうえで選択できるよう、「老齢基礎年金請求書」の様式に追加で確認欄を設けてほしいとの意見が出され、機構からはターンアラウンド請求書への確認書の同封やリーフレットの見直しを検討しているとの回答が出されていた。
 中国ブロックからは、「扶養親族等申告書」が平成30年度に改定され被保険者の混乱を招いているため、様式を簡素化するよう意見が出され、機構からは簡素化に向けて関係機関と調整していきたいとの回答が出されていた。

◆第7・8分科会(障害年金)

 以前から市区町村の負担が大きい障害基礎年金裁定請求に係る事務処理について、近畿ブロックから機構が一括して取り扱ってほしいとの意見が出されたが、厚生労働省・機構ともに、法定受託事務として市区町村にお願いしている現状を踏まえて互いの連携と協力が求めてられていた。
 九州ブロックからは、障害年金について20歳・60歳到達時の周知を強化してほしいとの要望が出されていた。厚生労働省・機構ともに市区町村と連携し周知に努めたいとの回答が出されていた。

※各ブロックでの選定に漏れた意見提案票についても、事務局が当初示した「意見提案票活用方針」どおり、すでに回答が得られているものを除き、現場の声として厚生労働省及び機構に伝達されている。

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